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あと履歴も。
放水シャワーで水浸しになった教室を抜け出し、私たちは旧校舎の奥深く、誰も寄り付かない「歴史資料室」へと逃げ込んだ。
カチリ、と和島結衣香が鍵をかける音が、静まり返った部屋に重く響く。
「山崎さん。濡れたままでは風邪を引きます。……拭いてあげますから、こちらへ」
結衣香が、備品の清潔なタオルを手に、じりじりと距離を詰めてくる。眼鏡が少し曇っているのは、部屋の湿度のせいか、それとも彼女自身の体温のせいか。
私は背後の書棚に追い詰められ、逃げ場を失った。
「あ、あの、和島さん、自分で拭けますから……っ!」
「いいえ、計算によれば、背中の水分は自分では完璧に拭えません。……失礼」
彼女の冷たい指先が、濡れて肌に張り付いたブラウスの襟元に触れた。その瞬間、私の心臓はまたしても異常なリズムを刻み始める。
と、その時。
「ちょっと! 結衣香さんばっかり役得じゃない! 蒼さん、私の方がタオル捌きは上手よ!」
横から割り込んできたのは、いつの間にか窓から侵入していた高田みおだった。彼女は私の正面から、ギュウッ! と力いっぱい抱きついてきた。
「ひゃあっ!? 高田先輩!?」
「もう、蒼さんたら体温が高いわ……! 守ってあげたくなっちゃう。ねえ、このまま一緒に、校則のない世界へ逃げちゃおうか?」
正面からはみおの柔らかい感触と熱い吐息。背後からは結衣香の冷静な独占欲の滲む指先。
二人に挟まれ、身動きが取れない。甘い香りと、濡れた布地が擦れ合う音が、資料室の静寂を毒のように侵食していく。
みおの顔が、私の唇にあと数センチというところまで近づき――
「……はーい、そこまでー。ウチラの蒼ちゃんを、二人でシェアしようだなんて、一〇〇年早いっつの」
バァァン!! と、蹴破るような勢いでドアが開いた。
そこに立っていたのは、肩に「ちいかわ」と書かれた特注の腕章(自作)を巻いた小川凛だった。
「凛先輩! 鍵、かけてたはずなのに……!」
「結衣香。アンタが作ったセキュリティ、アタシがハッキングできないと思ってんの? ……それより、外がヤバいことになってるよ」
凛先輩の言葉に、部屋の空気が一気に引き締まる。
窓の外を見ると、校庭には武装した特別風紀維持部隊――通称「アイアン・メイデン」が集結していた。その中心に立つのは、冷徹な美貌で知られる生徒会長、氷室レイ。
「裏学園部。校則を嘲笑い、学園の静寂を汚す害獣ども。……本日をもって、貴様らを『永久除籍』とする」
スピーカーを通した氷室の冷徹な声が、旧校舎を震わせる。
凛先輩はニヤリと笑い、私の手首を強く掴んで引き寄せた。
「……だってさ。ねえ、蒼。退学になる前に、もう一つだけ、デカい花火ぶち上げたくない?」
凛先輩の瞳に宿る、壊滅的な輝き。
結衣香は静かに眼鏡を直し、みおは「風紀」と書かれた腕章をさらに強く締め直した。
カチリ、と和島結衣香が鍵をかける音が、静まり返った部屋に重く響く。
「山崎さん。濡れたままでは風邪を引きます。……拭いてあげますから、こちらへ」
結衣香が、備品の清潔なタオルを手に、じりじりと距離を詰めてくる。眼鏡が少し曇っているのは、部屋の湿度のせいか、それとも彼女自身の体温のせいか。
私は背後の書棚に追い詰められ、逃げ場を失った。
「あ、あの、和島さん、自分で拭けますから……っ!」
「いいえ、計算によれば、背中の水分は自分では完璧に拭えません。……失礼」
彼女の冷たい指先が、濡れて肌に張り付いたブラウスの襟元に触れた。その瞬間、私の心臓はまたしても異常なリズムを刻み始める。
と、その時。
「ちょっと! 結衣香さんばっかり役得じゃない! 蒼さん、私の方がタオル捌きは上手よ!」
横から割り込んできたのは、いつの間にか窓から侵入していた高田みおだった。彼女は私の正面から、ギュウッ! と力いっぱい抱きついてきた。
「ひゃあっ!? 高田先輩!?」
「もう、蒼さんたら体温が高いわ……! 守ってあげたくなっちゃう。ねえ、このまま一緒に、校則のない世界へ逃げちゃおうか?」
正面からはみおの柔らかい感触と熱い吐息。背後からは結衣香の冷静な独占欲の滲む指先。
二人に挟まれ、身動きが取れない。甘い香りと、濡れた布地が擦れ合う音が、資料室の静寂を毒のように侵食していく。
みおの顔が、私の唇にあと数センチというところまで近づき――
「……はーい、そこまでー。ウチラの蒼ちゃんを、二人でシェアしようだなんて、一〇〇年早いっつの」
バァァン!! と、蹴破るような勢いでドアが開いた。
そこに立っていたのは、肩に「ちいかわ」と書かれた特注の腕章(自作)を巻いた小川凛だった。
「凛先輩! 鍵、かけてたはずなのに……!」
「結衣香。アンタが作ったセキュリティ、アタシがハッキングできないと思ってんの? ……それより、外がヤバいことになってるよ」
凛先輩の言葉に、部屋の空気が一気に引き締まる。
窓の外を見ると、校庭には武装した特別風紀維持部隊――通称「アイアン・メイデン」が集結していた。その中心に立つのは、冷徹な美貌で知られる生徒会長、氷室レイ。
「裏学園部。校則を嘲笑い、学園の静寂を汚す害獣ども。……本日をもって、貴様らを『永久除籍』とする」
スピーカーを通した氷室の冷徹な声が、旧校舎を震わせる。
凛先輩はニヤリと笑い、私の手首を強く掴んで引き寄せた。
「……だってさ。ねえ、蒼。退学になる前に、もう一つだけ、デカい花火ぶち上げたくない?」
凛先輩の瞳に宿る、壊滅的な輝き。
結衣香は静かに眼鏡を直し、みおは「風紀」と書かれた腕章をさらに強く締め直した。