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探偵は眠らない!

#15

4話 見知らぬ、街道 1

 『街』と認識できたのには二つの理由がある。
 まず、そこに人がいたこと。肩摩轂撃というほどではないが、天界の屋台のようにたくさんいる。
 そして、建物がザ・街であったこと。どこかイギリスのシャーロックホームズを彷彿とさせる近代的な街並感…。
 ……ん?イギリス?近代的?

「待て待て待て待て」
 おかしい。
 あれ、聞いていた話と違う。
 具体的には場所と時代が違う。


 …いや、場所も時代も具体的に言ってないのは俺だ…。
 確かにあの女神は言った。地球と環境が酷似している、と。そして多少の違いは動植物のみだ、と。
 これはアレだ。俗に言うオワリってやつだ。現代レベルで発展してるならまだしも、この世界に果たして生活保護法なるものが存在するのだろうか…?
 すなわち、露頭に迷えば即Death!

 冷静に考えても結構ピンチではないだろうか。

「…とりあえず仕事探すか」
 一週間前までは高校生活をエンジョイ…してねぇわ。してなかったわ。まあ、それなのにいきなり社会経験を積めというのはいささか無理がある。
 ポケットには申し訳程度に銀貨が数枚。俺の今までの知識(全てラノベorマンガorアニメ)からするに、たぶん通貨制度は金銀銅貨だろう。まあ数日は耐えたとしても、職を得られなければ生きていけない。
 ということで、ハローワークがてらちょっと散策。

 こう、レンガ造りの建物が繋がって連立しているのを確かタウンハウスとか言うらしい。屋根だけがそれぞれ独立していて、建物どうしは隙間一つない。
 石畳の街道がそこまで高くはない家々に挟まれて、さらにはレストランのテラスや八百屋の外にある売り場(あれなんて言うんだろ)などなど。
 あと、やっぱり見たことないものが沢山。
 屋台に売っているものは見知ったものもあれば、形状からして元の世界には絶対に存在しないと言い切れるものまで。
 そしてなぜか言語は通じる。俺が日本語と感じるものが共通言語らしい。そういう仕様なんだろうか?やっぱ御都合主義だ。

 街を歩き回ってみてわかったことがある。

 ここ異世界だわ。

 意外にも異世界だわ。結論に至るまでの物証は様々だが、決定的なのはやはり魔法。花屋の店員が空から水を出してそのまま植物にやっていたことにびっくりした。もし魔法に適性がなかったら俺もぜひやってみたいものだ。
 
 俺が飛ばされたのはおそらく昼時。そして最初よりも賑わいが減って空がオレンジがかってきたころ、俗に言うギルドを見つけた。
 この世界にもダンジョンなるものはあるのらしい。重装備の戦士や深い帽子を被った「いかにも」な魔法使いなどなど。
 そんなゴロツキが集う場所に、のこのことヒョロっちい奴が職を求めてやってくるとは、なんとも滑稽であろう。まあ、ギルドなら求人の掲示板があるだろうと踏んで来たわけだし、俺みたいな安直な考えの人はいくらでもいそう。

 下手すれば学校の黒板よりでかい掲示板を端から端まで探してみる。
 結果的に俺ができそうな仕事が二つあった。
 掃除と手伝い。
 どうやら掃除の方が給料がよさそうだ。通貨の単位は知らないが、アラビア数字が使われているので多い方を選ぶのみ。
 とりあえず、日が暮れる前に行くとしよう。
 学校の黒板よりも大きい掲示板を端から端まで舐め回すように探してみる。
 何も仕事の依頼だけでなく、行事のお知らせや迷い猫の張り紙などなど。やっぱりこういうのは地域性が出るんだろうな。
 
 そういうわけで、俺でもできそうな求人を二件だけ見つけた。
 掃除と手伝い。
 どちらかといえば掃除の方が給料がいいっぽい。まだ単位はよくわからないが、数字は同じアラビア数字らしいから「どっちが特か」ぐらいはわかる。
 まあ暗くなる前に広告主を訪ねるとしよう。

2025/11/03 10:31

ゐぬい
ID:≫ 18yayKY/7LFxA
コメント

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探偵推理異世界転生ギャグコメディ魔法

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