君 と 最 期 の 旅 を す る 。
#1
1 「 旅立ち 」
ある日 の 朝 、 隣の 家に 住む 幼馴染 の 桃くん が 、 突然 やってきた 。
桃
「 蒼 いますか ー 」
蒼
「 いるけど …… 」
玄関の ドアを 開けると 、 剣を 持ち 、 鎧を 身に 纏った 桃くん が 立っていた 。
桃
「 親 、 いる ? 」
蒼
「 うん 」
父さん も 母さん も 今日は 農作業を 終えて リビング で ゆっくり していた 。
蒼
「 父さん ー ! 」
父
「 おぅ 、 どうした 」
桃
「 あ 、 お父さん お久しぶり です 」
桃くん は 猫を 被って 、 父さん と 話し始めた 。
内容は 、
冒険 に 行くと いう 報告だった 。
桃くん は 、 僕と 同い年だけど 、 僕とは 桁違いの 魔力を 持っていた 。
去年の 春 、 桃くん は 騎士の テストに 合格して 、 騎士に なった 。
騎士に なった 桃くん は 、 キルド を こなすために 冒険する らしい 。
蒼
「 じゃあ 桃くん と 会うのは いつになるんだろうね 」
長年 一緒に 過ごした 幼馴染 と 別れる 、 と 思うと 寂しくなった 。
桃
「 え 、 蒼 も 一緒に 行こ って 言いにきたんだけど 」
桃くん が 、 驚いたように 口を 開いた 。
桃くん の 言っていることが 、 一瞬 、 よく わからなかった 。
桃
「 蒼も そこそこ 魔力 高いじゃん 」
僕は 戦士 テストに この間 合格した ばかりだった 。
でも 、 桃くん の 騎士 と 比べれば 戦士 なんて 沢山 の人が 資格を 持っている 役職だ 。
桃
「 だって 蒼 、 鑑定士の 資格 あるだろ 」
鑑定士 。
相手の 情報を 読み取ることが できる 役職 だ 。
蒼
「 え 、 足手まといになるよ ?? 」
桃
「 ならねーって 。 ほら 、 行こ 」
時間 ないから 、 と 言って 僕の 手を 掴んで 引き寄せた 。
父
「 いってらっしゃい 。 蒼も 強くなって 帰ってこい 」
父の 中では 、 勝手に 話が 進んでいた 。
桃
「 はい 、 ありがとうございます お父さん 」
蒼
「 うそ 、 本当に 行くの ?! 」
桃
「 行くって 言っただろ ? 」
ニヤ 、 と 笑う 桃くん は いつも と 同じ 、 絵になるような 人 だった 。
絵本に 出てくる 王子様 の ような 容姿と 魔力を 兼ね備えた 桃くん は 、 いつだって 僕の 隣に いた 。
どんなに 釣り合わなくても 、 見放すことは なかった 。
でも 、 足手まといに なったら 今度こそ 桃くん も 失望 するかも しれない 。
そんな ことが 、 頭を 過って 離れない 。
僕の 手を 引く 桃くん の 後ろ姿は 、 そんな 気持ちを 打ち消すほど 頼もしかった 。