いよいよ、春も全盛期を迎えたというのだろうか。道を歩けばそこらにてんとう虫が飛んでいる。道端には暖かさに目覚めた花々がポツポツと咲いている。近くのそこそこデカい公園には桜が咲いていて、ああもうそんな季節ですか、と改めて実感させられる。にしても今年は開花が遅かったような気もするな。
まあ、そんなことは我ら想造部には関係ないことで、今日も窓の外に一切目をやることなく過ごすだろう。
俺ら三人はあいも変わらずニート予備軍のように部室でただ各々の時間を過ごしていた。まったく、この部活はなんのために存在するのやら。
「そういや、穂。頼み事があるんだが」
和義が声をかけてきた。
「なんだ?お前から頼むとは珍しい」
「いや、ちょっとさ。本返してきてくれね?」
「構わんが…。自分でいけよ」
「今見てのとおり手が離せないんだ」
確かに。和義は机の上に5段はあるトランプタワーを作っていた。
「…わかったよ」
「助かる。カバンの中に本があるはずだから、頼むわ」
俺は和義のカバンを引っ張り出して、あさってみる。何入ってんだこいつ。見ると謎の液体が入った瓶や聴診器があった。医者かお前は。
「これか?」
「そうそれ」
なに?『ヒマラヤの少女ガイジ』?
「…お前これどんな話だよ」
「ヒマラヤに住んでるガイジっていう少女がブランコのかかるデカい木を見つけに行く話。笑いあり涙ありのSF小説だ」
…なんだそれ。
「まあ、とりま行ってくるわ」
「おう、ジュース一本奢る」
「待て、俺が行く。」
拓弥が急に声を上げた。お前ジュース欲しいのか?
「俺もちょうど本を返そうと思っていてな。」
「…そうか。じゃあ、任せてもいいか?」
「ああ、行ってくる。」
あいつはすくっと立ち上がると、カバンから本を取り出して、和義の本と共に部屋を後にした。
「………」
こうしてまた部室には沈黙が流れた。時折、外からおそらく一年生と思われる運動部の奇声が聞こえてくるだけだった。
Fifteen Minutes Later…
カラカラと音を立ててドアが開いた。拓弥が帰って来たのだろう。
「サンキューな」
「おかえ…り?」
なんだその左手に持ってるやけにデカい本は?
「見ろ。」
そう言ってその本を俺らに見せてきた。
「…絵本?」
「ああ、そうだ。」
「お前が?」
和義の声が少し上ずったように聞こえた。
「ああ、そうだ。」
つまらないチャットボットのような返しをするな、おい。
「お、お前が…?」
「そうだが。」
部室が静まり返った。
「ハッハッハハハハハハハハ!!!」
急に和義がでかい声で笑い出すから、さすがにびっくりした。
と、同時に俺も我慢できなくなった。
「おまwwwまじww?」
ちょ、wwwまじでww?高校生が図書室でチョイスするのが絵本かよww
「ああ、一つ言い忘れてた。」
俺も和義もまだツボにハマっている。
「この本、お前のカードで借りたわ。」
「ハッハッ…ハ………は?」
「お前のカードで借りた。」
「お前って…?」
「和義、お前だよ。」
まあ、そんなことは我ら想造部には関係ないことで、今日も窓の外に一切目をやることなく過ごすだろう。
俺ら三人はあいも変わらずニート予備軍のように部室でただ各々の時間を過ごしていた。まったく、この部活はなんのために存在するのやら。
「そういや、穂。頼み事があるんだが」
和義が声をかけてきた。
「なんだ?お前から頼むとは珍しい」
「いや、ちょっとさ。本返してきてくれね?」
「構わんが…。自分でいけよ」
「今見てのとおり手が離せないんだ」
確かに。和義は机の上に5段はあるトランプタワーを作っていた。
「…わかったよ」
「助かる。カバンの中に本があるはずだから、頼むわ」
俺は和義のカバンを引っ張り出して、あさってみる。何入ってんだこいつ。見ると謎の液体が入った瓶や聴診器があった。医者かお前は。
「これか?」
「そうそれ」
なに?『ヒマラヤの少女ガイジ』?
「…お前これどんな話だよ」
「ヒマラヤに住んでるガイジっていう少女がブランコのかかるデカい木を見つけに行く話。笑いあり涙ありのSF小説だ」
…なんだそれ。
「まあ、とりま行ってくるわ」
「おう、ジュース一本奢る」
「待て、俺が行く。」
拓弥が急に声を上げた。お前ジュース欲しいのか?
「俺もちょうど本を返そうと思っていてな。」
「…そうか。じゃあ、任せてもいいか?」
「ああ、行ってくる。」
あいつはすくっと立ち上がると、カバンから本を取り出して、和義の本と共に部屋を後にした。
「………」
こうしてまた部室には沈黙が流れた。時折、外からおそらく一年生と思われる運動部の奇声が聞こえてくるだけだった。
Fifteen Minutes Later…
カラカラと音を立ててドアが開いた。拓弥が帰って来たのだろう。
「サンキューな」
「おかえ…り?」
なんだその左手に持ってるやけにデカい本は?
「見ろ。」
そう言ってその本を俺らに見せてきた。
「…絵本?」
「ああ、そうだ。」
「お前が?」
和義の声が少し上ずったように聞こえた。
「ああ、そうだ。」
つまらないチャットボットのような返しをするな、おい。
「お、お前が…?」
「そうだが。」
部室が静まり返った。
「ハッハッハハハハハハハハ!!!」
急に和義がでかい声で笑い出すから、さすがにびっくりした。
と、同時に俺も我慢できなくなった。
「おまwwwまじww?」
ちょ、wwwまじでww?高校生が図書室でチョイスするのが絵本かよww
「ああ、一つ言い忘れてた。」
俺も和義もまだツボにハマっている。
「この本、お前のカードで借りたわ。」
「ハッハッ…ハ………は?」
「お前のカードで借りた。」
「お前って…?」
「和義、お前だよ。」