俺の名前は[漢字]遠藤晴翔[/漢字][ふりがな]えんどうはると[/ふりがな]。今年から高校二年生の男だ。
身長168cmで体重54kg、フツメン。モテた試しは無く、コミュニケーション能力もまちまちと言ったところ。所属部活はテニス部で、一応一番手を務めている。
俺には、気になる奴が居る。そいつは幼馴染の[漢字]雛形莉乃[/漢字][ふりがな]ひながたりの[/ふりがな]という……同級生であり、幼馴染でもある女の子。幼馴染ではあるのだが、高校生になってから疎遠になってしまった。
[漢字]頭脳明晰[/漢字][ふりがな]ずのうめいせき[/ふりがな]、運動神経抜群、容姿[漢字]端麗[/漢字][ふりがな]たんれい[/ふりがな]。どれも高校生には不適切、もしくは似合わない言葉のように思えるが、彼女を見れば少なくとも、容姿端麗の部分は否定することが出来ないだろう。
太陽に照らされた髪は茶色に光り輝き、まつ毛は長く目も大きい。鼻も低くなく顔の中で黄金比が出来上がっている。身長はあまり高くないが、逆にそれが彼女の美しさを引き立てる一要因となっている……。いや、彼女の顔を見てしまえば、身長が高くても低くても褒め言葉しか出てこないだろう。そう考えられるほどに、高校二年生である彼女は美しかった。
頭脳明晰。これに関しても、彼女の模試の結果を見れば分かることだろう。既に、高校三年生として生活しても問題ないというレベルまでに達している。まだ高校二年生になったばかりであるのに、だ。正直言ってレベルが違う。生半可な努力、才能では行き着くことの出来ない境地だ。
運動神経抜群。これに関しても、身長が154cmとそこまで高く無いにしても、彼女の所属しているバレー部で猛威を振るっている。彼女のアタックは、男子の俺が受けたとしても絶対に痛いと確信できる程には凄い音が鳴る。怖い怖い。足からバネ生えてんじゃねぇの。
さて。俺が知っている雛形の情報はこれだけじゃない。好きな食べ物、嫌いな食べ物。住所、彼女の癖……そして、スリーサイズまで。ついでに言えば、土日何をしているのかさえ……。
なぜこれだけの事を知っているのかって、そりゃ俺が……雛形の事をストーカーしてるからだ。
ストーカー。その言葉を聞くたびに自己嫌悪に陥る。俺がやっていることは犯罪なのだと。恋の毒は、他の奴らはどうかは知らないが、俺の体に回り切るのが早かった。
恋の毒というと聞こえは良いかもしれないが、結局俺がやっている事は変態的な行為な事には違いない。これは間違いなく不法侵入だ。いくら何度も家に入ったことがある奴の家だとしても、絶対に許されることでは無い。
だが、俺はもう吹っ切れた。気になるやつのことを放っておける訳がない。こいつがどんな生活をしているのか、どんな部屋に住んでいるのか。気になってしまったのだ。
そして、小学生の時に途轍もなく仲が良かった俺と雛形だからこそ、一年疎遠だったとは言え、許してくれるんじゃないか、と。好きだという気持ちは恐らく伝えることはできないだろうけど。
「……やっぱ、休日の雛形を追いかけるぐらいでやめとけば良かったかも……な」
結局、吹っ切れることが出来ていない……そんな独り言を呟いた俺は、雛形の家の廊下に立っていた。流石に、ここまでの行動をするのには勇気が要るし、準備も必要だった。雛形家のお母さんは少々ズボラな人で、コンビニに行く程度なら鍵を閉めて行かない。そして、お母さんが見えなくなってから10分は確実に家を空ける。
家族全員が居ない瞬間はほとんど訪れないが、この莉乃のお母さんが居なくなる瞬間だけは、この家に誰も居なくなるという合図でもある。あの人、お父さんとか莉乃が居たら絶対に自分は動かないからね。いつも家事お疲れ様です。
っと。んな事考えてる場合じゃない。アイツの部屋アイツの部屋……。
雛形の部屋に、もう一年も入っていない。当たり前だが、家の部屋の順番は変わっていなかった。寝室を覗いてみたり、そこから見える景色に目を向けてみたり。
そして、やっと雛形の部屋に入る。すぐ出なきゃいけないから部屋の写真だけでも撮って帰ろ。
そう、油断していた俺は口角を少しだけ上げながらドアを開けて…………
……………………………………っ?
ドアを開けた先に居たのは、無数のオレ、だった。
身長168cmで体重54kg、フツメン。モテた試しは無く、コミュニケーション能力もまちまちと言ったところ。所属部活はテニス部で、一応一番手を務めている。
俺には、気になる奴が居る。そいつは幼馴染の[漢字]雛形莉乃[/漢字][ふりがな]ひながたりの[/ふりがな]という……同級生であり、幼馴染でもある女の子。幼馴染ではあるのだが、高校生になってから疎遠になってしまった。
[漢字]頭脳明晰[/漢字][ふりがな]ずのうめいせき[/ふりがな]、運動神経抜群、容姿[漢字]端麗[/漢字][ふりがな]たんれい[/ふりがな]。どれも高校生には不適切、もしくは似合わない言葉のように思えるが、彼女を見れば少なくとも、容姿端麗の部分は否定することが出来ないだろう。
太陽に照らされた髪は茶色に光り輝き、まつ毛は長く目も大きい。鼻も低くなく顔の中で黄金比が出来上がっている。身長はあまり高くないが、逆にそれが彼女の美しさを引き立てる一要因となっている……。いや、彼女の顔を見てしまえば、身長が高くても低くても褒め言葉しか出てこないだろう。そう考えられるほどに、高校二年生である彼女は美しかった。
頭脳明晰。これに関しても、彼女の模試の結果を見れば分かることだろう。既に、高校三年生として生活しても問題ないというレベルまでに達している。まだ高校二年生になったばかりであるのに、だ。正直言ってレベルが違う。生半可な努力、才能では行き着くことの出来ない境地だ。
運動神経抜群。これに関しても、身長が154cmとそこまで高く無いにしても、彼女の所属しているバレー部で猛威を振るっている。彼女のアタックは、男子の俺が受けたとしても絶対に痛いと確信できる程には凄い音が鳴る。怖い怖い。足からバネ生えてんじゃねぇの。
さて。俺が知っている雛形の情報はこれだけじゃない。好きな食べ物、嫌いな食べ物。住所、彼女の癖……そして、スリーサイズまで。ついでに言えば、土日何をしているのかさえ……。
なぜこれだけの事を知っているのかって、そりゃ俺が……雛形の事をストーカーしてるからだ。
ストーカー。その言葉を聞くたびに自己嫌悪に陥る。俺がやっていることは犯罪なのだと。恋の毒は、他の奴らはどうかは知らないが、俺の体に回り切るのが早かった。
恋の毒というと聞こえは良いかもしれないが、結局俺がやっている事は変態的な行為な事には違いない。これは間違いなく不法侵入だ。いくら何度も家に入ったことがある奴の家だとしても、絶対に許されることでは無い。
だが、俺はもう吹っ切れた。気になるやつのことを放っておける訳がない。こいつがどんな生活をしているのか、どんな部屋に住んでいるのか。気になってしまったのだ。
そして、小学生の時に途轍もなく仲が良かった俺と雛形だからこそ、一年疎遠だったとは言え、許してくれるんじゃないか、と。好きだという気持ちは恐らく伝えることはできないだろうけど。
「……やっぱ、休日の雛形を追いかけるぐらいでやめとけば良かったかも……な」
結局、吹っ切れることが出来ていない……そんな独り言を呟いた俺は、雛形の家の廊下に立っていた。流石に、ここまでの行動をするのには勇気が要るし、準備も必要だった。雛形家のお母さんは少々ズボラな人で、コンビニに行く程度なら鍵を閉めて行かない。そして、お母さんが見えなくなってから10分は確実に家を空ける。
家族全員が居ない瞬間はほとんど訪れないが、この莉乃のお母さんが居なくなる瞬間だけは、この家に誰も居なくなるという合図でもある。あの人、お父さんとか莉乃が居たら絶対に自分は動かないからね。いつも家事お疲れ様です。
っと。んな事考えてる場合じゃない。アイツの部屋アイツの部屋……。
雛形の部屋に、もう一年も入っていない。当たり前だが、家の部屋の順番は変わっていなかった。寝室を覗いてみたり、そこから見える景色に目を向けてみたり。
そして、やっと雛形の部屋に入る。すぐ出なきゃいけないから部屋の写真だけでも撮って帰ろ。
そう、油断していた俺は口角を少しだけ上げながらドアを開けて…………
……………………………………っ?
ドアを開けた先に居たのは、無数のオレ、だった。