[太字][明朝体]ナユ・クロノス・エステランテ[/明朝体][/太字]
綺麗なプラチナブランドの髪に、サファイアのような瞳のその彼を知らない人は、この国でいない。
そう。
だってここ、エステランテ王国の王太子殿下だからだ。
小さい頃から優秀で、顔も良く、誰からも人気な彼。
らぶらりのメインヒーローであり、圧倒的な支持を集めているキャラだ。
そして、あのミーシャンの婚約者である。
はずなんだけど…
「ユアーラ嬢、どうやら私はあなたに一目惚れしてしまったみたいだ」
どうしてこうなった?
いや、うん。
確かにこれはゲームのシナリオ通りだ。
そろそろそう言われる時期かと思い、必死に殿下と会わないようにしてきたのに────
なぜ殿下が一年のフロアにいるんですか⁉︎
しかもお供(義兄様)も連れずに1人で来るなんて…
しかもしかも、婚約者であるミーシャンの元に行かないなんて…
それでも殿下ですか⁉︎
信じらんない。
なんだコイツ。
「ナユ‼︎なぜ1年のフロアに…ユアーラ?」
慌ただしそうに走ってきた義兄様は私と殿下を交互に見ると、一気にその目が鋭く光っていく。
私は思わず息をのんだ。
怖い…
義兄様が怒っている。
「殿下───仕事を放っておいて下級生のフロアに遊びに行き、挙句の果て婚約者も無視して私の妹に声をかける?舐めたことするんじゃねぇよ」
え?
え、ちょ、一応この国の殿下にそんなこと言ってもいいの⁉︎
殿下は呆然と義兄様を見つめてから笑った。
「アハハ…いや、うん。あ、[小文字]ごめん[/小文字]」
自信なさげに声が小さくなっていく。
なんか少しだけ可哀想になってきた。
殿下は逃げるようにその場を去っていく。
嵐みたいな人…
義兄様はそんな殿下を冷たい目で見てから私に微笑みかける。
「なんか変なことはされなかったかい?」
「はい‼︎大丈夫ですわ。ミハイル義兄様」
私がそう言うと、優しく頭を撫でてくる。
「そう───あぁそうだユアーラ。これから俺以外の男とは話さないように」
………え?
私はもう一度義兄様を見つめた。
今、なんて…
「わかったかい?」
あ、駄目だこれ。
入ってしまっている。
完全にヤンデレミハイルのスイッチが入ってしまっている。
いつからこうなった?
私は極力義兄様にあまり好かれすぎないようにしたはずだったのに。
「ユアーラ…返事は?」
ゾッとするほど冷たく甘い声に、私は頭が真っ白になる。
プレイしていた時には画面越しだったからあまり感じなかったが、リアルで体験すると恐怖でしかない。
義兄様の目にはドス黒い闇が宿っている。
「あ、あの…ミハイル、義兄様───」
「あら、ミハイル様。ごきげんよう」
私の声を遮るように、綺麗な声が聞こえてきた。
声の方を向くと、綺麗な所作で義兄様にお辞儀をするミーシャンがいた。
「ところで、ユアーラが困っているように見えるのですけれど…何か怖いことでもおっしゃったのですか?」
[小文字]「ユアーラ、だと?」[/小文字]
「えぇ。わたくし先日ユアーラとお友達になりましたの。とっても優しくて元気で可愛い子ですわ。大切なお友達が震えている…助けて当たり前のことでしょう?それとも、ミハイル様は困らせている自覚はないのでしょうか?」
あぁ、そっか───
今、ミーシャンは私を守ってくれている。
私はそれがとても嬉しかった。
「わわ、私もユアーラ様とお話ししたいことがあるのですが、よ、よろしいですか?」
いつからかそこにいたクライスも、そう震えながら言っている。
ミハイル義兄様は、スッと目を細めてから身を翻して去っていった。
安心のあまり、力が抜けてその場にへたり込む。
「怖かったぁ……」
私のその呟きに、ミーシャンは少し呆れたように呟いた。
「本当、怖いわね。こんなに早くヤンデレが目覚めるなんて…」
「ゆ、ユアーラ様大丈夫ですか⁉︎」
クライスとミーシャンという温かい友達がいて、本当に良かった───
[水平線]
「ナユ…私のユアーラに近づかないでくれ」
学園の執務室で作業をしていたナユは、ミハイルから告げられたその言葉に、手元にあった書類を動揺のあまり潰してしまった。
「な、は?」
「私のユアーラだ。他の男の目に入れたくもない」
ミハイルの執着心を改めて知ったナユは、呆れたようにため息をついた。
「まぁまぁミハイル。そんなに怖いとユアーラ嬢も驚いてしまいますよ?」
ナユの代わりかのように、ミハイルの隣にいた男は口を開いた。
綺麗な長めの黒髪に、美しい青色の瞳。
この国の宰相の息子であるユリシス・サファイは、落ち着いた声でそう言った。
「そうだよミハイル‼︎僕も今びっくりしちゃった‼︎」
その隣にいた男も元気に口を開いた。
整ったピンクのクリクリの大きな目に、サラサラのピンクゴールドの髪。
可愛さが残るがこれでも王国騎士団長の息子であるレン・フライク。
そして無言で冷たい瞳を向ける、水色の髪に黒目にメガネのガク・シャーリア。
ユリシス(公爵家)
レン(公爵家)
ガク(侯爵家)
そして、さらさらの紫の髪に、青銀の瞳のミハイル(侯爵家)
この4人がこの国の王太子殿下…ナユの側近だった。
綺麗なプラチナブランドの髪に、サファイアのような瞳のその彼を知らない人は、この国でいない。
そう。
だってここ、エステランテ王国の王太子殿下だからだ。
小さい頃から優秀で、顔も良く、誰からも人気な彼。
らぶらりのメインヒーローであり、圧倒的な支持を集めているキャラだ。
そして、あのミーシャンの婚約者である。
はずなんだけど…
「ユアーラ嬢、どうやら私はあなたに一目惚れしてしまったみたいだ」
どうしてこうなった?
いや、うん。
確かにこれはゲームのシナリオ通りだ。
そろそろそう言われる時期かと思い、必死に殿下と会わないようにしてきたのに────
なぜ殿下が一年のフロアにいるんですか⁉︎
しかもお供(義兄様)も連れずに1人で来るなんて…
しかもしかも、婚約者であるミーシャンの元に行かないなんて…
それでも殿下ですか⁉︎
信じらんない。
なんだコイツ。
「ナユ‼︎なぜ1年のフロアに…ユアーラ?」
慌ただしそうに走ってきた義兄様は私と殿下を交互に見ると、一気にその目が鋭く光っていく。
私は思わず息をのんだ。
怖い…
義兄様が怒っている。
「殿下───仕事を放っておいて下級生のフロアに遊びに行き、挙句の果て婚約者も無視して私の妹に声をかける?舐めたことするんじゃねぇよ」
え?
え、ちょ、一応この国の殿下にそんなこと言ってもいいの⁉︎
殿下は呆然と義兄様を見つめてから笑った。
「アハハ…いや、うん。あ、[小文字]ごめん[/小文字]」
自信なさげに声が小さくなっていく。
なんか少しだけ可哀想になってきた。
殿下は逃げるようにその場を去っていく。
嵐みたいな人…
義兄様はそんな殿下を冷たい目で見てから私に微笑みかける。
「なんか変なことはされなかったかい?」
「はい‼︎大丈夫ですわ。ミハイル義兄様」
私がそう言うと、優しく頭を撫でてくる。
「そう───あぁそうだユアーラ。これから俺以外の男とは話さないように」
………え?
私はもう一度義兄様を見つめた。
今、なんて…
「わかったかい?」
あ、駄目だこれ。
入ってしまっている。
完全にヤンデレミハイルのスイッチが入ってしまっている。
いつからこうなった?
私は極力義兄様にあまり好かれすぎないようにしたはずだったのに。
「ユアーラ…返事は?」
ゾッとするほど冷たく甘い声に、私は頭が真っ白になる。
プレイしていた時には画面越しだったからあまり感じなかったが、リアルで体験すると恐怖でしかない。
義兄様の目にはドス黒い闇が宿っている。
「あ、あの…ミハイル、義兄様───」
「あら、ミハイル様。ごきげんよう」
私の声を遮るように、綺麗な声が聞こえてきた。
声の方を向くと、綺麗な所作で義兄様にお辞儀をするミーシャンがいた。
「ところで、ユアーラが困っているように見えるのですけれど…何か怖いことでもおっしゃったのですか?」
[小文字]「ユアーラ、だと?」[/小文字]
「えぇ。わたくし先日ユアーラとお友達になりましたの。とっても優しくて元気で可愛い子ですわ。大切なお友達が震えている…助けて当たり前のことでしょう?それとも、ミハイル様は困らせている自覚はないのでしょうか?」
あぁ、そっか───
今、ミーシャンは私を守ってくれている。
私はそれがとても嬉しかった。
「わわ、私もユアーラ様とお話ししたいことがあるのですが、よ、よろしいですか?」
いつからかそこにいたクライスも、そう震えながら言っている。
ミハイル義兄様は、スッと目を細めてから身を翻して去っていった。
安心のあまり、力が抜けてその場にへたり込む。
「怖かったぁ……」
私のその呟きに、ミーシャンは少し呆れたように呟いた。
「本当、怖いわね。こんなに早くヤンデレが目覚めるなんて…」
「ゆ、ユアーラ様大丈夫ですか⁉︎」
クライスとミーシャンという温かい友達がいて、本当に良かった───
[水平線]
「ナユ…私のユアーラに近づかないでくれ」
学園の執務室で作業をしていたナユは、ミハイルから告げられたその言葉に、手元にあった書類を動揺のあまり潰してしまった。
「な、は?」
「私のユアーラだ。他の男の目に入れたくもない」
ミハイルの執着心を改めて知ったナユは、呆れたようにため息をついた。
「まぁまぁミハイル。そんなに怖いとユアーラ嬢も驚いてしまいますよ?」
ナユの代わりかのように、ミハイルの隣にいた男は口を開いた。
綺麗な長めの黒髪に、美しい青色の瞳。
この国の宰相の息子であるユリシス・サファイは、落ち着いた声でそう言った。
「そうだよミハイル‼︎僕も今びっくりしちゃった‼︎」
その隣にいた男も元気に口を開いた。
整ったピンクのクリクリの大きな目に、サラサラのピンクゴールドの髪。
可愛さが残るがこれでも王国騎士団長の息子であるレン・フライク。
そして無言で冷たい瞳を向ける、水色の髪に黒目にメガネのガク・シャーリア。
ユリシス(公爵家)
レン(公爵家)
ガク(侯爵家)
そして、さらさらの紫の髪に、青銀の瞳のミハイル(侯爵家)
この4人がこの国の王太子殿下…ナユの側近だった。