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第一の警告、投稿頻度が遅い
第二の警告、悪人が味方サイド
第三の警告、いわゆるバトル物であり異世界無双物ではない
第四の警告、完全な勧善懲悪ではない
第五の警告、初投稿なので違和感あり
第六の警告、描写や解説が雑

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世界不思議(ワールドワンダー)

#40

第四十話 魔力・キラー

ナーシラン王国 首都ヴァイロの郊外
ワンダーとデッドは馬車に乗って魔物退治依頼の目的地の谷に向かっていた。
「谷間から現れる魔物なんて、珍しいね」
「相当深いらしいのにな、きっとドラゴンか飛竜族の亜種か、だな」

二人は谷の麓で降りて、谷間に向かって歩いた。
「依頼人の貴族の人も自分の別荘を荒らされてるらしいし、厄介な魔物みたいだね」
「ああ、二度と谷から這い上がれない様にしねえとな」

二人は退治対象が現れるという谷間に到着し、テントを作って中で休んでいた。
「じゃ、相手は夜から明け方にかけて現れるらしいから、今のうちに寝とこうぜ」
「そうだね」

「「zzz…」」
二人は夜の活動のため、眠りに入った。

数時間後
「…」
二人が寝ているテントを遠目で見る男がいた。
「あの二人か…」
男は紫色の水晶玉を抱える杖を持ち、テントの周りに4つの水晶玉をかなり広い感覚で置き始めた。

深夜
「「…」」
二人は谷間から対象が現れるのを待っていた。
そして、その時が来た。

…グラグラ………グラグラ……

微かに地面が揺れている。
「デッド、来るよ」
「ああ」
二人は戦闘態勢を構える。
そして…
「…出たッ!」

グワアアアアアアアアアッ!

一匹のドラゴンが谷間から姿を現した!
「いくよ!」
「おう!」
二人はスラッシュとレッダーを放とうとした。
だが…
「…あれ?あれ?」
「ん?なんだかおかしいな」
二人とも魔法を放とうとしても放てない。
「何これ、スラッシュが撃てない!」
「俺もレッダーが…」
バアアァ!
焦る二人にドラゴンが火炎放射をしてくる。
二人は必死に避けたが…
「……なんだこれ!体が!」
「デッド!どうしたの!?」
「体が元の人間レベルに戻っちまった!」
なんと、デッドの身体能力と腕力を超人レベルにしていたスキルも無効化されている。
「ええ!?嘘!」
「ワンダー!こいつはやばいぞ!魔法やスキルが使えねぇ!」
バアアァ!
そんなデッドにお構いなしに火炎放射が襲いかかってくる。
「うわっ!」
デッドはいつもの力を出せず、徐々に追い詰められていく。
ズバッ!ズバッ!
その時、ドラゴンの頭を繰り返しワンダーが斬りつけていた。
「こっちだ!」
ワンダーがドラゴンの注意を逸らし、空中で逃げ続ける。
「デッド!きっと魔法を使えなくする結界が張られてあるんだ!僕がドラゴンをやるから壊して!」
「わ、わかった!」
デッドはドラゴンをワンダーに任し、水晶玉を探し始めた。

「はあはあ…どこだ…」
デッドは走り続け、水晶玉を探す。
「ん?…あ!あそこか!」
ついに水晶玉を視認し、急いで走っていく。

「これか…」
ガンッ!
デッドは水晶玉を殴るが、スキルを無効化されている為壊れない。
「くそッ!どうすれば…」
デッドは焦る、しかし中々打開策が浮かばない。
「あぁ〜剣とか武器があれば………あ」
デッドは自身の言葉で思い出した。
「そうだ、俺、これ…」
デッドはすっかり失念していたベレッタ92を取り出した。
バンッ!
バリンッ!
そして水晶玉に発砲し、破壊した。
「魔法を使えなくするんだから、これ一つな訳がないよな…」
デッドは残りの水晶玉を探しに走る。
すると、心なしか少し体が軽い様に感じる。
「少し、スキルが戻ってるのか…」
レッダーを放とうとすると、小規模の物なら放てる様になっていた。

二つ目を探している時、ドラゴンと戦っているワンダーが目に入った。
ワンダーも小さいスラッシュなら放てている。
しかし元のスラッシュはまだ放てていない。
デッドはワンダーの周りを探し回る。
しかし、ドラゴンが接近してきた。
「あぶねッ!」
バッ!
デッドはギリギリで衝突を避けた。
「デッド!頑張って!」
「ああ!」

しばらく探して、二つ目の水晶玉をデッドは見つけた。
バンッ!
これも発砲して破壊した。
デッドは試しにレッダーを撃ってみた。
「…だんだん元の威力に戻ってきてるな」

段々と元の力を取り戻していくワンダーとデッドを他所に、遠くで杖の水晶玉を光らせている男がいる。
「よし…いいぞ…」

デッドは三つ目の水晶玉を見つけ、発砲した。
バリンッ!
「…まだ力が少し戻ってねえ…この感じ、後一個か…」

同じ頃、ワンダーはドラゴンと渡り合っていた。
「よし…大丈夫、いける!」
ドラゴンが火炎放射を繰り出すが、ワンダーは剣で防ぐ。
逆に炎を包んだ剣をドラゴンの剣傷に更にお見舞いする。
ガアアアアアアアアッ!
ドラゴンは相当苦しんでいる。
バアンッ!
その時、デッドが四つ目の水晶玉を破壊する音が聞こえた。
ワンダーはもう完全に力を取り戻した。
「よし!」

そこからは一方的だった。
ワンダーはスラッシュを連発してドラゴンの翼をズタズタにして地上に墜落させ、更にドラゴンの頭部にスラッシュを撃ち込んでいく。
斬り傷だらけになったドラゴンの頭部は頭蓋骨すらも酷く損傷している。
そこにワンダーがトドメを刺すように、ドラゴンの脳天にサンダーディスードを突き刺す。
電気ショックをモロに受けたドラゴンの脳は機能を完全に停止、血が大量に流れていく。
そして、ドラゴンも完全に動かなくなった。
「ワンダー!大丈夫か!」
デッドが戻ってきた。
「うん!全然平気!」

二人はテントに戻り、睡眠を取ることにした。
「にしても、何で水晶玉なんか…」
「誰かが俺たちを嵌めるために置いた事は確かだ、明日騎士団に通報しよう」
「だね」

翌日
二人は谷を降りて、近くの地元のナーシラン騎士団支部に昨夜の事を通報した。
二人は支部の建物の通報人待合室で待たされていると、一人の男が部屋に入ってきた。
「どうも、私はこの支部の騎士団の第一師団犯罪捜査部隊現場捜査隊隊長のタッカートです、早速ですが事が起きた谷まで案内してくれませんか?」



二人はタッカート率いる捜査隊を事件現場まで案内した。
「ここですか…お二人とも、少し離れた所で待機していてください」

二人はタッカートに任せてその場を離れた。
「本当に、誰が何のためにやったんだろうね」
「ああ、全くだ、俺たちの魔法を使えなくして何の得が…」
「ん?あれ、なんかあそこ…」
ワンダーはデッドと話している時、何かを見かけた。
遠くで一人の少年が杖を持って歩いている。
少年はタッカート達が現場捜査をしている場所に近づいている。
少年はある程度距離が離れてる所で立ち止まり、杖の水晶玉をタッカートに向けた。
「!」
ワンダーはタッカートの身が危ないと察し、タッカートの方向に走る。
「タッカートさん!あそこに誰かいます!」
ワンダーは必死でそう叫んだ。
「え!?」
タッカートが振り向くと、少年は逃げてもう視界からいなくなった。
「捕まえてこい!」
タッカートは部下にそう指示を出し、少年を追いかけさせていった。
「…ワンダーさん、ありがとうございます」
「無事で何よりです、しかし、今の子は何だったんでしょうね」
「まあ、この職業柄、恨みを買う事も少なくないのでね」

その日はワンダーとデッドは捜査をタッカート達に任せ、依頼した富豪の家に報酬を取りに向かった。
「…この家だね」
「すごい豪邸だな」
二人は門の前にいる門番の男二人に、依頼を完了したから依頼人に報告しにきたという旨を伝えた。
門番は門を開け、二人は中に入っていった。

「ここでお待ちください」
メイドが二人を待合室に案内し、部屋を出ていった。
「…ん?」
その時、ワンダーが何かに気づいた。
ドアの隙間から少年がこっちを覗いている。
「んー…」
ワンダーは少年を横目に見ながら何か見覚えがあると感じる。
「ワンダー、どうした?」
「…あ!」
ワンダーは思い出した。
タッカートに杖を向けていた少年だ。
「ねえ、君」
ワンダーは声を掛けた。
「!」
少年はワンダーを警戒している。
「…君、タッカートさんに杖を向けてた少年だよね?」
「…」
少年は黙ったままだ。
「ああ、ワンダーさん、デッドさん、お待たせしました、こらホルス、あっちいっておいで」
その時、依頼人の富豪の男性が来た。
ホルスと呼ばれた少年は、その場から消えていった。

「お二人とも、今回はありがとうございました」
「いえいえ、じゃあ、俺たちはカリュデウスに帰ります」
「ありがとうございました!」
二人は報酬を受け取って富豪に別れを告げ、家から去っていった。
「「…」」
しばらくして、二人は後ろから何か近づいてくるのを感じた。
かすかに足音がする。
二人は顔を見合わせ頷き合い、二手に分かれた。
「!」
後ろから二人を追ってきていたのは、ホルスだった。
ホルスは二人が二手に分かれたT字型曲がり角の左右を見て、ワンダーがいった方向に向かった。
ホルスの少し前をワンダーが走っている。
ワンダーはそのまま路地裏に入っていった。
ホルスもワンダーを追うように路地裏にきた。
しかし、そこにワンダーの姿はない。
「あれ?」
ホルスは困惑して辺りを見回した。
その時!
「…ねえ、何で僕らを追っていたの?」
ワンダーが突然ホルスの前に降り立った。
ワンダーは空中にいたのだ。
「!」
ホルスは後ろを向いたが…
「答えてくれないか?」
デッドがいた。
「あ…」
ホルスは至近距離で二人に挟まれている。
身長差も一目瞭然だ。
「きっと何か理由があるんでしょ?大丈夫、聞いてあげるよ」
ワンダーは優しく諭す。
「…」
少しして、ホルスは決心したかのように話し出した。
「…あのタッカートって男は、悪党なんだ」
「「…え?」」
二人はホルスの言葉に驚いた。
「あ、悪党って、そりゃどういう事だ?」
「…二人とも、僕に協力してくれる?」
「…ああ」
「もちろんだよ」
「…じゃあ、二人を信じて、話すよ」

「タッカートは魔物退治屋の強い魔力を狙ってるんだ、谷間の底に数体のドラゴンを飼っていて、依頼を受けた魔物退治屋を待ち構えているんだ、魔物退治屋がテントで寝ている時とかに四つの魔法を使えなくする水晶玉を魔物退治屋を囲むように配置して、いざ魔物退治屋がドラゴンと戦う時に魔法を使えなくするんだ、そしてその水晶玉を通じて自分の杖に魔力を送り込んでいるんだ」
「…じゃあ、自作自演してるってことか?」
「うん…それに………」
ホルスは言い淀んだ。
「言ってご覧?」
「…僕の姉様も、タッカートにしてやられたんだ」
「…君のお姉さんも?」
「うん…姉様は優秀な人だった、姉様はいつか優秀な魔物退治屋になる事を夢見てたんだ、でも…
ある日、姉様と僕は例の谷にいった、父様の別荘を荒らすドラゴンを退治するために、
その頃の姉様は実力が十分身についていたし、ドラゴンがそんな強い訳じゃなかったから、父様が許可したんだけど…
その時だったんだ、僕、見たんだよ、タッカートが姉様を囲むように水晶玉を置いて、姉様の魔物を奪ってるのを、
その時、ちょうど姉様はドラゴンと対峙してた、魔法が使えなくなり、魔力を奪われている姉様になす術は無かった…
姉様は大怪我を負って、夢を諦めざるを得なかった」
「「…」」
二人はしばらく黙ってたが、ワンダーが喋り出した。
「…その後は?」
「…姉様の仇を取るために、あいつから魔力を奪い返そうと決心した、この杖なんて、僕が作ったんだよ?」
ホルスは杖の水晶玉を光らせる。
「だからさ、二人の力が必要なんだ、タッカートの罠を見事打ち破った二人なら大丈夫でしょ?」
「…ねえ、ホルス、仇を取りたいんなら、まずは確たる証拠を掴んでそれを突き出す方が気持ち良くない?」
その時、ワンダーはそう言った。
「え…」
「そっちの方が確実だし、今まで被害に遭ってきた人達の無念も晴らせると思うな」
「…俺もそう思うな」
「だよね、君のお姉さんも、それを望んでると思うよ?」
「あ…」
ホルスはワンダーに完敗した。



翌日
二人はホルスに協力する事になり、谷の底に向かう事になった。
「…ここだね」
「じゃあ、いくぞ」
三人は谷間に入る所の川に来ており、そこから谷の中に入っていった。

「…結構静かだね」
「だな、こんな所にドラゴンがいたとはな」
三人はどんどん奥に進んでいく。
「…上から指すあの太陽の光が唯一の灯りだな」

三人はいけどもいけどもドラゴンは見つからない。
「結構奥まで来たんじゃないか…?」
「そうだよね…」
ワンダーとデッドは少し疲れてきた。
「…ワンダー!デッド!あそこ!」
その時、ホルスはある所を指さした。
そこは、不自然に巨大な岩が何かを塞いでいるように置いてある。
「ホルス、あそこにドラゴンが?」
「うん」
「よし、任せろ」
デッドは手にレッダーを溜める。
「待って!やめて!」
しかし、ホルスがそう叫んだ。
「ど、どうした?」
「タッカートはここに定期的に餌を運んできてると思うんだ、だから岩を破壊したら僕達がここに来たって事がバレちゃう」
「そ、そうか…」
「…じゃあさ、僕が上空からタッカートが来るか監視するよ」
ワンダーは上に飛び立って、ちょうど足場にできる高い所に降り立った。
「俺たちはどうする?」
「うーん…」
「…あ、じゃあ俺たちは入り口まで戻ってタッカートが来るか見張ろう、来たらワンダーに連絡だ」
「いいね!」



デッドとホルスは谷間の入り口に戻り、陰からタッカートが来るか監視している。
「…まだだな…」
「うん…」

数時間後
「…あ!おい!ホルス!」
デッドは半ば寝ているホルスを起こす。
「ん?何?」
「あそこ!タッカートだ!」
「あ!」

大きい袋を持ったタッカートは谷間に入っていく。
「…」
デッドはその光景をヴァイロで買った映像が記録できる水晶玉に映像として記録している。
「…よし、ワンダーに伝えなきゃな」

ピピピピピ…
「お…」
ワンダーはスマホを手に取り、電話に出た。
「来た?」
「ああ、しっかり映像を記録しといてくれ」
「オッケー」

ワンダーが隠れてると、タッカートがやってきた。
タッカートは例の岩に近づき…
パチンッ!パチンッ!パチンッ!
3回指を鳴らした。
すると…

ゴゴゴゴゴ…

中にいたドラゴンが岩を横にどかして姿を現した。
「よしよし、良い子だ」
タッカートは袋から魔物の死体などを出して、出てきたドラゴン達に食べさせている。
「…」
ワンダーはその光景をバッチリ記録している。
「まったく、あのガキめ…」
(ホルスの事だな…)

「ガァッ…」
ゴゴゴゴゴ…
ドラゴンは餌を食べ終えると岩を元通りにして閉じこもっていった。

タッカートは痩せた袋を持って谷間の入り口に戻ってきた。
「…」
デッドはそれも忘れず記録していく。



数時間後
ワンダーとデッドはヴァイロの宿にいた。
「最初の作戦は成功だね」
「ああ、明日、二つ目だな…」



翌日
三人は例の谷にいた。
テントを張ってその中にいる。
ブルルルルル…
そして、ワンダーは外に小型のドローンを飛ばしてそのドローン越しに外の映像を見ていた。
「タッカートはまだいないよ」
「あいつの事だ、定期的にここに見回りに来ているんだろ」
「そう、それでタッカートは姉様を見つけたように、魔物退治屋を見つけては罠を仕掛けていたんだ」
「酷いね、絶対証拠を掴もう」

数時間後
「………お、ワンダー、ホルス、来たぜ」
ワンダーの代わりにドローンを操作しているデッドは二人にドローンの映像を見せる。
映像には、タッカートがこちらに向かって歩いてきているのが映っている。
「きたな…」
ホルスは苦々しく呟く。
「デッド、水晶玉を」
「ああ」
デッドは水晶玉を出し、ドローンの映像を記録する。
そして、ワンダーがドローンを操作する。

しかし、タッカートはテントを見ると、すぐに引き返していった。
「あ、あれ?」
「なんだ?帰ってくぞ?」
「多分、水晶玉を持ってくるんだよ」
「あ、なるほどね…」

しばらくして…
タッカートが袋を持って帰ってきた。
「あの中に水晶玉があるんだろうね」
ワンダーがドローンをタッカートにバレないように近づける。
タッカートはテントから離れた所に歩いていく。
ドローンもそれを追う。
そして、タッカートは立ち止まり最初の水晶玉を置いた。

タッカートは4つ全部置き終わると、帰っていった。
「デッド、記録できた?」
「もちろん」




タッカートが杖を持って戻ってきた。
そして、杖の水晶玉を光らせワンダーとデッドの魔力を奪っていく。
しかし、そんな時でも二人は証拠を記録している。
「よし、これで十分だ、ワンダー、ホルスを抱えてくれ」
「オッケー、さあ、いくよ」
ワンダーはホルスを抱っこし、デッドと一緒に…

バッ!

テントの外に飛び出した。
「おおッ!?」
タッカートは尻餅をついた。
そんなタッカートに目もくれずデッドは地面を蹴って高速で走り、ワンダーはホルスを抱えながら宙を舞っていく。
「まさか、バレたかッ!」
タッカートは起き上がり、谷間の方に走っていく。
「しかたない…!」

バッ!

次の瞬間、タッカートは飛び降りた。



ドガアアアアアアアアアアアンッ!!!

ドスンッ!

タッカートは川に衝突する寸前に杖からこれまで奪ってきた魔力を太いレーザーに変えて衝撃を和らげた。
タッカートは例のドラゴン達を飼っている所に来ていた。
「くそ、痛い…しかし、奴らを追わねば!」
パチンッパチンッパチンッ!
指を3回鳴らし、ドラゴン達を呼び起こす。
「ガウ…」
「ガアア…」
「ウガァ…」
「ウウウ…」
タッカートはドラゴン達に命令を出す。
「子供を抱えているオレンジ髪の男と金髪の男を追え!見つけ次第行動不能にしろ!」
タッカートがワンダーとデッドの顔が映った水晶玉を見せながらそう命令を下すと、ドラゴン達はワンダー達を追うために飛び立っていった。

二人は谷を走り下っていく。
しかし…

ガアアアアアアアアッ!

一体のドラゴンが谷間から姿を現した。
「ワンダー!無視だ!」
「うん!」
二人は目もくれずドラゴンから離れていく。
ボワッ!
ドラゴンの火炎放射は届かない。
グオオオオオオオッ!
グワアアアアアアアアアッ!
二体のドラゴンも出てきたが、二人とも持ち前の機動力で火炎放射を交わしていく。
しかし…

バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!

突然後ろから極太レーザーがワンダー目掛けて飛んできた!
「うわっ!!!」
ワンダーにとってこれは予想外だったらしく、大きく態勢を崩す。
ボワアッ!!!
そこに二体のドラゴンの火炎放射が襲いかかる。
「くッ!」
ワンダーは必死に避けるが…

バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!
また極太レーザーが襲ってきた。
ワンダーはこれも避けるが…

ドカッ!!!

ついにドラゴンに衝突してしまった。

ドカッ!ドカッ!
ワンダーはバランスを大きく崩して地面に転がっていく。
「ホルス!」
ワンダーはホルスの名を叫んだ。

しかし、ホルスはドラゴンの足に囚われていた。
「ワ、ワン、ダー…」
「ワンダー!ホルス!」
デッドが足を止める。
「ホルス!」
ワンダーはホルスの元に走るが…

「待て!下手に動けばガキの命はないぞ!」
杖をホルスに向けているタッカートがドラゴンに乗ってやってきた。
タッカートはドラゴンから降りて、杖をホルスの頭に突きつける。
「俺はこのドラゴン達を苦労して飼ってきたんだ、無駄にはしないぞ」
「ホ、ホルスを離せ!」
「なら、どうせなんかの水晶玉に証拠を記録していたんだろ?その水晶玉を割ってもらおうか」
「そんな…」
ドラゴン達がワンダーを取り囲む。
「ワ、ワンダー!」
デッドも迂闊に動けない。
「できないなら、このドラゴン達をけしかける」
「うッ…」
しばしの沈黙が流れ…
「…よし!いいだろう!お前達!やれ!」
タッカートのその一言で、ワンダーを囲んでいたドラゴン達が動き出した。



ズバッ!ズバッ!ズバッ!
ワンダーは華麗に一体のドラゴンの足を低空飛行して潜り抜け、3発のスラッシュを放ち1発をそのドラゴンの頭に直撃させる。
残りの2発は胸に当たる部分に直撃した。
「ガアアアアアアアアッ…」
そのドラゴンは頭と胸を酷く損傷し、地面に派手に倒れた。
他のドラゴン達がワンダーに向かうが…
ドガアアアアアアアアアアンッ!!!
デッドが巨大レッダーを繰り出して、もう一体のドラゴンの体に直撃させた。
「ガアアッ!!!」
レッダーが直撃したドラゴンは苦しんだが、もう一発レッダーがきた。
ドガアアアアアアアアアアンッ!!!
そのドラゴンも地面に伏した。
「マ、マズイ…」
タッカートは激しく焦る。
早くも二体のドラゴンが戦闘不能になるとは思っていなかったのだ。
「…」
その足元でホルスは杖をバレないようにタッカートに向けた。

ドラゴンは残り二体だったが…
ズバッ!ズバッ!ズバッ!ズバッ!ズバッ!
一方のドラゴンはワンダーのスラッシュの連続攻撃を胴体にモロに受け、仲間と同じように地面に伏した。
ドガアアアアアアアアアアンッ!ドガアアアアアアアアアアンッ!
もう一方はデッドのレッダー2発を頭と首に受けてこの世を去った。
「ば、馬鹿な…」
ワンダーとデッドはドラゴン達を全て倒して、タッカートの方を向いた。
「ひっ、ひぃ!こっ、このガキがどうなってもいいのか!」
タッカートは杖をホルスに突きつける。
「無駄だよ」
しかし、突然ホルスがそう言った。
「へ?」
「タッカート、お前が呆然としてるうちに、お前の魔力は全て奪い返した」
「な、なんだと!?」
タッカートは杖を振るが、何も起きない。
「もう遅いよ、お前の悪事はもうすぐバレる」
「こっ、この!」
タッカートは杖でホルスを殴ろうとするが…

ズバッ!

ワンダーのサンダースラッシュがタッカートに直撃し、タッカートは気絶した。



「ホルス、怪我ない?」
「うん、大丈夫」
ワンダーはデッドがドラゴンの足を持ち上げてる最中にホルスを救出した。
「さあ、お前の主人は倒された、帰った帰った」
最後に残っていたドラゴンはデッドにそう促され、谷間へと戻っていった。
「…あれ?」
その時、ホルスは自分の杖に何か違和感を感じた。
杖の水晶玉が激しく光っている。
「「ん?」」
それを見たワンダーとデッドは数秒沈黙したが…
「「…あ!」」
二人は何かに気づいた。
「ホルス!危ない!」
ワンダーがそう叫ぶとホルスを抱いて空中に連れていく。
デッドはホルスから杖を奪い取り空中に投げたが…

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!

次の瞬間、杖の水晶玉が大爆発を起こした。







後日
タッカートは無事逮捕され、ドラゴン達も姿を現さなくなった。
しかしワンダーとデッドはホルスの杖の爆発によりヴァイロの病院に入院している。
「いやぁ〜まさか魔力を奪い返しすぎて杖が爆発するとはね…ホルスはちょっと自分の腕を過信しすぎたみたいだね」
「杖ってのは簡単には作れねえな…」
二人がベッドに寝ながらそんな事を話してると、看護師が部屋に入ってきた。
「ワンダーさん、デッドさん、お手紙です」

『ワンダーとデッドへ
まさか僕の杖が魔力の溜めすぎで爆発を起こすなんて予想外でした。
酷い目に遭わせてしまいごめんなさい。
でもお二人の協力があったからタッカートは捕まり、真実を世に出す事ができました。
本当にありがとうございます。
僕は少し焦りすぎていました。
後、何故だが分からないけど姉様の怪我が改善してます。
これも二人のお陰でしょうか。
なんて、偶然ですよね。
そもそもただ単に時間さえ経てば治るような怪我だったとはいう事だとは思いますが、それでもやっぱり二人が来たからいろんな事が良い方向に進んだんだと思います。
本当にありがとう。
ホルスより』

看護師が持ってきた手紙からは、ホルスの笑顔が浮かび上がってきた。

ゲストキャラ解説
タッカート
騎士団の団員という立場を悪用して魔物退治屋の魔力を奪ってきた男。具体的に奪った魔力で何をするつもりだったのかは不明。ドラゴンを谷の底に眠らせておき、魔法が使えなくなる四つの水晶玉を配置して、対象がドラゴンと戦っている最中に杖を通して魔力を奪っていた。
ホルス
タッカートに姉を大怪我させられた富豪の家の少年。仇討ちを誓いタッカートから魔力を奪い返すための杖を自作する。
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2025/07/10 23:13

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