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探偵は眠らない!

#12

3話 死は混沌の至誠也 2

 自分を呼ぶ声が聞こえる。

 あれ、暗い。

 けど確かに聞こえる。

「…ッツ!」
 眩しッ。
「…あ、起きたね」
 この声は…エスメラルダか?
 ガバッと起きるが、そこに実体はなかった。
 てことは指輪か。
「まさか逃げた方向にもいたとはねぇ」
「逃げた…方向?」
「あれ、忘れてる?君、気絶してたよ」
 改めて辺りを見回す。気づかなかった。
 ここ、知らない場所だ。
 自分の下に柔らかい感触を覚える。…ベッド?温かな光が揺れるカーテンから漏れ出る。周りにはベッドがいくつかあった。
 どうやら病院っぽい。

「とりあえず、何があったか説明してくれるか?」
「そうだね。簡単に言えば危機一髪…かな?」
 聞けば、逃げた方向にもあの黒い塊がいたらしく、そいつにふっ飛ばされたときに気絶したらしい。
 我ながら恐ろしい話だ。エスメラルダが助けてくれたからいいものの、もし少しでも遅かったら俺も晴れてあいつらの仲間に(それとも一部だろうか?)なっていたという。
「で、あいつらはどうなったんだ?」
「もちろん君が目を覚ます前に鎮圧されたさ。静かだろう?」
 なんだか知らない間に終わっていたと思うと、ホッとするようなそうでもないような。
「君は命に別状はないみたいだし、明後日には退院だって」
 まあ、何はともあれ一件落着ということだろうか。
「そういやあの黒い塊、死者の氾濫だっけ?あれってなんだ?」
「ああ、詳しい説明省いてたね。ちょっと長くなるけどいいよね?」
「構わんぜ」
「君が今いるここはいわゆる狭間なんだ。天国と地獄の狭間、境界とも言うかもね。とにかく、境目ってことはものすごく貧弱ってこと。天国からも地獄からも干渉されやすい」
「なるほど。つまり今回のも地獄側からの干渉が原因ってことだな」
「そういうこと。ただ、これは意図的な干渉ではなく、事故みたいなものだったんだ」
「事故?」
「死者の氾濫って言ってね、『生き返りたい』とか『自分みたいな仲間を増やしたい』とか思う地獄の人々が集まってできた怪物があの黒い塊。本来は地獄側の職員が止めにかかるんだけどね、数が多すぎて牽制ができなかったみたい」
「だから執拗に生身の奴らを狙うのか」
「まあ、僕から説明できるのはこのぐらいかな」
「色々ありがとな」
「給料分の仕事をしたまで、とでも言っておくよ。今日はもう休むといい」
「そうするかな…」
 こうして、俺は微睡の彼方へと深く沈んでいった。

作者メッセージ

てんやわんやしてすっかり遅れてしまいました。
ちょっとずつペースを戻していけたらなぁと思ってます。

2025/10/13 17:15

ゐぬい
ID:≫ 18yayKY/7LFxA
コメント

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探偵推理異世界転生ギャグコメディ魔法

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