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第一の警告、投稿頻度が遅い
第二の警告、悪人が味方サイド
第三の警告、いわゆるバトル物であり異世界無双物ではない
第四の警告、完全な勧善懲悪ではない
第五の警告、初投稿なので違和感あり
第六の警告、描写や解説が雑
青桐組
それは地球の多くの国々に支部を持ち、莫大な数の金や武器や人員などを保有し、そして地球の裏社会の征服を目論む巨大犯罪組織である。
ボス…青桐英二
跡継ぎ…青桐悟
三幹部…ボースン、ギンテツ、オリビア
この5人が組織を牛耳っている。
そんな5人が、今とある場所に集まっている。
地球 日本の廃ビル
「ボス、奴らは今どこにいるんです?」
「もうすぐで来るはずなんだがなぁ…」
「クソ、ジラシテキヤガルナ…」
「ギンテツ、殺気を抑えなさい」
「…四人とも、これから何があるの?」
「おい、あんたらが青桐組のトップ5か?」
「…ダレダ?」
「あんたらをここに呼んだのは俺さ、おっと、物陰に部下は隠してはいかんぜ」
「…ナゼワカッタ?」
「ただの勘だよ、勘」
男に指摘されて、隠れていた組員達は姿を現した。
「…まず合言葉だ、じゃあ、ボースンさん、まずはあんたからだ、敵の敵は?」
「今日の味方」
「次、オリビアさん、今日の味方は?」
「明日の敵…ね」
「そして最後に英二さん、明日の敵は?」
「明後日の死体…だな」
「お見事、あんたらは本物らしい」
(…ほっ、良かった…)
その時、ギンテツ………に似た誰かはそう思った。
「じゃあギンテツさん」
「!?」
「明後日の死体は?」
「…………」
「…ギンテツさん?」
「……あぁ〜……………お前らッ、死ねえッ!!!」
偽ギンテツはそう言って刀を抜いたが…
バタッ
ボースンの正確な射撃を脳天に受け、倒れた。
「…こいつは、あんたの部下か?」
ボースンは偽ギンテツの顔の包帯を取って、男にそう問う。
「あんたらの絆が本物かどうか試したくてね」
「良く言うね」
悟がそうツッコんだ。
「…でだ、何の用だ?」
英二が詰める。
「…あんたら青桐組に警告しておこう、あんたらがあのファンタジア人の二人の友人とこのまま縁を切らないなら………我々としても黙ってるわけにはいかないってね」
「はあ、あなた達に何ができるの?」
オリビアは少し呆れている。
「あの二人がいたら我々は非常に弱る、よくもあんな強い友人がいたものだ」
「おいおい、あの二人は別に俺ら青桐組の仲間じゃないぞ?ただのホントの友人だ」
英二が苦笑する。
「とにかく………今から72時間以内に二人を殺さなければ、あんたらをこっちの組織連合総出で潰しに掛かる…分かったな?」
男はそう言い終えると、闇の中に消えていった。
「…ボス、どうします、敵は本気ですよ」
ボースンは偽ギンテツの包帯を投げ捨ててそう言う。
「決まってるだろ?そんなの「逆にあいつらを嵌めるよ」
悟の言葉が英二の言葉を遮った。
「………流石、俺の息子だ!!」
英二が悟の背中を叩く。
後日
日本 福岡
ワンダーとデッドは英二から悟と遊んでほしいという依頼を受け、短期間の休みの中で日本に飛んだ。
そして、今は福岡の公園にいる。
「午後3時に悟がここに来るんだよね?」
「ああ、待ってようぜ」
「………」
二人が話している所から少し離れた木の裏で、ボースンはリボルバーに弾を詰めていた。
そのまた少し離れた所で、こないだ英二達に警告を叩きつけた男とその部下が監視していた。
「あのグラサン男、本当にあの二人を殺る気あるんでしょうかね」
「まあ、見ていようじゃないか」
ボースンはリボルバーをワンダーの脳天に照準を合わせる。
そして…
バンッ!!
カキンッ!!
ズバッ
バンッ!!はボースンがリボルバーを撃った音。
カキンッ!!はワンダーがその弾を剣で弾いた音。
ズバッ、はワンダーがサンダースラッシュをボースンにお見舞いした音。
「……」
監視していた男は絶句していた。
噂には聞いてはいたが、まさかこれほどだとは思ってなかったのだ。
「い、今の…」
「ああ、弾丸を弾いたな」
男と部下が呆然としてるのを他所に、デッドがボースンを担いでワンダーと共にどこかへいっていく。
二人がボースンを連れてきたのは、青桐組本部の前だった。
ピンポーン
「はい、あ、ワンダーさんとデッドさん…って、ボースン様!?」
出てきた組員はデッドに担がれているボースンを見て驚く。
「こいつ、俺たちを殺そうとしてきたんだ」
「そ、そうなんですか、わかりました」
組員はボースンを受け取り、そのまま扉を閉めた。
「ああ、あいつは恐らくタダじゃ済まねえだろう…」
「自分の上司の友人を殺そうとしましたからね…くそお、あのオレンジ髪の男、あれ程とは…」
「タイムリミットまであと12時間…何をしているんだ」
男は自身が働いている犯罪組織のアジトでそう呟いていた。
「うーん…奴らは俺達を相手に戦おうってのか」
ドタドタ…
バタンッ!
その時、急に扉が開けられた。
「あの!青桐組の元幹部が来てます!」
「なに…?」
来たのは、何とボースンだった。
「…あんた、何のようだ、組織を見限ったのか?」
「…ああ、まさかここまでしてくれるとはな」
ボースンは男に右手を見せた。
その手には、小指が無かった。
「…それを詰められたから、ここに来たと?」
「ああ、幹部相手にここまでするとは流石に腹に据えかねたぜ」
ボースンはそう吐き捨てるように言う。
「…で、俺たちに寝返りたいと」
「当たり前だ、もうあんな連中なんかに未練はねえ」
「…」
男はボースンが嘘をついてるとは思えなかった。
事実、小指を切られている。
それが何よりの物的証拠だった。
「チッ……なんでここまで…」
ボースンは右手を見てそう憎々しく呟く。
「わかった、あんたの怒りは本物の様だ、だが後12時間しかないぞ、どうするつもりだ?こちらとしてもいきなり来た新参者を優しくするつもりはないぞ、まあ、先日のこちらの警告を聞き入れてくれるなら別だがね」
「ああ、もちろんだ、だから、作戦を持ってきた」
(…どうやらこいつ、本気で自分の元上司の友人達を殺す様だな)
男は心の中でほくそ笑んだ。
「…まずターゲットであるワンダーとデッド、そして坊ちゃ…ガキが今夜7時、西日本最大級の中華料理屋で食事をする予定だ、あんた達にはそこから1キロ離れたこの河川の橋の下で待ってもらいたい」
ボースンは悟の事をガキ呼ばわりしながら、地図をトントンと指差す。
「三人の食事が終わったら、まず俺とあんたの部下がこの交差点にワンダーとデッドをおびき寄せる、そして俺とあんたの部下がそれぞれ違う方向に逃げてワンダーとデッドを物理的に離す、その為にあんたの部下を借りたい」
「……いいだろう」
「恩に着る、その際どちらかがガキを守るだろう、まずはそっちを片付けてガキを捕まえる、そのガキを橋の下に連れていくんだ、そしたら残った方が橋の下に来るだろう、そこでそいつも片付ける」
「……………なるほど」
「この作戦にはあんたらの総力を結集しないといけねえ」
「何をすれば?」
「出来るだけ多くの人員で残ったターゲットを橋の下に追い詰める」
「…あんたの射撃を見切って、その上剣で防いだあの男が残った方になったら?」
「…見てたのかよ、まあ、いくら奴でも四方八方からの銃撃には対応できない」
「本当か?あの男、只者ではない感じがしていたが」
「銃弾を防ぐっていうのはそれこそ信じられない程の能力が必要で、奴は人間の域を超えたからそれができるんだ、だが、簡単ではないしすごい能力もいる、そうポンポン出来はしねえ」
「…わかった」
そして、作戦決行の時がやってきた。
たった今中華料理屋から三人が出てきた。
「今出た」
ボースンは隠れながら無線で男に連絡する。
「これから誘導をする」
『頼んだぞ?』
男はボースンとの無線を終えて、一人の部下と橋の下で待っていた。
「ボースンはちゃんと誘導してくれるんでしょうか」
「まあ、裏切ったら始末するだけだ」
ビー!ビー!
その時、無線が鳴った。
「どうした?」
『大変だ、俺の同僚が来やがった』
「なに?」
『応援に来てくれ』
「よしきた」
男は部下を置いて、ボースンに会いにいった。
「………ギンテツ、何の用だ?」
「………オマエヲコロシタクハナイ、ワンダートデッド、ソシテボウチャンヲネラウノヲヤメロ」
男が現場に来ると、そこにはボースンとギンテツが対峙していた。
「ボースンさん、手を貸す」
「あんたは出なくていい」
ボースンは男を制止し、ホルダーのリボルバーに手を掛ける。
ギンテツも腰の刀に手を置く。
「…」
「…」
二人はそのまま睨み合っている。
(……まさか、ギンテツさんも銃弾を弾ける事はないだろう)
男はそうは考えたが、一抹の不安を覚えた。
その時!
バンッ!
何者かがボースンのリボルバーを銃弾で吹き飛ばした!
「……オリビアッ!」
ボースンは自身の武器を吹き飛ばした女の方向を向き、そう言った。
オリビアはベレッタM9から煙を出していた。
「ボースン、馬鹿な真似はやめなさい、あなたがワンダーとデッドを自分の勝手な一存で殺そうとしたのが悪いでしょ?だから小指を失ったのよ」
「くそッ」
ボースンは傍観していた男の横をすり抜けて逃げていった。
「お、俺を置いていくなッ」
男もボースンについていった。
男はボースンと共に逃げていた。
「お前の部下達をあの二人に当てろ」
ボースンにそう指示された男は無線で部下達に一斉に命令を出していた。
「俺達を追いかけている二人の青桐組幹部がいるッ、近くにいる人間は直ちに俺達を助けろッ」
その後ろではギンテツとオリビアがボースンと男を追いかけていた。
しばらく逃げていて交差点に差し掛かると、ボースンと男は二手に分かれた。
それに続いてギンテツ、オリビアも二手に分かれた。
ボースンの方をオリビアが追いかけていた。
しかしその時、道の角から四人の男が姿を現した。
男の無線での救助命令を受け取った男の部下である。
四人はそれぞれ銃を出したが…
バンッ!
まずオリビアが一人の銃を撃って吹き飛ばし…
バババババッ!
他の三人の銃撃を横にジャンプしてかわして…
バンッ!
また一人の銃を吹き飛ばし電柱に隠れて…
バンッ!バンッ!
その勢いのまま残る二人の銃も連続で吹き飛ばした。
一方で、ギンテツは男の方を追いかけていた。
しかしこちらも男の部下達が男を助けに来ていた。
六人の部下達はそれぞれベルト、バット、銛、包丁、小刀、鉄パイプを持っている。
部下達は一斉にギンテツに襲いかかったが…
ドガッ!ドガッ!
ギンテツは刀に鞘を付けたまま小刀と包丁を持った二人の男を刀でぶちのめし、派手に倒れさせた。
次に鉄パイプを持った男が来たが…
ガァンッ!!!
刀で鉄パイプを叩き見事に曲げさせ、そのまま男本人をまたぶちのめして道の脇に追いやった。
ドガッ!
次に銛を持って突撃してくる男の銛を見事に手で掴み、男の首をこれまた刀でぶちのめして倒した。
最後にベルトとバットをそれぞれ持った二人の男が来た。
パンッ!パンッ!
ベルトを持った方はベルトを鞭の様にしてギンテツを叩いたが、防弾チョッキを着ているギンテツには効果がなかった。
ドガッ!
バットの方はギンテツの刀捌きの前にバットを吹き飛ばされそのままぶちのめされた。
最後に残ったベルトの男は逃げようとしたが…
ビュンッ!
ギンテツは倒れていた男の銛を手に取り、ベルト男に投げた。
ブスッッ!!
投げられた銛は見事男の腹に命中し、男はもがいて倒れた。
ギンテツは短い時間で六人の刺客を見事倒した。
しかし、追いかけていた男の姿は見えなくなっていた。
「くそっ!計画はおじゃんだ!」
男は自分を助けに来た部下達が倒されたと知らず、ギンテツから離れていた。
その時だった。
「お?あれは…」
男は道路の奥にターゲットのワンダー達三人を発見した。
「まずい…」
男はせめて銃弾を弾けるワンダーとは違うデッドの方だけでも殺そうと拳銃を取り出す。
そして、照準をデッドに合わせる。
バンッ!
別の方向からワンダー達に向けて銃弾が放たれたのはその時だった。
「!?」
男は銃弾が放たれた方を向いた。
そこには、ボースンがリボルバーから煙を出していた。
ワンダー達は三人ともとある方向へ逃げ出す。
その方向は、例の河川へ続いている。
「ボースンさん、よくやったッ」
男はボースンにそう声をかけるが…
「もうここで決めないといけねえ、いくぞ」
ボースンは気にも止めずワンダー達を追いかけにいった。
男もそれに続いた。
ボースンと男は三人をついに河川の橋の下へ追い詰めた。
バンッ!バンッ!
その時、ボースンのリボルバーがついにワンダーとデッドに命中した。
二人とも腕から血が出ている。
「つ、ついにボースンさんの弾が」
「最後はお前がやれ、弾切れしちまった、後、念のため部下を全員集めろ、ターゲットを囲むんだ」
「わかった」
一方、オリビアは自分が銃を吹き飛ばした刺客達から逃げていた。
というのも、オリビアが挑発して刺客達が自分を追いかける様に仕向けたのである。
バンッ!バンッ!
刺客である男達は銃を発砲しながらオリビアを追いかける。
ギンテツの方も同様だ。
ギンテツに倒された男達もしばらくして起き上がり、まだその場にいたギンテツを追いかけていった。
しばらくして、双方の男達はとある場所でバッタリ出会した。
どこで?
河川で。
「おい、青桐組の幹部を追いかけているんだが見なかったか?」
「え、俺たちも別の方を追いかけてるぞ」
「な、なんだって」
「こっちよー、もう諦めたの?だらしないわねー」
その時、またもオリビアが遠くで男達を挑発した。
「モウオワリカッ!!ハヤクコイッ!!!」
ギンテツもそう男達を罵倒する。
「くそっ、あの野郎どもッ!」
一人の男が走り出したのを機に、他の男達も続いていった。
10人もいればいくら幹部と言えど二人相手には負けないだろうと踏んだらしい。
その時、男の招集命令を無線で受けた部下達は全員河川に集まっていた。
これで偶然、男の組織の人間達が全員河川でワンダー達三人を取り囲んでいる構図になった。
バンッ!バンッ!
一方で10人の刺客達は銃を発砲しながらオリビアとギンテツを追いかけている。
「この人数がいれば、流石にあんたの元上司の友人達も殺せるな」
「………ああ」
男はボースンにそう言いながら、拳銃を構えて橋の下に進んで行った。
そして、ついにワンダー達と対面した。
ワンダーとデッドは確かに腕から血を流している。
「…あばよ」
男は引き金を引いた。
バンッ!
カキンッ!
次の瞬間、ワンダーが男の弾丸を弾いた。
「………え?」
男は思考停止した。
二人の腕はもうまともに使えないはず。
だとしたらこの血はなんだ?
今何が起こっている?
答えはすぐ出た。
何故なら、大量の青桐組組員が男と男の部下達を取り囲んでいたからだ。
今、河川の構図はこうなっている。
まず橋の下でワンダーとデッドが腕に血のりをつけており、悟がその横にいる。
そしてたった今ワンダーに弾丸を弾かれた男が立っている。
その男にボースンがリボルバーの照準を合わせている。
オリビア、ギンテツもボースンの隣に立っている。
その二人を追いかけていた10人の刺客達は、他の男の無線を受けてきた部下達と一緒に川の真ん中へ追い詰められている。
そいつらを追い詰めていたのは、ワンダー達を取り囲んでいた男達を更に取り囲んでいた青桐組の組員達だった。
そして橋の上に、英二がいる。
「ははは!どうだ!俺達を舐めてかかるからこうなるんだ!ざまあみろ!」
英二が橋の上からそう男をなじる。
「英二さん…!?」
「聞きてえか?俺たちがどうやってお前らを嵌めたか…」
「き、聞きたいが…それなら何故自分の部下の小指をわざわざ…」
「それはな…」
まずワンダーとデッドに「お前達二人を青桐組が殺さないと青桐組が潰される」という旨を伝える。
そして二人に公園に来てもらい、ボースンが撃った弾丸を弾いてもらう。
そしてボースンを気絶させ、青桐組本部の前に連れてきてもらう。
この一連の流れを監視していた男達に見せることによって「ボースンが独断でワンダー達を殺そうとして失敗した」というのを男達に刷り込ませる。
「な、何故俺が監視してるのがわかったッ」
「小型スパイドローンだよ、オリビアが作った…ドローンってのは本当に便利だぜ、そもそも、お前らがどこの組織の鼠かを特定するなんてこのネット社会では青桐組に掛かればちょちょいのちょいなんだよ!でだ…」
ここからが大変だった。
まずは、これまたオリビアとその部下達にボースンの皮膚に同化するレベルで似た包帯を作ってもらった。
この工程は丸二日かかった。
そしてそれを小指を曲げた状態のボースンの手に巻きつけ、小指が切られたかのように見せれる所までやった。
そしてボースンを男達の組織に派遣し、男達を嵌めるための作戦を説明してもらう。
その夜、ボースンが中華料理屋から出てきたワンダー達を追い詰めると偽の連絡を男に伝え、その少し後にギンテツと対峙した旨を連絡する。
そして男を誘き寄せ、ギンテツとオリビアが二人を追いかける構図を作る。
追いかけられている道中でボースンが男に自分の部下に救助要請を出す様指示して、男の部下も誘き寄せる。
そしてその部下達をギンテツとオリビアがいなして、河川へと誘き寄せる。
一方ボースンはワンダー達にも連絡を出した。
ボースンは小型スパイドローンで別れた男の位置を把握し、ワンダー達に場所の情報を送っていた。
その上でワンダー達に男が来るであろう場所にいってもらい、男が来るのをワンダー達は待った。
そして男がデッドを撃とうとした時にボースンがワンダー達に向けて発砲し、それを受けてワンダー達はわざと河川へと逃げるふりをした。
その芝居に騙された男はボースンと共にワンダー達を追いかけ、河川の橋の下へ追い詰める。
そしてボースンが橋の下に向けて発砲した瞬間、ワンダーとデッドは腕につけていた血のりが溜まっている袋を割り、あたかもボースンの弾丸が二人の腕に当たったかの様に男に見せた。
そして男に男の部下を全員集める様に言い、部下全員を河川に誘き寄せる。
そしてギンテツとオリビアを追いかけていた10人の部下も河川に誘き寄せられる。
そこを大量の青桐組組員達が包囲する…
「…とまあ、こういう事だ!つまりお前らは最初っから頭でも数でも俺らには敵わなかったんだよ!」
「ぐうッ………!!」
男は歯を食い縛り、今にも地団駄を踏みそうだ。
「…それじゃ、少し眠っててな」
ボワァッ!!ボワァッ!!ボワァッ!!
英二がそう言うと、数人の青桐組組員が何かを川の真ん中に集められている男の部下達に投げる。
それは、催涙ガスと睡眠ガスがを混ぜて作られた青桐製スタングレネードだった。
そのグレネードから出たガスをまともに吸った部下達は全員悶えながら眠りに落ちていった。
「あ、あ」
それを見ていた男は恐怖でションベンを漏らしている。
「ああ、あ…」
最早恐怖に支配された男は拳銃を英二に向け…
「死ッ、死ッ、死ね、死ねぇッ!!」
発砲しようとしたが…
バンッ!
あえなくボースンに拳銃を弾き飛ばされた。
「あ、あ、あ」
男はそこから逃げようと走り出したが…
ザッ!
男の目の前にギンテツが立ちはだかった。
「う…!か、刀なんか怖かねえッ!」
男は眠りに落ちている部下の小刀を拾ってギンテツに突進していった。
そして男がギンテツを切ろうとする!
ズバッ!
ブシャアアアッ!
………切られたのは、男の方だった。
「ぎゃあッ!!!」
男は情けない悲鳴を上げ、その場に勢いよく倒れた。
そしてそのまま4人の青桐組の組員に雑に包帯を巻かれ、そのまま4人がかりで持ち上げられ連れて行かれた。
翌日
英二がワンダーとデッドの別荘の玄関でデッドと話していた。
「…あいつらには全員それ相応の報いを受けてもらって組織に送り返しておくぜ、これで敵さんもビビり上がって二度とは俺らに楯突こうとは思わないだろうな!」
「ああ…」
英二が言う報いは青桐組の手にかかれば到底生ぬるい物ではないと言うことは、デッドも理解していた。
「デッド!そろそろいこうよ!」
その時、階段から荷物をまとめたワンダーが降りてきた。
「おう!じゃあ、俺たちはそろそろ帰るぜ、またな」
「ああ、元気でな!」
少しして…
ワンダーとデッドが福岡の街を歩いている。
その二人を追っている存在がいた。
昨日の男だ。
ギンテツに斬られたにも関わらず青桐組から抜け出して二人を追跡していた。
腹には包帯が巻かれている。
「くそお、ここで生かして帰せば組織の名に泥を塗っちまう…」
男は拳銃では殺せないと見ているのか手榴弾を持っている。
「絶対に生かしはしないぞ…」
「そうはさせない」
男の後ろから突然声がした。
男は後ろを振り返った。
「…君は」
声の主は悟だった。
悟はパーカーの懐から合金ナイフを取り出し、静かに抜いた。
そして、男にじりじりと歩み寄ってくる。
「くそッ…」
「それ、まだピン抜いてないでしょ?置いて」
「…わかった、わかった」
男は手榴弾を地面に置いた。
「こっちに蹴って」
「…」
男は何も言わずに悟の足元に手榴弾を蹴った。
悟はそれを拾おうと腰を屈める。
そして手榴弾を拾って腰を上げようとするが…
(今だ!)
ダッ!
その時、男が包丁を持って悟に向かって突撃してきた!
しかし…
ズバッ!
悟が一閃を描き、男は後ろに下がった。
すると、包丁の刃は真っ二つになっていた。
「そ、そんな」
動揺する男の前で悟は手榴弾をナイフで斬り、無力化する。
「はい、これでもう使えないね」
悟は真っ二つにした手榴弾を男に投げ渡す。
「………」
「…じゃあ、覚悟してね」
悟はまた男にじりじりと歩み寄る。
「う……うわああッ!」
ビュンッ!
やけになった男は包丁を刃を斬られた包丁を投げつけるが…
ガンッ!
悟が咄嗟にナイフで防ぐ。
悟はナイフに刺さった包丁の残骸を抜いて地面に投げ捨て、再度男に迫る。
「くそッ!」
ダッ!
男は悟に殴りかかる。
それに応じて悟も走り出した。
次の瞬間、二人はすれ違った。
「…いッ、いッッッ…」
男の腹は悟の一閃により赤く染められていた。
男はそのまま倒れた。
悟はそれを確認すると英二に電話を掛けた。
「…ああ、もしもし、パパ、終わったよ」
ゲストキャラ解説
とある組織の男
ワンダーとデッドを殺す様青桐組の5人に迫ったとある組織の男。
それは地球の多くの国々に支部を持ち、莫大な数の金や武器や人員などを保有し、そして地球の裏社会の征服を目論む巨大犯罪組織である。
ボス…青桐英二
跡継ぎ…青桐悟
三幹部…ボースン、ギンテツ、オリビア
この5人が組織を牛耳っている。
そんな5人が、今とある場所に集まっている。
地球 日本の廃ビル
「ボス、奴らは今どこにいるんです?」
「もうすぐで来るはずなんだがなぁ…」
「クソ、ジラシテキヤガルナ…」
「ギンテツ、殺気を抑えなさい」
「…四人とも、これから何があるの?」
「おい、あんたらが青桐組のトップ5か?」
「…ダレダ?」
「あんたらをここに呼んだのは俺さ、おっと、物陰に部下は隠してはいかんぜ」
「…ナゼワカッタ?」
「ただの勘だよ、勘」
男に指摘されて、隠れていた組員達は姿を現した。
「…まず合言葉だ、じゃあ、ボースンさん、まずはあんたからだ、敵の敵は?」
「今日の味方」
「次、オリビアさん、今日の味方は?」
「明日の敵…ね」
「そして最後に英二さん、明日の敵は?」
「明後日の死体…だな」
「お見事、あんたらは本物らしい」
(…ほっ、良かった…)
その時、ギンテツ………に似た誰かはそう思った。
「じゃあギンテツさん」
「!?」
「明後日の死体は?」
「…………」
「…ギンテツさん?」
「……あぁ〜……………お前らッ、死ねえッ!!!」
偽ギンテツはそう言って刀を抜いたが…
バタッ
ボースンの正確な射撃を脳天に受け、倒れた。
「…こいつは、あんたの部下か?」
ボースンは偽ギンテツの顔の包帯を取って、男にそう問う。
「あんたらの絆が本物かどうか試したくてね」
「良く言うね」
悟がそうツッコんだ。
「…でだ、何の用だ?」
英二が詰める。
「…あんたら青桐組に警告しておこう、あんたらがあのファンタジア人の二人の友人とこのまま縁を切らないなら………我々としても黙ってるわけにはいかないってね」
「はあ、あなた達に何ができるの?」
オリビアは少し呆れている。
「あの二人がいたら我々は非常に弱る、よくもあんな強い友人がいたものだ」
「おいおい、あの二人は別に俺ら青桐組の仲間じゃないぞ?ただのホントの友人だ」
英二が苦笑する。
「とにかく………今から72時間以内に二人を殺さなければ、あんたらをこっちの組織連合総出で潰しに掛かる…分かったな?」
男はそう言い終えると、闇の中に消えていった。
「…ボス、どうします、敵は本気ですよ」
ボースンは偽ギンテツの包帯を投げ捨ててそう言う。
「決まってるだろ?そんなの「逆にあいつらを嵌めるよ」
悟の言葉が英二の言葉を遮った。
「………流石、俺の息子だ!!」
英二が悟の背中を叩く。
後日
日本 福岡
ワンダーとデッドは英二から悟と遊んでほしいという依頼を受け、短期間の休みの中で日本に飛んだ。
そして、今は福岡の公園にいる。
「午後3時に悟がここに来るんだよね?」
「ああ、待ってようぜ」
「………」
二人が話している所から少し離れた木の裏で、ボースンはリボルバーに弾を詰めていた。
そのまた少し離れた所で、こないだ英二達に警告を叩きつけた男とその部下が監視していた。
「あのグラサン男、本当にあの二人を殺る気あるんでしょうかね」
「まあ、見ていようじゃないか」
ボースンはリボルバーをワンダーの脳天に照準を合わせる。
そして…
バンッ!!
カキンッ!!
ズバッ
バンッ!!はボースンがリボルバーを撃った音。
カキンッ!!はワンダーがその弾を剣で弾いた音。
ズバッ、はワンダーがサンダースラッシュをボースンにお見舞いした音。
「……」
監視していた男は絶句していた。
噂には聞いてはいたが、まさかこれほどだとは思ってなかったのだ。
「い、今の…」
「ああ、弾丸を弾いたな」
男と部下が呆然としてるのを他所に、デッドがボースンを担いでワンダーと共にどこかへいっていく。
二人がボースンを連れてきたのは、青桐組本部の前だった。
ピンポーン
「はい、あ、ワンダーさんとデッドさん…って、ボースン様!?」
出てきた組員はデッドに担がれているボースンを見て驚く。
「こいつ、俺たちを殺そうとしてきたんだ」
「そ、そうなんですか、わかりました」
組員はボースンを受け取り、そのまま扉を閉めた。
「ああ、あいつは恐らくタダじゃ済まねえだろう…」
「自分の上司の友人を殺そうとしましたからね…くそお、あのオレンジ髪の男、あれ程とは…」
「タイムリミットまであと12時間…何をしているんだ」
男は自身が働いている犯罪組織のアジトでそう呟いていた。
「うーん…奴らは俺達を相手に戦おうってのか」
ドタドタ…
バタンッ!
その時、急に扉が開けられた。
「あの!青桐組の元幹部が来てます!」
「なに…?」
来たのは、何とボースンだった。
「…あんた、何のようだ、組織を見限ったのか?」
「…ああ、まさかここまでしてくれるとはな」
ボースンは男に右手を見せた。
その手には、小指が無かった。
「…それを詰められたから、ここに来たと?」
「ああ、幹部相手にここまでするとは流石に腹に据えかねたぜ」
ボースンはそう吐き捨てるように言う。
「…で、俺たちに寝返りたいと」
「当たり前だ、もうあんな連中なんかに未練はねえ」
「…」
男はボースンが嘘をついてるとは思えなかった。
事実、小指を切られている。
それが何よりの物的証拠だった。
「チッ……なんでここまで…」
ボースンは右手を見てそう憎々しく呟く。
「わかった、あんたの怒りは本物の様だ、だが後12時間しかないぞ、どうするつもりだ?こちらとしてもいきなり来た新参者を優しくするつもりはないぞ、まあ、先日のこちらの警告を聞き入れてくれるなら別だがね」
「ああ、もちろんだ、だから、作戦を持ってきた」
(…どうやらこいつ、本気で自分の元上司の友人達を殺す様だな)
男は心の中でほくそ笑んだ。
「…まずターゲットであるワンダーとデッド、そして坊ちゃ…ガキが今夜7時、西日本最大級の中華料理屋で食事をする予定だ、あんた達にはそこから1キロ離れたこの河川の橋の下で待ってもらいたい」
ボースンは悟の事をガキ呼ばわりしながら、地図をトントンと指差す。
「三人の食事が終わったら、まず俺とあんたの部下がこの交差点にワンダーとデッドをおびき寄せる、そして俺とあんたの部下がそれぞれ違う方向に逃げてワンダーとデッドを物理的に離す、その為にあんたの部下を借りたい」
「……いいだろう」
「恩に着る、その際どちらかがガキを守るだろう、まずはそっちを片付けてガキを捕まえる、そのガキを橋の下に連れていくんだ、そしたら残った方が橋の下に来るだろう、そこでそいつも片付ける」
「……………なるほど」
「この作戦にはあんたらの総力を結集しないといけねえ」
「何をすれば?」
「出来るだけ多くの人員で残ったターゲットを橋の下に追い詰める」
「…あんたの射撃を見切って、その上剣で防いだあの男が残った方になったら?」
「…見てたのかよ、まあ、いくら奴でも四方八方からの銃撃には対応できない」
「本当か?あの男、只者ではない感じがしていたが」
「銃弾を防ぐっていうのはそれこそ信じられない程の能力が必要で、奴は人間の域を超えたからそれができるんだ、だが、簡単ではないしすごい能力もいる、そうポンポン出来はしねえ」
「…わかった」
そして、作戦決行の時がやってきた。
たった今中華料理屋から三人が出てきた。
「今出た」
ボースンは隠れながら無線で男に連絡する。
「これから誘導をする」
『頼んだぞ?』
男はボースンとの無線を終えて、一人の部下と橋の下で待っていた。
「ボースンはちゃんと誘導してくれるんでしょうか」
「まあ、裏切ったら始末するだけだ」
ビー!ビー!
その時、無線が鳴った。
「どうした?」
『大変だ、俺の同僚が来やがった』
「なに?」
『応援に来てくれ』
「よしきた」
男は部下を置いて、ボースンに会いにいった。
「………ギンテツ、何の用だ?」
「………オマエヲコロシタクハナイ、ワンダートデッド、ソシテボウチャンヲネラウノヲヤメロ」
男が現場に来ると、そこにはボースンとギンテツが対峙していた。
「ボースンさん、手を貸す」
「あんたは出なくていい」
ボースンは男を制止し、ホルダーのリボルバーに手を掛ける。
ギンテツも腰の刀に手を置く。
「…」
「…」
二人はそのまま睨み合っている。
(……まさか、ギンテツさんも銃弾を弾ける事はないだろう)
男はそうは考えたが、一抹の不安を覚えた。
その時!
バンッ!
何者かがボースンのリボルバーを銃弾で吹き飛ばした!
「……オリビアッ!」
ボースンは自身の武器を吹き飛ばした女の方向を向き、そう言った。
オリビアはベレッタM9から煙を出していた。
「ボースン、馬鹿な真似はやめなさい、あなたがワンダーとデッドを自分の勝手な一存で殺そうとしたのが悪いでしょ?だから小指を失ったのよ」
「くそッ」
ボースンは傍観していた男の横をすり抜けて逃げていった。
「お、俺を置いていくなッ」
男もボースンについていった。
男はボースンと共に逃げていた。
「お前の部下達をあの二人に当てろ」
ボースンにそう指示された男は無線で部下達に一斉に命令を出していた。
「俺達を追いかけている二人の青桐組幹部がいるッ、近くにいる人間は直ちに俺達を助けろッ」
その後ろではギンテツとオリビアがボースンと男を追いかけていた。
しばらく逃げていて交差点に差し掛かると、ボースンと男は二手に分かれた。
それに続いてギンテツ、オリビアも二手に分かれた。
ボースンの方をオリビアが追いかけていた。
しかしその時、道の角から四人の男が姿を現した。
男の無線での救助命令を受け取った男の部下である。
四人はそれぞれ銃を出したが…
バンッ!
まずオリビアが一人の銃を撃って吹き飛ばし…
バババババッ!
他の三人の銃撃を横にジャンプしてかわして…
バンッ!
また一人の銃を吹き飛ばし電柱に隠れて…
バンッ!バンッ!
その勢いのまま残る二人の銃も連続で吹き飛ばした。
一方で、ギンテツは男の方を追いかけていた。
しかしこちらも男の部下達が男を助けに来ていた。
六人の部下達はそれぞれベルト、バット、銛、包丁、小刀、鉄パイプを持っている。
部下達は一斉にギンテツに襲いかかったが…
ドガッ!ドガッ!
ギンテツは刀に鞘を付けたまま小刀と包丁を持った二人の男を刀でぶちのめし、派手に倒れさせた。
次に鉄パイプを持った男が来たが…
ガァンッ!!!
刀で鉄パイプを叩き見事に曲げさせ、そのまま男本人をまたぶちのめして道の脇に追いやった。
ドガッ!
次に銛を持って突撃してくる男の銛を見事に手で掴み、男の首をこれまた刀でぶちのめして倒した。
最後にベルトとバットをそれぞれ持った二人の男が来た。
パンッ!パンッ!
ベルトを持った方はベルトを鞭の様にしてギンテツを叩いたが、防弾チョッキを着ているギンテツには効果がなかった。
ドガッ!
バットの方はギンテツの刀捌きの前にバットを吹き飛ばされそのままぶちのめされた。
最後に残ったベルトの男は逃げようとしたが…
ビュンッ!
ギンテツは倒れていた男の銛を手に取り、ベルト男に投げた。
ブスッッ!!
投げられた銛は見事男の腹に命中し、男はもがいて倒れた。
ギンテツは短い時間で六人の刺客を見事倒した。
しかし、追いかけていた男の姿は見えなくなっていた。
「くそっ!計画はおじゃんだ!」
男は自分を助けに来た部下達が倒されたと知らず、ギンテツから離れていた。
その時だった。
「お?あれは…」
男は道路の奥にターゲットのワンダー達三人を発見した。
「まずい…」
男はせめて銃弾を弾けるワンダーとは違うデッドの方だけでも殺そうと拳銃を取り出す。
そして、照準をデッドに合わせる。
バンッ!
別の方向からワンダー達に向けて銃弾が放たれたのはその時だった。
「!?」
男は銃弾が放たれた方を向いた。
そこには、ボースンがリボルバーから煙を出していた。
ワンダー達は三人ともとある方向へ逃げ出す。
その方向は、例の河川へ続いている。
「ボースンさん、よくやったッ」
男はボースンにそう声をかけるが…
「もうここで決めないといけねえ、いくぞ」
ボースンは気にも止めずワンダー達を追いかけにいった。
男もそれに続いた。
ボースンと男は三人をついに河川の橋の下へ追い詰めた。
バンッ!バンッ!
その時、ボースンのリボルバーがついにワンダーとデッドに命中した。
二人とも腕から血が出ている。
「つ、ついにボースンさんの弾が」
「最後はお前がやれ、弾切れしちまった、後、念のため部下を全員集めろ、ターゲットを囲むんだ」
「わかった」
一方、オリビアは自分が銃を吹き飛ばした刺客達から逃げていた。
というのも、オリビアが挑発して刺客達が自分を追いかける様に仕向けたのである。
バンッ!バンッ!
刺客である男達は銃を発砲しながらオリビアを追いかける。
ギンテツの方も同様だ。
ギンテツに倒された男達もしばらくして起き上がり、まだその場にいたギンテツを追いかけていった。
しばらくして、双方の男達はとある場所でバッタリ出会した。
どこで?
河川で。
「おい、青桐組の幹部を追いかけているんだが見なかったか?」
「え、俺たちも別の方を追いかけてるぞ」
「な、なんだって」
「こっちよー、もう諦めたの?だらしないわねー」
その時、またもオリビアが遠くで男達を挑発した。
「モウオワリカッ!!ハヤクコイッ!!!」
ギンテツもそう男達を罵倒する。
「くそっ、あの野郎どもッ!」
一人の男が走り出したのを機に、他の男達も続いていった。
10人もいればいくら幹部と言えど二人相手には負けないだろうと踏んだらしい。
その時、男の招集命令を無線で受けた部下達は全員河川に集まっていた。
これで偶然、男の組織の人間達が全員河川でワンダー達三人を取り囲んでいる構図になった。
バンッ!バンッ!
一方で10人の刺客達は銃を発砲しながらオリビアとギンテツを追いかけている。
「この人数がいれば、流石にあんたの元上司の友人達も殺せるな」
「………ああ」
男はボースンにそう言いながら、拳銃を構えて橋の下に進んで行った。
そして、ついにワンダー達と対面した。
ワンダーとデッドは確かに腕から血を流している。
「…あばよ」
男は引き金を引いた。
バンッ!
カキンッ!
次の瞬間、ワンダーが男の弾丸を弾いた。
「………え?」
男は思考停止した。
二人の腕はもうまともに使えないはず。
だとしたらこの血はなんだ?
今何が起こっている?
答えはすぐ出た。
何故なら、大量の青桐組組員が男と男の部下達を取り囲んでいたからだ。
今、河川の構図はこうなっている。
まず橋の下でワンダーとデッドが腕に血のりをつけており、悟がその横にいる。
そしてたった今ワンダーに弾丸を弾かれた男が立っている。
その男にボースンがリボルバーの照準を合わせている。
オリビア、ギンテツもボースンの隣に立っている。
その二人を追いかけていた10人の刺客達は、他の男の無線を受けてきた部下達と一緒に川の真ん中へ追い詰められている。
そいつらを追い詰めていたのは、ワンダー達を取り囲んでいた男達を更に取り囲んでいた青桐組の組員達だった。
そして橋の上に、英二がいる。
「ははは!どうだ!俺達を舐めてかかるからこうなるんだ!ざまあみろ!」
英二が橋の上からそう男をなじる。
「英二さん…!?」
「聞きてえか?俺たちがどうやってお前らを嵌めたか…」
「き、聞きたいが…それなら何故自分の部下の小指をわざわざ…」
「それはな…」
まずワンダーとデッドに「お前達二人を青桐組が殺さないと青桐組が潰される」という旨を伝える。
そして二人に公園に来てもらい、ボースンが撃った弾丸を弾いてもらう。
そしてボースンを気絶させ、青桐組本部の前に連れてきてもらう。
この一連の流れを監視していた男達に見せることによって「ボースンが独断でワンダー達を殺そうとして失敗した」というのを男達に刷り込ませる。
「な、何故俺が監視してるのがわかったッ」
「小型スパイドローンだよ、オリビアが作った…ドローンってのは本当に便利だぜ、そもそも、お前らがどこの組織の鼠かを特定するなんてこのネット社会では青桐組に掛かればちょちょいのちょいなんだよ!でだ…」
ここからが大変だった。
まずは、これまたオリビアとその部下達にボースンの皮膚に同化するレベルで似た包帯を作ってもらった。
この工程は丸二日かかった。
そしてそれを小指を曲げた状態のボースンの手に巻きつけ、小指が切られたかのように見せれる所までやった。
そしてボースンを男達の組織に派遣し、男達を嵌めるための作戦を説明してもらう。
その夜、ボースンが中華料理屋から出てきたワンダー達を追い詰めると偽の連絡を男に伝え、その少し後にギンテツと対峙した旨を連絡する。
そして男を誘き寄せ、ギンテツとオリビアが二人を追いかける構図を作る。
追いかけられている道中でボースンが男に自分の部下に救助要請を出す様指示して、男の部下も誘き寄せる。
そしてその部下達をギンテツとオリビアがいなして、河川へと誘き寄せる。
一方ボースンはワンダー達にも連絡を出した。
ボースンは小型スパイドローンで別れた男の位置を把握し、ワンダー達に場所の情報を送っていた。
その上でワンダー達に男が来るであろう場所にいってもらい、男が来るのをワンダー達は待った。
そして男がデッドを撃とうとした時にボースンがワンダー達に向けて発砲し、それを受けてワンダー達はわざと河川へと逃げるふりをした。
その芝居に騙された男はボースンと共にワンダー達を追いかけ、河川の橋の下へ追い詰める。
そしてボースンが橋の下に向けて発砲した瞬間、ワンダーとデッドは腕につけていた血のりが溜まっている袋を割り、あたかもボースンの弾丸が二人の腕に当たったかの様に男に見せた。
そして男に男の部下を全員集める様に言い、部下全員を河川に誘き寄せる。
そしてギンテツとオリビアを追いかけていた10人の部下も河川に誘き寄せられる。
そこを大量の青桐組組員達が包囲する…
「…とまあ、こういう事だ!つまりお前らは最初っから頭でも数でも俺らには敵わなかったんだよ!」
「ぐうッ………!!」
男は歯を食い縛り、今にも地団駄を踏みそうだ。
「…それじゃ、少し眠っててな」
ボワァッ!!ボワァッ!!ボワァッ!!
英二がそう言うと、数人の青桐組組員が何かを川の真ん中に集められている男の部下達に投げる。
それは、催涙ガスと睡眠ガスがを混ぜて作られた青桐製スタングレネードだった。
そのグレネードから出たガスをまともに吸った部下達は全員悶えながら眠りに落ちていった。
「あ、あ」
それを見ていた男は恐怖でションベンを漏らしている。
「ああ、あ…」
最早恐怖に支配された男は拳銃を英二に向け…
「死ッ、死ッ、死ね、死ねぇッ!!」
発砲しようとしたが…
バンッ!
あえなくボースンに拳銃を弾き飛ばされた。
「あ、あ、あ」
男はそこから逃げようと走り出したが…
ザッ!
男の目の前にギンテツが立ちはだかった。
「う…!か、刀なんか怖かねえッ!」
男は眠りに落ちている部下の小刀を拾ってギンテツに突進していった。
そして男がギンテツを切ろうとする!
ズバッ!
ブシャアアアッ!
………切られたのは、男の方だった。
「ぎゃあッ!!!」
男は情けない悲鳴を上げ、その場に勢いよく倒れた。
そしてそのまま4人の青桐組の組員に雑に包帯を巻かれ、そのまま4人がかりで持ち上げられ連れて行かれた。
翌日
英二がワンダーとデッドの別荘の玄関でデッドと話していた。
「…あいつらには全員それ相応の報いを受けてもらって組織に送り返しておくぜ、これで敵さんもビビり上がって二度とは俺らに楯突こうとは思わないだろうな!」
「ああ…」
英二が言う報いは青桐組の手にかかれば到底生ぬるい物ではないと言うことは、デッドも理解していた。
「デッド!そろそろいこうよ!」
その時、階段から荷物をまとめたワンダーが降りてきた。
「おう!じゃあ、俺たちはそろそろ帰るぜ、またな」
「ああ、元気でな!」
少しして…
ワンダーとデッドが福岡の街を歩いている。
その二人を追っている存在がいた。
昨日の男だ。
ギンテツに斬られたにも関わらず青桐組から抜け出して二人を追跡していた。
腹には包帯が巻かれている。
「くそお、ここで生かして帰せば組織の名に泥を塗っちまう…」
男は拳銃では殺せないと見ているのか手榴弾を持っている。
「絶対に生かしはしないぞ…」
「そうはさせない」
男の後ろから突然声がした。
男は後ろを振り返った。
「…君は」
声の主は悟だった。
悟はパーカーの懐から合金ナイフを取り出し、静かに抜いた。
そして、男にじりじりと歩み寄ってくる。
「くそッ…」
「それ、まだピン抜いてないでしょ?置いて」
「…わかった、わかった」
男は手榴弾を地面に置いた。
「こっちに蹴って」
「…」
男は何も言わずに悟の足元に手榴弾を蹴った。
悟はそれを拾おうと腰を屈める。
そして手榴弾を拾って腰を上げようとするが…
(今だ!)
ダッ!
その時、男が包丁を持って悟に向かって突撃してきた!
しかし…
ズバッ!
悟が一閃を描き、男は後ろに下がった。
すると、包丁の刃は真っ二つになっていた。
「そ、そんな」
動揺する男の前で悟は手榴弾をナイフで斬り、無力化する。
「はい、これでもう使えないね」
悟は真っ二つにした手榴弾を男に投げ渡す。
「………」
「…じゃあ、覚悟してね」
悟はまた男にじりじりと歩み寄る。
「う……うわああッ!」
ビュンッ!
やけになった男は包丁を刃を斬られた包丁を投げつけるが…
ガンッ!
悟が咄嗟にナイフで防ぐ。
悟はナイフに刺さった包丁の残骸を抜いて地面に投げ捨て、再度男に迫る。
「くそッ!」
ダッ!
男は悟に殴りかかる。
それに応じて悟も走り出した。
次の瞬間、二人はすれ違った。
「…いッ、いッッッ…」
男の腹は悟の一閃により赤く染められていた。
男はそのまま倒れた。
悟はそれを確認すると英二に電話を掛けた。
「…ああ、もしもし、パパ、終わったよ」
ゲストキャラ解説
とある組織の男
ワンダーとデッドを殺す様青桐組の5人に迫ったとある組織の男。
- 1.第一話 異世界への召喚
- 2.第二話 説得作戦
- 3.第三話 畏怖を乗せた流れ星
- 4.第四話 対決美人剣士
- 5.第五話 対面超少年
- 6.第六話 剣集めはつらいよ
- 7.第七話 剣と光弾とナイフと 前編
- 8.第八話 剣と光弾とナイフと 後編
- 9.第九話 爆弾が怒る時
- 10.第十話 黒い追跡
- 11.第十一話 迷宮攻略はワンダーにお任せ
- 12.第十二話 殺人神と呼ばれた男 前編
- 13.第十三話 殺人神と呼ばれた男 後編
- 14.第十四話 睡眠ガスに気をつけろ!
- 15.第十五話 ミラー・ワンダー
- 16.第十六話 炎斧
- 17.第十七話 私が愛したあの子
- 18.第十八話 燃えよS&W M500
- 19.第十九話 この一発で福岡に帰ろう
- 20.第二十話 斬ってよかった
- 21.第二十一話 ロシアから殺意をこめて
- 22.第二十二話 大森林危機一髪!前編
- 23.第二十三話 大森林危機一髪!後編
- 24.第二十四話 世界不思議に関する2600文字
- 25.第二十五話 ファースト・バトルオブヨーロッパ
- 26.第二十六話 乗っ取りは逆襲の音
- 27.第二十七話 我ら、ノイバ親帝派!
- 28.第二十八話 スペインに殺しの花が咲く
- 29.第二十九話 ワンダーVS奴隷軍団
- 30.第三十話 マフィアン・LOVE
- 31.第三十一話 朝シン
- 32.第三十二話 ネオ・第三帝国
- 33.第三十三話 傭兵よ永遠に
- 34.第三十四話 縁戻し
- 35.第三十五話 奴らが来た!!!
- 36.第三十六話 決戦 前編
- 37.第三十七話 決戦 後編
- 38.第三十八話 シン・青桐組とシン・ワンデドコンビ
- 39.第三十九話 香港は燃えるか…?
- 40.第四十話 魔力・キラー
- 41.第四十一話 ボム・フロム・ザ・スカイ
- 42.第四十二話 青桐一家勢揃い
- 43.第四十三話 愛ある女は己を隠す その1
- 44.第四十四話 愛ある女は己を隠す その2