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君の好きは、どの好き?

#26

26

そして迎えた、海へ行く当日。
快晴の空の下、白い砂浜とエメラルドグリーンの海が広がっていた。
集まったクラスの男子たちは、律が選んだとはいえ、十分にスタイルが際立つ遥の水着姿を見て「水瀬、めちゃくちゃ可愛いじゃん!」と大盛り上がりだった。
「ほら、お前ら、遥にジロジロ視線送ってんじゃねぇよ。荷物運ぶぞ」
律が不機嫌そうに男子たちの間に割って入る。
そんな中、ビーチバレーのコートが設置されているエリアから、一人の男子がこちらに向かって歩いてきた。
日に焼けた小麦色の肌に、背が格段に高く、モデルのように引き締まった体。そして、眩しいほどの爽やかな笑顔。
「あ、君たち、2年B組の椎名くんと水瀬さんだよね?」
その男の登場に、クラスの女子たちが「えっ、嘘、A組の瀬尾(せお)くん……!?」と色めき立った。
『瀬尾 蓮(せお れん)』。
他クラスのA組に所属する、バスケ部のエース。学年で一、二を争うイケメンで、誰にでも優しく気さくな、非の打ち所がない人気者だった。
「あ、瀬尾くんだ! おはよー!」
人見知りなはずの遥が、なぜか親しげに瀬尾に手を振った。
「えっ……お前、なんで瀬尾を知ってんだよ」
律の心臓が、嫌な音を立てて冷たくなる。
「あ、あのね、テストの前にね、私が職員室の前で迷子になってたら、瀬尾くんが優しく教えてくれたの! それから時々、廊下でお話しするんだよ」
遥はいつもの無防備な笑顔で瀬尾を見上げる。
「うん、水瀬さん、あの時『職員室が神隠しに遭った』って泣きそうな顔してたからさ。放っておけなくて。今日も相変わらず可愛いね」
瀬尾はそう言うと、自然な動作で、遥の濡れた髪を優しくポンポンと撫でた。
「っ……!!」
律の体中に、バチバチと激しい火花が散った。
あのいじめの主犯・結衣を睨みつけた時とは違う、胸の奥が引き裂かれるような、強烈な「嫉妬」と「焦燥感」が律を襲う。
「おい、気安く触んじゃねえよ」
律は瀬尾の手をパシッと叩き落とし、遥の肩を抱き寄せて自分の後ろへと隠した。
瀬尾は叩かれた手を少し驚いたように見つめたあと、フッと、どこか楽しそうな、挑戦的な笑みを浮かべた。
「あはは、ごめんごめん。……でも、椎名くん。水瀬さんって、まだ誰のモノでもないよね?」
爽やかな笑顔の裏に隠された、明確な宣戦布告。
高校2年生の夏。最高のシチュエーションであるはずの海で、律のツンデレな心が激しく揺さぶられる、新たな戦いが幕を開けた。

作者メッセージ

うわぁぁあぁあ!熱くなってきたぁ!
あ、応援コメントも待ってるよ?

2026/05/31 18:31

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