タッタッタッ
非戦闘区域内に、靴が地面と接触する音が響く。
小刻みに、早い間隔で。
「ふぅ…。」
ここまで来れば大丈夫だろうと思ったところで俺は、一息つく。
追手は迫っていなかった。
「あ、あの……。」
「?」
俺が肩を貸していた少女が、話しかけてくる。
「た、助けてくれて……、その…ありがとう…。」
「別に感謝されるほどのことでもない。」
「あの様子じゃ、お前はあの部隊が何なのか分かってなさそうだったからな。」
?「…。」
(それに、あんなところで死なれたら……、)
そんな事を考えたりしていると、自分の家に着いた。
俺は少女を家に入れ、リビングだった部屋に布団を敷き、そっと、その上に座らせる。
そして俺は、一度押し入れがある部屋に向かう。
そして、常備してあった医療キットを持って、戻ってくる。
「…お前、名前は?」
俺は彼女に包帯を巻きながら、そう問う。
「……[漢字]小澤[/漢字][ふりがな]おざわ[/ふりがな]……[漢字]黄蜂[/漢字][ふりがな]きほ[/ふりがな]。」
彼女は痛みに顔を歪めながらも、名前を俺に教えた。
少しだけ我慢しろ、と言いながら、俺は応急処置を続けた。
ギュッ
「……よし、これである程度は大丈夫だろう。」
「ありがとう…。」
「……で、私も名乗ったんだから、あんたも名乗りなさいよ。」
「…橋本直。」
「直……ね。」
「で、あの武装集団はなんなの?」
「いきなり私たちに襲いかかってきたけど……。」
「……あいつらは生物人間根絶部隊。」
「全員が通常人間で構成されてる。」
「奴らは俺たちのような生物人間を、見境なく、そして正確な連携と強力な武装で蹂躪する。」
「……。」
黄蜂は、俺の説明を黙って聞いていた。
「奴らが俺らを襲う理由は単純だ。」
「俺ら生物人間が憎い、それだけだ。」
「…!!」
「俺みたいに、家族とかそういう類いを殺されたんだろう…。」
「そんなの……私だって同じだよ…!!」
「こんな世界になったせいで、私の家族とか、友達とかは、みんなで傷つけあったんだよ!!」
彼女は震える声で、そう叫ぶ。
「生物人間だから殺すなんて……、」
「間違ってるよ…!」
「……それもそうかもな…。」
「お前の言っている事も、あながち間違っちゃいない。」
「だったら…!」
「だがなぁ……、」
「こんな理不尽な世界じゃ、能力ある奴に、能力ない奴が責任を押し付けようとするのも、また間違ってはいない。」
「…。」
「もう、こんな世界じゃ正義とか悪なんてものは麻痺している。」
「奴らや、お前が言っているような事も、所詮は正義という名のエゴだ。」
「…ッ!」
「戦争も同じだ。」
「エゴとエゴ押し付けあって、勝った方のエゴが、正義として世の中にまかり通る。」
「負けた方のエゴは、悪として揉み消される。」
「お前のそのエゴも、部隊や玉雲みたいな奴に負ければ、揉み消されて終わりだ。」
「……。」
「その上で何が重要で、何が重要じゃないか考えろよ。」
「…とりあえず、今日はここで休んで、明日になったら病院に行くなり、出ていくなりすればいい。」
「俺はもう寝る。」
「……うん。」
俺はその返事を待たずして、自室へと戻った。
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非戦闘区域内に、靴が地面と接触する音が響く。
小刻みに、早い間隔で。
「ふぅ…。」
ここまで来れば大丈夫だろうと思ったところで俺は、一息つく。
追手は迫っていなかった。
「あ、あの……。」
「?」
俺が肩を貸していた少女が、話しかけてくる。
「た、助けてくれて……、その…ありがとう…。」
「別に感謝されるほどのことでもない。」
「あの様子じゃ、お前はあの部隊が何なのか分かってなさそうだったからな。」
?「…。」
(それに、あんなところで死なれたら……、)
そんな事を考えたりしていると、自分の家に着いた。
俺は少女を家に入れ、リビングだった部屋に布団を敷き、そっと、その上に座らせる。
そして俺は、一度押し入れがある部屋に向かう。
そして、常備してあった医療キットを持って、戻ってくる。
「…お前、名前は?」
俺は彼女に包帯を巻きながら、そう問う。
「……[漢字]小澤[/漢字][ふりがな]おざわ[/ふりがな]……[漢字]黄蜂[/漢字][ふりがな]きほ[/ふりがな]。」
彼女は痛みに顔を歪めながらも、名前を俺に教えた。
少しだけ我慢しろ、と言いながら、俺は応急処置を続けた。
ギュッ
「……よし、これである程度は大丈夫だろう。」
「ありがとう…。」
「……で、私も名乗ったんだから、あんたも名乗りなさいよ。」
「…橋本直。」
「直……ね。」
「で、あの武装集団はなんなの?」
「いきなり私たちに襲いかかってきたけど……。」
「……あいつらは生物人間根絶部隊。」
「全員が通常人間で構成されてる。」
「奴らは俺たちのような生物人間を、見境なく、そして正確な連携と強力な武装で蹂躪する。」
「……。」
黄蜂は、俺の説明を黙って聞いていた。
「奴らが俺らを襲う理由は単純だ。」
「俺ら生物人間が憎い、それだけだ。」
「…!!」
「俺みたいに、家族とかそういう類いを殺されたんだろう…。」
「そんなの……私だって同じだよ…!!」
「こんな世界になったせいで、私の家族とか、友達とかは、みんなで傷つけあったんだよ!!」
彼女は震える声で、そう叫ぶ。
「生物人間だから殺すなんて……、」
「間違ってるよ…!」
「……それもそうかもな…。」
「お前の言っている事も、あながち間違っちゃいない。」
「だったら…!」
「だがなぁ……、」
「こんな理不尽な世界じゃ、能力ある奴に、能力ない奴が責任を押し付けようとするのも、また間違ってはいない。」
「…。」
「もう、こんな世界じゃ正義とか悪なんてものは麻痺している。」
「奴らや、お前が言っているような事も、所詮は正義という名のエゴだ。」
「…ッ!」
「戦争も同じだ。」
「エゴとエゴ押し付けあって、勝った方のエゴが、正義として世の中にまかり通る。」
「負けた方のエゴは、悪として揉み消される。」
「お前のそのエゴも、部隊や玉雲みたいな奴に負ければ、揉み消されて終わりだ。」
「……。」
「その上で何が重要で、何が重要じゃないか考えろよ。」
「…とりあえず、今日はここで休んで、明日になったら病院に行くなり、出ていくなりすればいい。」
「俺はもう寝る。」
「……うん。」
俺はその返事を待たずして、自室へと戻った。
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