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君の好きは、どの好き?

#23

23

律の宣言通り、その日の放課後、2年B組の教室ではなく「第一応接室」に重苦しい空気が流れていた。
部屋には、青ざめてガタガタ震える結衣とそのグループの女子たち、そして連絡を受けて血相を変えて駆けつけた彼女たちの保護者、さらには学年主任と校長が揃っていた。
机の上に置かれているのは、律が提出したICレコーダー、そして結衣たちが遥のスマホを踏み潰した瞬間の、旧校舎の廊下に設置された防犯カメラの映像(律が教頭に直談判して開示させたもの)だった。
「これ……本当に結衣がやったのですか……?」
結衣の母親が、映像を見ながら信じられないというように口元を押さえる。
「違うの、お母さん!ゆいは、ちょっとからかっただけでぇ……!」
結衣は涙をボロボロと流し、必死にぶりっ子混じりの言い訳をしようとする。しかし、校長の冷徹な一言がそれを遮った。
「姫野さん。これは『からかい』ではなく、明確な器物破損、監禁、そして傷害罪に当たる犯罪行為です。水瀬さんのご両親は、警察への被害届の提出も検討されています」
「え……警察……?」
結衣の顔から完全に血の気が引いた。取り巻きの女子たちは「ゆいちゃんに合わせろって言われただけなんです!」と泣きながら仲間割れを始める始末だった。
結果、結衣たちには「無期限の自宅謹慎)」と言い渡され、壊したスマートフォンとフルートの全額弁償が命じられた。
応接室の外の廊下で、頭を下げて泣き崩れる両親の姿と、完全に人生のどん底に叩き落とされた結衣たちの姿を、律は冷たい目で見下ろしていた。
(自業自得だ。二度と、遥の前に現れるな)
数ヶ月に及んだ陰湿な嵐は、律の徹底的な反撃によって、完全に幕を閉じたのだった。

作者メッセージ

あ、今更だけど( )は心の声ね

2026/05/31 18:27

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