6月も終わりに近づき、体育の授業では女子のプールが始まっていた。
どんよりとした曇り空の下、冷たい水に入ったあとの女子更衣室は、独特の湿気と寒さに包まれている。
遥が授業を終えて更衣室に戻ると、自分のカバンがどこにも見当たらなかった。
「あれ……? 私、カバンの置き場所を間違えちゃったのかな……」
キョロキョロと辺りを見回す遥の後ろで、結衣たちがクスクスと意地の悪い笑い声を漏らす。
「あーあ、遥ちゃん。おっちょこちょいだから、自分の荷物も失くしちゃうんだねぇ? もしかして、あそこにあるんじゃない?」
結衣が指差したのは、更衣室の隅にある、使われていない錆びついた掃除用具入れのロッカーだった。
遥がそっとロッカーを開けると、そこには水浸しになった遥の制服とカバンが、乱暴に押し込まれていた。教科書もノートも、水を含んで無残に膨れ上がっている。
「っ……!」
さすがの遥も、言葉を失って立ち尽くした。
「ゆいたち、親切だから教えてあげたんだぉ? じゃあねー」
結衣は冷たい笑みを残し、他の女子たちと更衣室を出て行った。直後、バタンと大きな音がして、更衣室の重い扉が外から完全にロックされた。
「え……? 開かない……」
薄暗く、冷え切った更衣室に、一人きりで閉じ込められた遥。
濡れた水着のまま、ガタガタと体が震え出す。
「大丈夫……。きっと、誰かが間違えて鍵を閉めちゃっただけだよね……。律にクッキーのカード渡したから、神様がちょっと意地悪してるだけ……」
遥は冷たくなった自分の体を抱きしめ、真っ暗な部屋の片隅で、ただ静かにガタガタと震えながら時間が過ぎるのを待っていた。
どんよりとした曇り空の下、冷たい水に入ったあとの女子更衣室は、独特の湿気と寒さに包まれている。
遥が授業を終えて更衣室に戻ると、自分のカバンがどこにも見当たらなかった。
「あれ……? 私、カバンの置き場所を間違えちゃったのかな……」
キョロキョロと辺りを見回す遥の後ろで、結衣たちがクスクスと意地の悪い笑い声を漏らす。
「あーあ、遥ちゃん。おっちょこちょいだから、自分の荷物も失くしちゃうんだねぇ? もしかして、あそこにあるんじゃない?」
結衣が指差したのは、更衣室の隅にある、使われていない錆びついた掃除用具入れのロッカーだった。
遥がそっとロッカーを開けると、そこには水浸しになった遥の制服とカバンが、乱暴に押し込まれていた。教科書もノートも、水を含んで無残に膨れ上がっている。
「っ……!」
さすがの遥も、言葉を失って立ち尽くした。
「ゆいたち、親切だから教えてあげたんだぉ? じゃあねー」
結衣は冷たい笑みを残し、他の女子たちと更衣室を出て行った。直後、バタンと大きな音がして、更衣室の重い扉が外から完全にロックされた。
「え……? 開かない……」
薄暗く、冷え切った更衣室に、一人きりで閉じ込められた遥。
濡れた水着のまま、ガタガタと体が震え出す。
「大丈夫……。きっと、誰かが間違えて鍵を閉めちゃっただけだよね……。律にクッキーのカード渡したから、神様がちょっと意地悪してるだけ……」
遥は冷たくなった自分の体を抱きしめ、真っ暗な部屋の片隅で、ただ静かにガタガタと震えながら時間が過ぎるのを待っていた。