「じゃあさ、水瀬さん。みんなの分の冷たい飲み物、駅前の売店まで一緒に買いに行かない? 重いから手伝ってほしいんだ」
瀬尾は爽やかな笑顔のまま、自然な仕草で遥を誘った。
駅前の売店までは、ビーチから歩いて往復30分はかかる。実質、2人きりのデートの誘いだった。
「あ、買い出し? うん、行く行く! 私、力持ちだからたくさん持てるよ!」
超天然な遥は、それが瀬尾のデートの口実だとは露ほども思わず、嬉しそうに頷いてしまった。
「おい、待て!! 買い出しなら俺が行く。遥、お前はここで待ってろ」
律が焦ってふたりの間に割って入ろうとする。だが、瀬尾はそれを計算済みの笑みでかわした。
「あ、椎名くんは次のビーチバレーの試合、スタメンで呼ばれてるよ? ほら、クラスの男子が探してる。ここは俺と水瀬さんに任せてよ」
「っ、な……!」
見れば、クラスの男子たちが「おい律! 試合始まるぞ、早く来い!」と手を振っている。ここで断れば、ただの我儘になってしまう。
「じゃあ律、試合頑張ってね! ちゃんと冷たいジュース買ってくるからね!」
遥は無防備に瀬尾の後ろをついて歩き出してしまった。
「クソっ……!!」
律は砂を強く蹴り上げた。
試合中も、律の頭の中は遥と瀬尾のことで一杯だった。瀬尾が遥に何か変なことをしていないか、あの天然が押し切られて変な約束をしていないか。焦燥感で心臓がバクバクと嫌な音を立てる。
(ツンツンしてる場合じゃねぇ……! あいつが別の男に連れて行かれちまう……!)
律は試合が終わるやいなや、汗を拭くのも忘れて、遥たちの後を猛スピードで追いかけた。
瀬尾は爽やかな笑顔のまま、自然な仕草で遥を誘った。
駅前の売店までは、ビーチから歩いて往復30分はかかる。実質、2人きりのデートの誘いだった。
「あ、買い出し? うん、行く行く! 私、力持ちだからたくさん持てるよ!」
超天然な遥は、それが瀬尾のデートの口実だとは露ほども思わず、嬉しそうに頷いてしまった。
「おい、待て!! 買い出しなら俺が行く。遥、お前はここで待ってろ」
律が焦ってふたりの間に割って入ろうとする。だが、瀬尾はそれを計算済みの笑みでかわした。
「あ、椎名くんは次のビーチバレーの試合、スタメンで呼ばれてるよ? ほら、クラスの男子が探してる。ここは俺と水瀬さんに任せてよ」
「っ、な……!」
見れば、クラスの男子たちが「おい律! 試合始まるぞ、早く来い!」と手を振っている。ここで断れば、ただの我儘になってしまう。
「じゃあ律、試合頑張ってね! ちゃんと冷たいジュース買ってくるからね!」
遥は無防備に瀬尾の後ろをついて歩き出してしまった。
「クソっ……!!」
律は砂を強く蹴り上げた。
試合中も、律の頭の中は遥と瀬尾のことで一杯だった。瀬尾が遥に何か変なことをしていないか、あの天然が押し切られて変な約束をしていないか。焦燥感で心臓がバクバクと嫌な音を立てる。
(ツンツンしてる場合じゃねぇ……! あいつが別の男に連れて行かれちまう……!)
律は試合が終わるやいなや、汗を拭くのも忘れて、遥たちの後を猛スピードで追いかけた。