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全然警告じゃないんだけどさ、ほら?私可愛い子には辛い目にあって欲しくなっちゃうからさ?今の段階じゃグロテスクにはならないけど?なっちゃう可能性も無きにしもあらず?なーんで!グロかったら教えてください
俺はレオ。本名はレオじゃないし、一人称も俺じゃない。それに、性別も男では無く女だ。何故こんなことをしているのか。それは流石に人に言えたものじゃない。唯一本当のことを伝えられるとしたら、年齢が23ということぐらいだ。でも、さすがに一人称が “ 俺 ” は、上の位のお方に目をつけられるから、相手と話すときは、“ [漢字]私[/漢字][ふりがな]わたくし[/ふりがな] ” にしておこう。
[漢字]私[/漢字][ふりがな]わたし[/ふりがな]は今、馬車に乗っている。貴族出身ではない私が、何故馬車に乗れているのか。それは今から王直属執事になる最終試験を受けに行くためだ。久しぶりに馬車に乗れると期待したが、王族やお貴族様が使うような豪華なものじゃない。貴族出身では無いから馬鹿にしているのか、馬にも斑点が付いていて絶対に安い馬車だ。乗り心地も最悪でギシギシ言っている。でも、受かれば晴れて執事で給料もいい、それに私のような者じゃ絶対に知ることができない。情報があるかもしれないから我慢だ。
アルミレド王国、王宮。この世で二番目に美しいとされる王宮だ。何故二番目か、それは隣国、グランディーニ帝国の皇居が豪華で広いし、宝石をふんだんに使っているからだ。こちらはギラギラした美しさではなく自然と共存している静かな美しさだ。グランディーニの華やかさを太陽に例えて「光冠の宮」、アルミレド王国を月に例えて「夢影の宮」と呼ばれている。確かにグランディーニ帝国の皇居よりも落ち着いている。私はこちらのほうがこの世で一番美しいのではと思う。惚れ惚れと見上げているとメイドの方が近づいてきた。
「執事の試験の方ですね。レオ様で御座いますね。」
ここのメイドは優秀だ。こんな会ったことの無い貴族出身ではない私の名前まで覚えている。おまけに接し方も良いと来た。
「はい、レオで御座います。ここのメイドさんたちは優秀ですね。まさか、[漢字]私[/漢字][ふりがな]わたくし[/ふりがな]のような者の名まで覚えてくださっているとは。」
にこやかに話しかけると、メイドは目を輝かせる。貴族の喋り方を真似してみたのが良かったのだろう。
「いえ、平民の出の方は貴方様しかいらっしゃらないので。」
あぁ、そうか。確かに、こんなオンボロの馬車で来たら貴族とは思われまい。メイドの推理力に感心しながら廊下を進んでいく。[漢字]私[/漢字][ふりがな]わたし[/ふりがな]は顔が中性的で男性としてみても、そこそこ顔が整っているからか、廊下ですれ違っていくメイドたちに頬を染められて困った。彼女たちに女性だと気づかれないのなら安心だ。当分は騙し通せるだろう。
「ここがアルミレド王国、レオンハルト王の執務室で御座います。どうぞ、お進みください。」
「ええ、案内ありがとうございました。」
私が笑顔で返すとこのメイドも頬を染めてお辞儀をした。どうやら私は女性に対して心を射止める才があるらしい。最も、彼女たちと恋愛をするつもりは端から無いのだが。
ノックをして部屋に入る。陛下が仕事をしているであろう、立派な机の前にぽつりと椅子が置いてあるのでそこに座る。王はまだ来ていない。王の執務室だと聞いたからもっと綺羅びやかだと思っていたが、そうでは無いらしい。豪華な装飾や小物は一つもない、歴史を感じる、温かな木でできたものばかりだ。グランディーニの執務室とはまるで違うなと思っていると、後ろから声がした。
「平民にしては堂々としているな。名前は?」
振り返るとそこには若き王、レオンハルト王が立っていた。
「レオで御座います。23です。貴族出身ではありませんので、苗字はございません。」
陛下の見た目は —— 好青年とでも言おうか。顔がとても整っていて、高嶺の華とでも言い表そう。薔薇がそのまま人間になったように美しい。マントが様になっていて、国民からの指示が高いことが頷ける。
「緊張しているか?」
優しく問いかけられて、少し驚いた。
「はい、少し緊張しております。」
私はあまり緊張しないたちで、声も体も震えてはいないから怪しまれただろうか。そんな心配をよそに目を細めて私を見つめる陛下は、一般的な女性であれば頬を染めるぐらいに美しかった。
「私も、王としてここに足を踏み入れたときは緊張したよ。お互い様だ。」
この人はよく笑う方だ。周りの雰囲気も王としての威厳を保ちつつ、優しい。思わずついていきたくなるような優しさだ。
「執事というのは、私のすぐ傍に立つ者だ。だからこそ、私は人柄を見たいと思っている。……この王宮は、静かすぎることがある。時に、新しい声が必要だ。レオ、君は何をしたい?」
「貴方様とこの国に仕えること、そして学ぶことで御座います」
興味深そうに目を輝かせるのは、王様特有の威圧感がある。まぁ、私は慣れっこなのだが。
「何を学びたい?」
「人の心と、国の在り方です。」
はっきりと、陛下の澄んだ瞳を見上げて言った。陛下は少し驚いたように眉をあげた。そして、すぐに先程の柔らかな笑みをこぼした。
「それは、簡単には学べないものだ。けれど、君なら……きっと何かを掴める気がする。」
沈黙が落ちた。けれど、それは重苦しいものではなかった。まるで、静かな湖面に風が吹いたような、心地よい沈黙だった。陛下の目線が、私の手元に落ちたのがわかった。 きっと、指先の揃え方や背筋の伸ばし方が “ 平民らしくない ” のだろう。
……癖は、なかなか抜けないものだ。
ふっと陛下が顔を上げた。
「レオ。君のような者が、私の傍にいてくれるなら、心強い。どうか、共に歩んでくれ。」
私は立ち上がり、深く頭を下げた。
「……光栄に存じます。」
そうして、私の偽りの執事生活が幕を開けたのだった。
[漢字]私[/漢字][ふりがな]わたし[/ふりがな]は今、馬車に乗っている。貴族出身ではない私が、何故馬車に乗れているのか。それは今から王直属執事になる最終試験を受けに行くためだ。久しぶりに馬車に乗れると期待したが、王族やお貴族様が使うような豪華なものじゃない。貴族出身では無いから馬鹿にしているのか、馬にも斑点が付いていて絶対に安い馬車だ。乗り心地も最悪でギシギシ言っている。でも、受かれば晴れて執事で給料もいい、それに私のような者じゃ絶対に知ることができない。情報があるかもしれないから我慢だ。
アルミレド王国、王宮。この世で二番目に美しいとされる王宮だ。何故二番目か、それは隣国、グランディーニ帝国の皇居が豪華で広いし、宝石をふんだんに使っているからだ。こちらはギラギラした美しさではなく自然と共存している静かな美しさだ。グランディーニの華やかさを太陽に例えて「光冠の宮」、アルミレド王国を月に例えて「夢影の宮」と呼ばれている。確かにグランディーニ帝国の皇居よりも落ち着いている。私はこちらのほうがこの世で一番美しいのではと思う。惚れ惚れと見上げているとメイドの方が近づいてきた。
「執事の試験の方ですね。レオ様で御座いますね。」
ここのメイドは優秀だ。こんな会ったことの無い貴族出身ではない私の名前まで覚えている。おまけに接し方も良いと来た。
「はい、レオで御座います。ここのメイドさんたちは優秀ですね。まさか、[漢字]私[/漢字][ふりがな]わたくし[/ふりがな]のような者の名まで覚えてくださっているとは。」
にこやかに話しかけると、メイドは目を輝かせる。貴族の喋り方を真似してみたのが良かったのだろう。
「いえ、平民の出の方は貴方様しかいらっしゃらないので。」
あぁ、そうか。確かに、こんなオンボロの馬車で来たら貴族とは思われまい。メイドの推理力に感心しながら廊下を進んでいく。[漢字]私[/漢字][ふりがな]わたし[/ふりがな]は顔が中性的で男性としてみても、そこそこ顔が整っているからか、廊下ですれ違っていくメイドたちに頬を染められて困った。彼女たちに女性だと気づかれないのなら安心だ。当分は騙し通せるだろう。
「ここがアルミレド王国、レオンハルト王の執務室で御座います。どうぞ、お進みください。」
「ええ、案内ありがとうございました。」
私が笑顔で返すとこのメイドも頬を染めてお辞儀をした。どうやら私は女性に対して心を射止める才があるらしい。最も、彼女たちと恋愛をするつもりは端から無いのだが。
ノックをして部屋に入る。陛下が仕事をしているであろう、立派な机の前にぽつりと椅子が置いてあるのでそこに座る。王はまだ来ていない。王の執務室だと聞いたからもっと綺羅びやかだと思っていたが、そうでは無いらしい。豪華な装飾や小物は一つもない、歴史を感じる、温かな木でできたものばかりだ。グランディーニの執務室とはまるで違うなと思っていると、後ろから声がした。
「平民にしては堂々としているな。名前は?」
振り返るとそこには若き王、レオンハルト王が立っていた。
「レオで御座います。23です。貴族出身ではありませんので、苗字はございません。」
陛下の見た目は —— 好青年とでも言おうか。顔がとても整っていて、高嶺の華とでも言い表そう。薔薇がそのまま人間になったように美しい。マントが様になっていて、国民からの指示が高いことが頷ける。
「緊張しているか?」
優しく問いかけられて、少し驚いた。
「はい、少し緊張しております。」
私はあまり緊張しないたちで、声も体も震えてはいないから怪しまれただろうか。そんな心配をよそに目を細めて私を見つめる陛下は、一般的な女性であれば頬を染めるぐらいに美しかった。
「私も、王としてここに足を踏み入れたときは緊張したよ。お互い様だ。」
この人はよく笑う方だ。周りの雰囲気も王としての威厳を保ちつつ、優しい。思わずついていきたくなるような優しさだ。
「執事というのは、私のすぐ傍に立つ者だ。だからこそ、私は人柄を見たいと思っている。……この王宮は、静かすぎることがある。時に、新しい声が必要だ。レオ、君は何をしたい?」
「貴方様とこの国に仕えること、そして学ぶことで御座います」
興味深そうに目を輝かせるのは、王様特有の威圧感がある。まぁ、私は慣れっこなのだが。
「何を学びたい?」
「人の心と、国の在り方です。」
はっきりと、陛下の澄んだ瞳を見上げて言った。陛下は少し驚いたように眉をあげた。そして、すぐに先程の柔らかな笑みをこぼした。
「それは、簡単には学べないものだ。けれど、君なら……きっと何かを掴める気がする。」
沈黙が落ちた。けれど、それは重苦しいものではなかった。まるで、静かな湖面に風が吹いたような、心地よい沈黙だった。陛下の目線が、私の手元に落ちたのがわかった。 きっと、指先の揃え方や背筋の伸ばし方が “ 平民らしくない ” のだろう。
……癖は、なかなか抜けないものだ。
ふっと陛下が顔を上げた。
「レオ。君のような者が、私の傍にいてくれるなら、心強い。どうか、共に歩んでくれ。」
私は立ち上がり、深く頭を下げた。
「……光栄に存じます。」
そうして、私の偽りの執事生活が幕を開けたのだった。