『あれ、なんでお前がここにいるんだ和義?!というか今の発言はどういうことだ?』
なんか向かいの校舎で始まったぞ。
『そのままさ。もちろん、参勤交代制度を理解した上でね』
「なんでお前そっちに加担するんだ!?」
俺も思わず声を張り上げて言った。二に二を足せば五とでも言うような調子の和義の目的がわからない。
小林さんは返答になっていないことに恐怖と疑念をもち、女子集団もキョトンとしている。そりゃそうだ、会話相手はインカムの向こうにいるわけだからな。
「どうしたの、伊月くん?会話のキャッチボールが成り立ってないけど…」
やや引き気味に聞く小林さんは俺に同じ質問をする。どうしたいの、と。だがそんなのに構う暇は正直ない。今のところ容量オーバーなんだ。ゴールデンウィーク最終日の高速道路並みに渋滞した情報についていけない。
「おい、なんでなんだ!」
傍から見れば、見えてはいけない何かと話しているようでやや心霊現象気味な気もする。板挟みな状態の俺は残念ながらそこまで賢いわけではないから、女子集団をそっちのけに会話を続ける。和義はきっと卑屈な笑みを浮かべているだろう。
『そりゃあ、面白いからに決まってるだろ?現代のドラマやバラエティ番組からは決して味わうことのできないこの上から目線な気分がいいんだ!』
お前はいつ天空の城の王に転生したんだ。
「穂、大丈夫かい?なんか変じゃないか?」
茜の心配はありがたいが、今はそれどころじゃないんだ。俺は続けて僕だけが聞こえる声と会話をしていた。
あとは拓弥の号令があればいいんだ。司令塔に従う現場人は回収という二文字を待つのみだ。すると、拓弥が
『伊月ーー』
『待て、もう少し待ったほうがいいだろう』
俺は耳を疑う。和義が遮った。しばらくの沈黙が流れる。
「高野さん、命令してくれ。俺はアンタの命令を聞く」
だが、そうはさせまいと和義が
『そこで待機だ。開封されるまで待て!』
「高野さァん!」
『お前は手を出すな!』
拓弥は沈黙を続ける。場所が違えど同じ事件を担当しているはずだ。
「答えてくれ高野さん」
小林さんはもうキャッチボールを諦めたようで、関心が手元のスマホへと移っていた。
「もう開けられそうです。止めます!」
『動くな!開けられるまで待ってろ!』
バンッ!!
俺は和義の机を強く叩く。
迫撃砲かと思われるようなその衝撃音は教室中に鳴り響き、小林さんは固まり女子群はビクッとする。
「事件は会議室で起きてんじゃない、現場で起きてんだ!!」
俺は聞こえているのかわからない拓弥へと叫ぶ。
「高野さぁあん!!」
空気のキーンという音がした。
『伊月回収だ!』
拓弥の力強いその声を聞くと、俺は早足に小林さんのもとへずいと歩み寄った。
そのスピードと威圧感がすごかったようで、
「あ、え…」
と、たじろいでいる。
「スマホ、回収させてもらいます!」
キャンプ地を宣言するような勢いで言うと、おどおどしながらも大人しく渡してくれた。
インカムの向こうではガサガサと音が聞こえたかと思うと、和義の気を落としたような声が聞こえた。
『どこへ行くんだ』
『現場だ。』
と短いセリフが聞こえた。
俺はスマホの安全を確認すると、教室に入ってきた拓弥にスマホを渡す。
「なんとか、やったな」
俺は一言そう言うや否や小走りに空中廊下を渡った。
なんか向かいの校舎で始まったぞ。
『そのままさ。もちろん、参勤交代制度を理解した上でね』
「なんでお前そっちに加担するんだ!?」
俺も思わず声を張り上げて言った。二に二を足せば五とでも言うような調子の和義の目的がわからない。
小林さんは返答になっていないことに恐怖と疑念をもち、女子集団もキョトンとしている。そりゃそうだ、会話相手はインカムの向こうにいるわけだからな。
「どうしたの、伊月くん?会話のキャッチボールが成り立ってないけど…」
やや引き気味に聞く小林さんは俺に同じ質問をする。どうしたいの、と。だがそんなのに構う暇は正直ない。今のところ容量オーバーなんだ。ゴールデンウィーク最終日の高速道路並みに渋滞した情報についていけない。
「おい、なんでなんだ!」
傍から見れば、見えてはいけない何かと話しているようでやや心霊現象気味な気もする。板挟みな状態の俺は残念ながらそこまで賢いわけではないから、女子集団をそっちのけに会話を続ける。和義はきっと卑屈な笑みを浮かべているだろう。
『そりゃあ、面白いからに決まってるだろ?現代のドラマやバラエティ番組からは決して味わうことのできないこの上から目線な気分がいいんだ!』
お前はいつ天空の城の王に転生したんだ。
「穂、大丈夫かい?なんか変じゃないか?」
茜の心配はありがたいが、今はそれどころじゃないんだ。俺は続けて僕だけが聞こえる声と会話をしていた。
あとは拓弥の号令があればいいんだ。司令塔に従う現場人は回収という二文字を待つのみだ。すると、拓弥が
『伊月ーー』
『待て、もう少し待ったほうがいいだろう』
俺は耳を疑う。和義が遮った。しばらくの沈黙が流れる。
「高野さん、命令してくれ。俺はアンタの命令を聞く」
だが、そうはさせまいと和義が
『そこで待機だ。開封されるまで待て!』
「高野さァん!」
『お前は手を出すな!』
拓弥は沈黙を続ける。場所が違えど同じ事件を担当しているはずだ。
「答えてくれ高野さん」
小林さんはもうキャッチボールを諦めたようで、関心が手元のスマホへと移っていた。
「もう開けられそうです。止めます!」
『動くな!開けられるまで待ってろ!』
バンッ!!
俺は和義の机を強く叩く。
迫撃砲かと思われるようなその衝撃音は教室中に鳴り響き、小林さんは固まり女子群はビクッとする。
「事件は会議室で起きてんじゃない、現場で起きてんだ!!」
俺は聞こえているのかわからない拓弥へと叫ぶ。
「高野さぁあん!!」
空気のキーンという音がした。
『伊月回収だ!』
拓弥の力強いその声を聞くと、俺は早足に小林さんのもとへずいと歩み寄った。
そのスピードと威圧感がすごかったようで、
「あ、え…」
と、たじろいでいる。
「スマホ、回収させてもらいます!」
キャンプ地を宣言するような勢いで言うと、おどおどしながらも大人しく渡してくれた。
インカムの向こうではガサガサと音が聞こえたかと思うと、和義の気を落としたような声が聞こえた。
『どこへ行くんだ』
『現場だ。』
と短いセリフが聞こえた。
俺はスマホの安全を確認すると、教室に入ってきた拓弥にスマホを渡す。
「なんとか、やったな」
俺は一言そう言うや否や小走りに空中廊下を渡った。