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生物人間バトルロイヤル

#22

第二十話・so cute

直side

身体を真っ二つに斬り裂かれた怪物は、塵となって崩れ去る。

毎度の事だが、怪物は死ぬ時、血を出さない。

何故だろうか?

血液がない生物は………本当に生物なのか?

いや、生物なんだろう。

ただ、生物と言うには少し厳しい気がする。

破壊衝動の権化みたいに、周辺を壊しまくり、人間を区別なく襲う。

それ以外何かするわけでもない。

直(プログラムでもされてるのか……?)

……いや、そんな事を考えている場合ではない。

俺の目の前には、燃えている蛾がいる。

怒りという炎で。

これを見たのは何年ぶりだろうか。

彼女……繭原真依が怒った姿を。

滝斗「なぁ…、直。」

「…何だ?」

滝斗が小声で聞いてくる。

「消防隊、呼べるか?」

「…いや、この炎は消防隊ですら消火出来ないな。」

俺は苦笑いしながら、そう返す。

俺と滝斗は、蛇に睨まれた蛙みたいに動けなくなっていた。

彼女の怒った時の様子や顔は、実に可愛らしい。

…下心とかなしで、本当に。

しかし、本気で怒らせると、一見通常となんら変わりはないが、威圧感が全く違う。

まさに地獄の業火ってやつだな。

真依「……。」

ただ立ってこっちを見ているだけなのに…何だろう、この威圧感は…。

いや、正確には魔物の方を見ている彼女の視線上に、俺たちがいるだけか?

その目は魔物の存在を悲しみ、憐れむような、争いに対するやるせない怒りともとれる……なんとも言えない瞳だった。

善一「……はぁ…。」

みかねた善一が、俺たちに助け舟を出す。

「魔物は全部倒したぞ。怪我人もいない。これでいいだろ?」

直(………これ助け舟?)

言われてる相手が相手だったら、神経を逆撫でされてるだろう。

もしかして善一は怒っているのか?

そう感じ取ってもおかしくない言い方だった。

だって言い方ぶっきらぼうなんだもん。

………あ、いつもの事か。

「……それなら…いいけど。」

(……納得するんだ。)

真依に、いつもの笑みが戻る。

……癒しだな。

いや、他意はないから。

本当に。

「なんか……久しぶりに……本気出したら……眠くなっちゃった…。」

彼女はそういうと、大きな欠伸をして、一瞬にして紡がれたであろう手製の寝袋にくるまり、その場で睡眠を始めた。

あら可愛い。

何この可愛い生物。

……なんてことは言ってられない。

こんな所で寝たら、いくら寝袋に入っているとはいえ、風邪を引くのは間違いない。

「善一、こいつ運ぶぞ。」

「…分かった。」

「黄蜂、お前も来い。」

「う、うん…。」

そう言うと俺と善一は、真依をなるべく起こさないように抱えて、彼女の店に運び込む。
(滝斗と悠は、近くに他にも魔物がいるかもしれない為、見回りに行った。)




俺と善一は、真依を店のカウンターに置き、黄蜂に見張り番を任せて、店先にあるベンチに座り込んだ。

「…そういえば、あいつの名前、聞いてなかったな。」

善一は、俺に向き直って話し始める。

(…そういえば、変に[漢字]囃[/漢字][ふりがな]はや[/ふりがな]し立てられてた割には、名前聞かれなかったもんな…。)

「名前、なんて言うんだ?」

「…小澤黄蜂だって。」

「黄蜂か…。」

「……で、例の計画は順調なのか?」

俺は話を切り替える。

「…あの計画なら…~」

俺たちは声の音量を下げ、静かに話し始めた。

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2026/02/09 17:25

ログチカ/Rogutika
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