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⚠️ タグにありますように、本作品はGL(ガールズラブ‐女性同士の恋愛)要素・鬱要素・自傷行為のシーンを大いに含みます。ご注意下さい。 また、自傷行為・自殺行為を推奨するものではございません。
実在の人物とは何の関係もありません。 ⚠️
エンドロールは心中か、はたまた地獄か
高校2年生、[漢字]篝火[/漢字][ふりがな]かがりび[/ふりがな]ヒナ。綺麗な短い黒髪に赤がかった瞳をもつ女の子_そう、あたしのこと。
そんなあたしは今、恋をしている。
相手は、6歳上の[漢字]柘榴[/漢字][ふりがな]ざくろ[/ふりがな]さん。たぶん本名じゃなくて、ネットでの名前。
何度か写真を貰ったことがあるけれど、長くて綺麗な金髪にルビーのような瞳をしていて美しい。
去年からつながり始めて、恋を自覚して半年になる。
柘榴さんは奈良に住んでいるらしく、愛媛に住んでいるあたしからすると遠い存在。
ああ、会いたい。会って、一度でも良いからちゃんと目を合わせたい。貴女とちゃんとした恋がしたい。穢れのない美しい恋が。
今日もあたしはそんな叶わぬことを祈りながら、1つ…また1つ…と手首に線を作った。
ぷつぷつと赤い塊。もう見慣れたものだ。
_「ヒナちゃん!もし良かったら会う約束しない?」
休み時間、スマホには信じられない文字列が映っている。
え?会う、って、本当に?何かの間違いなのかも。もしかして酔った勢いとかかもしれないし、…考えたくはないけれど別の人に送るところを間違えてあたしに送っちゃったとか、かもしれない。
「ほんとにあたしでいいの!!???あたしはめちゃくちゃ嬉しいし、いつでも会いたい」
ぽん、という音を小さく鳴らしながらそう送信した。
彼女はすぐに気付いてくれて、すぐにスタンプを返してくれた。
スタンプと共に、
「ヒナちゃん愛媛だよね?奈良から運転してそっち行くね〜、いつどこに行けばいいかな!」
という文章も送られた。
あたし宛、なんだ。
嬉しすぎて、全身の血が巡っている感覚がする。
でも、これでも一応学生なので、平日は学校でいっぱいいっぱいだ。
休日……いや、いっそ学校なんてサボってしまおうか。
あたしは柘榴さんさえいれば、生きていけるのだから。学校で習うことなんて、必要ない。
「いつでも大丈夫だよ、柘榴さんのタイミングで!」
そう送ると、今度は既読がついてから返信が来るまで少しだけ時間が置かれた。
「ごめんカレンダー確認してた!既読無視みたいになっちゃった
じゃあ明後日の15時にしよう〜、どっかのショッピングモールとかにする?」
彼女はカレンダーを確認して、空いている日を考えていたみたいだ。
返信が来なくなって、一瞬不安になってしまった自分が少し情けない。
ショッピングモール_人が沢山いる場所か。
あたしはもっと2人だけの時間を過ごしたいのにな。…でも、こんな我儘良くないよね。
心に閉まっておくはずだったのに、…気付けば送ってしまっていた。
「2人きりになりたいな」なんて、無意識に送る人がどこにいるのだろう。
ああ、おわった。引かれる。そうネガティブなことを考えていたが、彼女は本当に聖人で、快く了承してくれた。
更には2人きりになれる場所まで検索してきてくれた。
提案された場所は、海。
あたしが暮らしている町から車で30分ほどで着く場所に位置し、近くにマルベリーの木があることから、通称"桑海"と呼ばれる海。
まだ暦では春のはずだが、既に暑さが到来していることもあってか海に行く人は意外にも多いみたいだ。
「夜の方が人はいないと思うから、昼はどこか近くを探検でもして時間潰そ〜」
桑海の公式サイトのリンクとともにそんな言葉が送られてきた。
どうしてこんなにも、あたしなんかの為に時間を使ってくれるのだろう。_あたしのこと好きなのかなって思ってしまう。
勘違いしてしまうから、優しさというのは時に武器となるのだ。
…虚しい現実。
あれから時は過ぎ、ついにその日が来た。
木曜日。一般的な学生は学業に熱心に取り組んでいることだろう。
だけどあたしは違った。
少し前に、柘榴さんに似合うよと言われたお洋服。
柘榴さんが好きだと言っていた匂いの香水。
2人の瞳の色、ルビーのピアス。
心だけでなく、全てが柘榴さんでいっぱいだ。
桑海の前で待っていると、奈良ナンバーの車が見えた。_もしかして柘榴さんかも。
ワインレッドの車から降りてきたのは案の定柘榴さんで、思った以上にお姉さんという雰囲気が醸し出されている。
「あっ!ヒナちゃん…!?」
「柘榴さん…!」
目が合った。
柘榴さんはルビー色の瞳であたしを見つめて、にっこり笑みを浮かべた。
笑った顔、可愛い…なんて思ったのも束の間、不意に暖かさが体に触れる。
理解が追いつかず、焦点が合わない。
顎のすぐ下には意外と身長が小さい柘榴さんが居て、さっきよりもいたずらっぽく笑っている。
つまり、ハグしてる……?
「わぁ!!?えっ…!?」
あたしが戸惑いと照れを隠せずに居ると、姿勢は変えずに、柘榴さんが話し出した。
_「私ね、死にたいんだ〜。大好きな人と一緒に逝きたいからさ、…ヒナちゃん、もしよかったら_ね。」
最後まで言わなくても分かるでしょ?と言わんばかりの顔。
大好きだと言われたことは、勿論嬉しいけれど今は置いておいて。
しにたい、って_。
そっか、2人で一緒に逝きたいって共通の願いだったんだね。
貴女と最期が一緒なら本望だ。
あたしはにっこり笑って、柘榴さんを力強く抱き締め返した。
「ぜひご一緒させてよ、柘榴さん」
告白に対しては返事をしなかった。どうせ、もう少しであたしたちの命の蝋燭は溶けてなくなるんだから。
月が、無数の星が、きっとあたしたちを同じ道に導いてくれるはずだよ。
そんなあたしは今、恋をしている。
相手は、6歳上の[漢字]柘榴[/漢字][ふりがな]ざくろ[/ふりがな]さん。たぶん本名じゃなくて、ネットでの名前。
何度か写真を貰ったことがあるけれど、長くて綺麗な金髪にルビーのような瞳をしていて美しい。
去年からつながり始めて、恋を自覚して半年になる。
柘榴さんは奈良に住んでいるらしく、愛媛に住んでいるあたしからすると遠い存在。
ああ、会いたい。会って、一度でも良いからちゃんと目を合わせたい。貴女とちゃんとした恋がしたい。穢れのない美しい恋が。
今日もあたしはそんな叶わぬことを祈りながら、1つ…また1つ…と手首に線を作った。
ぷつぷつと赤い塊。もう見慣れたものだ。
_「ヒナちゃん!もし良かったら会う約束しない?」
休み時間、スマホには信じられない文字列が映っている。
え?会う、って、本当に?何かの間違いなのかも。もしかして酔った勢いとかかもしれないし、…考えたくはないけれど別の人に送るところを間違えてあたしに送っちゃったとか、かもしれない。
「ほんとにあたしでいいの!!???あたしはめちゃくちゃ嬉しいし、いつでも会いたい」
ぽん、という音を小さく鳴らしながらそう送信した。
彼女はすぐに気付いてくれて、すぐにスタンプを返してくれた。
スタンプと共に、
「ヒナちゃん愛媛だよね?奈良から運転してそっち行くね〜、いつどこに行けばいいかな!」
という文章も送られた。
あたし宛、なんだ。
嬉しすぎて、全身の血が巡っている感覚がする。
でも、これでも一応学生なので、平日は学校でいっぱいいっぱいだ。
休日……いや、いっそ学校なんてサボってしまおうか。
あたしは柘榴さんさえいれば、生きていけるのだから。学校で習うことなんて、必要ない。
「いつでも大丈夫だよ、柘榴さんのタイミングで!」
そう送ると、今度は既読がついてから返信が来るまで少しだけ時間が置かれた。
「ごめんカレンダー確認してた!既読無視みたいになっちゃった
じゃあ明後日の15時にしよう〜、どっかのショッピングモールとかにする?」
彼女はカレンダーを確認して、空いている日を考えていたみたいだ。
返信が来なくなって、一瞬不安になってしまった自分が少し情けない。
ショッピングモール_人が沢山いる場所か。
あたしはもっと2人だけの時間を過ごしたいのにな。…でも、こんな我儘良くないよね。
心に閉まっておくはずだったのに、…気付けば送ってしまっていた。
「2人きりになりたいな」なんて、無意識に送る人がどこにいるのだろう。
ああ、おわった。引かれる。そうネガティブなことを考えていたが、彼女は本当に聖人で、快く了承してくれた。
更には2人きりになれる場所まで検索してきてくれた。
提案された場所は、海。
あたしが暮らしている町から車で30分ほどで着く場所に位置し、近くにマルベリーの木があることから、通称"桑海"と呼ばれる海。
まだ暦では春のはずだが、既に暑さが到来していることもあってか海に行く人は意外にも多いみたいだ。
「夜の方が人はいないと思うから、昼はどこか近くを探検でもして時間潰そ〜」
桑海の公式サイトのリンクとともにそんな言葉が送られてきた。
どうしてこんなにも、あたしなんかの為に時間を使ってくれるのだろう。_あたしのこと好きなのかなって思ってしまう。
勘違いしてしまうから、優しさというのは時に武器となるのだ。
…虚しい現実。
あれから時は過ぎ、ついにその日が来た。
木曜日。一般的な学生は学業に熱心に取り組んでいることだろう。
だけどあたしは違った。
少し前に、柘榴さんに似合うよと言われたお洋服。
柘榴さんが好きだと言っていた匂いの香水。
2人の瞳の色、ルビーのピアス。
心だけでなく、全てが柘榴さんでいっぱいだ。
桑海の前で待っていると、奈良ナンバーの車が見えた。_もしかして柘榴さんかも。
ワインレッドの車から降りてきたのは案の定柘榴さんで、思った以上にお姉さんという雰囲気が醸し出されている。
「あっ!ヒナちゃん…!?」
「柘榴さん…!」
目が合った。
柘榴さんはルビー色の瞳であたしを見つめて、にっこり笑みを浮かべた。
笑った顔、可愛い…なんて思ったのも束の間、不意に暖かさが体に触れる。
理解が追いつかず、焦点が合わない。
顎のすぐ下には意外と身長が小さい柘榴さんが居て、さっきよりもいたずらっぽく笑っている。
つまり、ハグしてる……?
「わぁ!!?えっ…!?」
あたしが戸惑いと照れを隠せずに居ると、姿勢は変えずに、柘榴さんが話し出した。
_「私ね、死にたいんだ〜。大好きな人と一緒に逝きたいからさ、…ヒナちゃん、もしよかったら_ね。」
最後まで言わなくても分かるでしょ?と言わんばかりの顔。
大好きだと言われたことは、勿論嬉しいけれど今は置いておいて。
しにたい、って_。
そっか、2人で一緒に逝きたいって共通の願いだったんだね。
貴女と最期が一緒なら本望だ。
あたしはにっこり笑って、柘榴さんを力強く抱き締め返した。
「ぜひご一緒させてよ、柘榴さん」
告白に対しては返事をしなかった。どうせ、もう少しであたしたちの命の蝋燭は溶けてなくなるんだから。
月が、無数の星が、きっとあたしたちを同じ道に導いてくれるはずだよ。
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