空中廊下の先の校舎には、俺が探していた和義がいるはずだ。色々問い詰めなければならない。どこにいたのか、なぜあんなことを言い出したのか。上げだしたらキリがなく、延々と空気を入れた風船のように疑問符が膨れる。
反対校舎の廊下には、一人佇む部長の姿があった。これから、マシンガンのような質問攻めを食らうというのに、ずいぶんお疲れのようだ。
「おい、和義」
和義はその目で俺を認めると、
「…ああ、お前か」
と数秒遅れ気味で返事を返した。
「聞きたいことは山々だろうが、先に部室に行かないか?」
なるほど、まずは場所の確保というわけかな。それでは、想造部という名の取調室へと向かおうじゃないか。されるがままな和義は抵抗することもなく、大人しくついて来た。
例の部室にはまだ拓弥は来ておらず、俺らは教員用机に向かい合うように座った。
「まず、聞きたいのはお前は一体どこに行っていたかだ」
「ああ、まあそうだな。俺も探してたんだ」
「何を?」
「スマホだよ」
…アホなんかこいつは。
「ほら、灯台下暗しとかなんとか言うじゃん?」
「教室にあるとは思わなかったのか?」
「思ったさ。真っ先に向かったさ!でも、そしたら小林さんがいたんだぜ?」
やっぱあの人か。やっぱりどの件に関しても一枚噛んでくる。これは藪蛇なんかじゃなく、もはや、金魚すくいで獲物を獲得できなかったときにおっちゃんがくれるスーパーボールぐらい、オマケ要素並に付いてくるものなのかもしれない。
「それでどうしたんだ?」
「仕方がないから、教室近くの階段で耳を澄まして待ってたんだ。早く帰らないかって」
まさか意外と近くにいたとは、全然気づかなかったな…
「そしたら、俺のスマホの着信音が聞こえるわけよ」
俺が電話をしたときのやつか。
「しばらくしたらお前の声が聞こえてきてさ。電話したのはお前だろうって推測したわけ」
そこまではなんとなく考えつくが、一体なぜ、その後スマホ奪還作戦の邪魔をしたのかがわからない。
いよいよ本題に入ろうとしたところで、ちょうど拓弥が戻ってきた。
「ああ、こんにちは。トラブルメーカー和義くん。」
と、皮肉を込めたように言うと、カバンを置いて椅子に座った。こいつも真相が気になっているらしいな。
「で、問題はその後だ」
俺は犯人のアリバイを崩すために時系列に話す探偵のように切り出した。
「なんでお前は小林さんに加担したのか。そこがよくわからない…」
「さっき言った通りだけど」
こいつは机を滑る味噌汁のおわんぐらいさらりと言う。
「面白いからとかいうやつだろ。」
拓弥が不機嫌そうな声を出した。と、和義が
「俺にはなんでそんな疑問が出てくるのかわからない」
火に油を越えてガソリンをボトル丸ごと注ぐようなことを言いやがる。
「じゃあ、逆に聞くがなんで参勤交代があると思う?」
知らねえよ、お前が勝手に作ったんだろ。
刑事を出し抜いた犯人が自分のトリックについて自慢気に話す感じで聞いてくるこいつに段々腹が立ってきた。
「わかってないな。エンタメの一種としてあるのがこの制度なんだよ」
頼むから今すぐに無くしてくれ。俺らは猛獣と戦うグラディエーターじゃないぞ。
想造部の空間がローマ帝国時代まで遡ったところで、拓弥が声を発した。
反対校舎の廊下には、一人佇む部長の姿があった。これから、マシンガンのような質問攻めを食らうというのに、ずいぶんお疲れのようだ。
「おい、和義」
和義はその目で俺を認めると、
「…ああ、お前か」
と数秒遅れ気味で返事を返した。
「聞きたいことは山々だろうが、先に部室に行かないか?」
なるほど、まずは場所の確保というわけかな。それでは、想造部という名の取調室へと向かおうじゃないか。されるがままな和義は抵抗することもなく、大人しくついて来た。
例の部室にはまだ拓弥は来ておらず、俺らは教員用机に向かい合うように座った。
「まず、聞きたいのはお前は一体どこに行っていたかだ」
「ああ、まあそうだな。俺も探してたんだ」
「何を?」
「スマホだよ」
…アホなんかこいつは。
「ほら、灯台下暗しとかなんとか言うじゃん?」
「教室にあるとは思わなかったのか?」
「思ったさ。真っ先に向かったさ!でも、そしたら小林さんがいたんだぜ?」
やっぱあの人か。やっぱりどの件に関しても一枚噛んでくる。これは藪蛇なんかじゃなく、もはや、金魚すくいで獲物を獲得できなかったときにおっちゃんがくれるスーパーボールぐらい、オマケ要素並に付いてくるものなのかもしれない。
「それでどうしたんだ?」
「仕方がないから、教室近くの階段で耳を澄まして待ってたんだ。早く帰らないかって」
まさか意外と近くにいたとは、全然気づかなかったな…
「そしたら、俺のスマホの着信音が聞こえるわけよ」
俺が電話をしたときのやつか。
「しばらくしたらお前の声が聞こえてきてさ。電話したのはお前だろうって推測したわけ」
そこまではなんとなく考えつくが、一体なぜ、その後スマホ奪還作戦の邪魔をしたのかがわからない。
いよいよ本題に入ろうとしたところで、ちょうど拓弥が戻ってきた。
「ああ、こんにちは。トラブルメーカー和義くん。」
と、皮肉を込めたように言うと、カバンを置いて椅子に座った。こいつも真相が気になっているらしいな。
「で、問題はその後だ」
俺は犯人のアリバイを崩すために時系列に話す探偵のように切り出した。
「なんでお前は小林さんに加担したのか。そこがよくわからない…」
「さっき言った通りだけど」
こいつは机を滑る味噌汁のおわんぐらいさらりと言う。
「面白いからとかいうやつだろ。」
拓弥が不機嫌そうな声を出した。と、和義が
「俺にはなんでそんな疑問が出てくるのかわからない」
火に油を越えてガソリンをボトル丸ごと注ぐようなことを言いやがる。
「じゃあ、逆に聞くがなんで参勤交代があると思う?」
知らねえよ、お前が勝手に作ったんだろ。
刑事を出し抜いた犯人が自分のトリックについて自慢気に話す感じで聞いてくるこいつに段々腹が立ってきた。
「わかってないな。エンタメの一種としてあるのがこの制度なんだよ」
頼むから今すぐに無くしてくれ。俺らは猛獣と戦うグラディエーターじゃないぞ。
想造部の空間がローマ帝国時代まで遡ったところで、拓弥が声を発した。