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世界不思議(ワールドワンダー)

#37

第三十七話 決戦 後編

モスクワにミサイルテロ攻撃を仕掛けようとするミロロフ
拘束されているワンダー、デッド、悟
悟の命を狙おうとする親帝派組織残党

ミロロフのアジトで、最終決戦が始まる。



ミロロフのアジトから少し離れた所に、悟を追ってきた親帝派の残党達がいた。
今、ミロロフのアジトに乗り込もうとしている。
「では長、いきましょう」
「お〜し、一気に畳み掛けるぞ」
長と呼ばれた男は、アジア人の男にそう言われ自身も部下の構成員達と一緒にミロロフのアジトに近づいていった。

『…お三方には、そこでじっとしててもらう』
ミロロフは無慈悲に拘束されている三人にそう告げた。
「…そうだな、じっとしてたかったな」
その時、デッドはそう意味深な事を呟いた。
『なに?』
「ふんッ!」

ブチッ!!

次の瞬間、デッドは自身に巻き付けられていた縄を粉々にした。
「悪いがミロロフ爺さん、あんたの計画は阻止させてもらうぜ」
『な、なに』
デッドが超人的な腕力を持っているとは流石にミロロフも思ってなかった様だ。
そんなミロロフの動揺の声を気に留めず、デッドはワンダーと悟の縄を解いていく。
「いくぞ、二人とも」
「「うん」」

拘束から逃れた三人は外へ出るべく、デッドが扉を破壊した。
「あ〜やっと出れた…」
ワンダーがそうこぼした時だった。

きゃああああああッ!!!

突如、どこからともなく悲鳴が聞こえた。
声の主は、ワンダーとデッドが玄関で対面したあの使用人と思われる女性だった。



バンッ!バンッ!
ミロロフの用心棒が放った二発の銃弾が組織の構成員に命中する、が…
ダッダッダ…
ズバッ!
「ぐああッ!」
構成員はそんなのを物ともせず、走って用心棒を剣で斬りつけた。
バタッ
用心棒は血を撒き散らしながら倒れた。
「あのアジア人を探せ!この建物のどこかにいるはずだあ!」
長と呼ばれている男の声が響く。

ワンダーとデッドは声がした方向に走っていた。
すると廊下の曲がり角で組織のアジア人と鉢合わせした。
「あっ!お前らは!」
ゴンッ!
アジア人が叫んだと同時にデッドが殴って気絶させる。
「まさか、親帝派が侵入してきたのか?」
「不味いよ、デッド、何とかしないと!」

ワンダーとデッドは更に玄関に向かって進んだ。
途中、構成員達とアジア人達の襲撃にあったが全員倒して先に進んだ。

そして、ついに組織のトップの男と鉢合わせした。

「…お前が、アスラ親帝派組織のトップか?」
デッドが男に問い詰める。
「おぉ〜お前達があの子供の護衛か、俺の名はロコ、アスラ帝国親帝国組織ラーヴィラの組織長だ」
真っ黒い装束と赤い目しか書かれてない仮面を被っているという超絶不気味な姿に反して名前は可愛かった。
「悪いけど、気絶してもらうよッ!」
ワンダーはそう言うや否やロコに斬りかかるが…
「ハァ!!!」
ロコがそう叫ぶと、ロコの姿が消えた。
「え、嘘!」
ワンダーは驚いて左右を見るが、ロコの姿はどこにもない。
「はっはっは!ここだがな!」
ロコの声は上から聞こえた。
ワンダーは上を見上げるとそこにはロコが空中浮遊をしていた。
「残念だが俺はあんたらに構ってる場合じゃねえんだわ、じゃ、さいなら!」
ロコは言い捨てると空中浮遊をしながら壁をすり抜けていった。

「ふぅ〜、明らかあの二人から強者オーラ出てたなぁ、離れとこ」
ロコはそんな事をぶつくさ言いながら何枚もの壁をすり抜けていった。
その下ではラーヴィラ構成員達とミロロフの部下達が死闘を繰り広げているのだが。
「ふぁ、ここまで離れれば大丈夫…ん?」
ロコはとある部屋で降り立つと、クローゼットの陰に怪しい人影を見つけた。
「お〜い、そこにいるのは誰だ?」
ロコは声を掛けた。

…クローゼットの陰から出てきたのは、悟だった。

「いやぁ〜お前が俺らが殺すべきアジア人の子供かぁ、中々可愛い顔しとるのぉ」
「僕はあの二人に言われてここに隠れてたんだ、扉には鍵を掛けてたんだけど」
「はっはぁ〜なるほどぉ、しかし俺の壁抜けの前にはそんなのは無意味なんだあ…さて、死んでもらうとするか」
ロコはそう言うと、両手を上に上げてこう大声を出した。
「アーーーーースーーーーーーーーラーーーーーーーーーーー!」
ぼわ!
次の瞬間、ロコの体が炎に包まれた。
「わーはっはっは、どうだアジア人!これが俺の能力や!」
ロコは高らかにそう言い地面に降り立つと悟に突進してくる。
しかし…

ザシュッ!

悟は合金ナイフを一振りしてロコの腹を分けた。
しかし、炎に包まれている為ナイフも炎に包まれた。
おまけにロコは腹を斬られたと言うのにピンピンしている。
「俺の体は不死身の魔術がかけられててな、忠実な部下が作ってくれんだな、ま、痛みが0とは言えないけどな」
「あ、そう」
悟はロコの言葉を意に介さずナイフを横にしてロコに走っていき…

ザシュッ!

すれ違い様に同じ部位をまた斬った。
「ぐッ…」
流石にロコも苦しそうだ。
「てっ、撤退撤退ー!」
ロコは慌てながら走って壁を抜けていった。
(ここに留まってると不味いな)
悟はそう判断して部屋を出てった。

悟はワンダー、デッドと合流する為に廊下を走っていたが…
「あっ!アジア人の子供だ!」
「あっ、本当だ!」
途中で何人ものラーヴィラ構成員と遭遇してしまった、その中には飛竜族や剣を持った構成員もいたのだが…
タッタッタ…

ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!

…そのまま走りながら全員を斬り捨てていった。
ナイフに炎がまとわりついてた為、そいつらは火炙りになった。

少しして、悟は二人と合流した。
「あ!悟!大丈夫だった?ごめんね、ロコが悟が隠れてる方面にいっちゃって…」
「大丈夫、何とか撃退した」
「あのロコとかいうやつ、ラーヴィラの組織長とか言ってたな…」
「うん、あいつを何とかしてそれに加えてミロロフの計画を阻止しなきゃいけないんでしょ?流石の僕でも疲れるよ…」
「もうここまできたらしょうがねえ、悟、ワンダー、いくぞ」
三人はこの騒動に終止符を打つべく動き出した。

一方、ミロロフはと言うと、隠しコントロールルームにいた。
「なんだ、あのファンタジア人達は…このままでは私の計画が台無しになる…かくなる上は、モスクワ攻撃用のミサイルの内一発だけを残して残りのミサイルを発射し終えたらここに…いや、とても破壊しきれない…」
ミロロフは悩んでいた。
この自身のアジトにミサイルを撃ち込みラーヴィラ残党を一掃するに賭けるか、モスクワ攻撃に集中するか。
ミロロフがこのコンピューターを操作すればミサイルはモスクワに向けて飛ぶ。
しかし、ラーヴィラはそのまま。
ラーヴィラのやっている事はファンタジア人が地球で犯罪を犯しているという事なのでかなり重い形は時期に来るだろう。
つまり、ラーヴィラは野放しにしても結局天罰は下る。
しかし、自分の部下達が今悲惨な目に遭っている。
せめてミサイルを一発だけをここに着弾する様上空に発射しラーヴィラを巻き添えにするか。
しかし、ロシアには少しだけでも攻撃を与えたい。
「…」
ミロロフは悩んだ末、全ミサイルがモスクワに着弾する様操作しようとした。
だが…

「おぉ〜ここは一体何だ?いっぱい機械があるなぁ」
ロコが壁抜けで侵入してきた。
「だ、誰だ」
「ああ、俺はファンタジアのとある組織のトップやってるもんだ、アジア人の子供を追ってるんだな」
「あ、あの子を?」
「ああ、俺たちにとってその子はちょいと不都合でなぁ、死んでもらう事にしたんだわ」
「何だと?」
「所がなぁ〜、あの子はすごい短剣使いで殺すのも並大抵じゃないんだぁ、だが、ここにはいない様だな、ちょいと隠れさせてもらうっと…」
「ちょ、ちょっと…」
ロコはそのまま隠しコントロールルームの床に居座った。

三人はアジトのあらゆる場所を探し回った。
そこで構成員がミロロフの部下を襲っている場面に出会したら、必ず助けた。
しかし、どんなに探し回ってもミロロフとロコを見つける事ができなかった。
「どこいったんだ?あの二人は」
デッドが疲れた様子で言う。
「もしかして…隠し部屋とかがあるのかも」
「そうか…ワンダー、それだ!よし、ワンダーは悟を守っててくれ、二手に分かれよう」
ワンダーと悟のコンビと、デッドに分かれてアジト内の怪しい場所をしらみ潰しにする事になった。

「…で、俺は偉大なる帝国の威厳、平和、国家意識を守る為、そしてそれを確かな物にする為ラーヴィラを率いて活動しているのさ」
一方、ロコは隠しコントロールルームでミロロフに自分語りをしていた。
「…帝国、威厳…」
ロコの言うアスラは、ミロロフの頭の中でどこかロシアと重なった。
「…まあ、周辺諸国は帝国の悪評を振り撒いているが、そんなの偉大な帝国の国民達には関係ないな!」
ロコのその一言が、ミロロフを揺らした。
(私は戦争に反対しているロシア人も殺すのか?)
(私はただ目的遂行の為自分の信念を反故にするという矛盾を犯しているのでは?)
(信念を正当化する為目的を遂行するという逆の順番になっているのでは?)
ミロロフの中で何かが揺れ動く。
目の前に自分の部下を襲いまくった張本人がいるなら尚更。
(私の部下とこいつの部下は似た物同士ではないか?)
(ただ自分の生活の為と間違った人生観から違法組織に入ったのでは?)
(今この建物で起きているのは同族嫌悪ではないか?)
(そもそもどちらかが正しいのか?)
更にミロロフの中で様々な声が廻る。
「アスラ大侵略なんて言われてるが、大解放の方がしっくり来ると思うわ!うん!」
更にロコは持論を言っていく。
(解放…ウクライナ…侵略…ロシア…)
ミロロフの中で回っている声のスピードが更に上がる。
(アメリカもメキシコを…)
(ソ連もアメリカと…)
(ベトナム…朝鮮半島…)
ミロロフのモスクワを攻撃すると言う決意が揺らいでいく。
その時だった。
ピー!ピー!ピー!
『大変です!ミスターミロロフ、警察がやってきます!後数十分後には到着します!』
天井のスピーカーから放送室にいる部下が無慈悲にそう告げた。
(不味い…)
今ここで決断せねばいけない。
モスクワ攻撃か、自滅か。

「やあ、こんにちは」
ワンダーと悟が探索をしている時、突然廊下の曲がり角からアジア人が現れた。
「あ、お前は」
悟が思い出したかの様に呟く。
「また会いましたね、私の名前はホワン、中国の生まれです」
「まさか、ラーヴィラの構成員?」
ワンダーが警戒しながら聞く。
「その上をやってます、不死身の魔術はどうです?」
「不死身…お前達が作ったのか?」
「はい、私だけでなく他のアジア人と協力して」
ホワンの後ろに続々とアジア人が集まってくる。
ワンダーと悟の後ろにも。
完全に挟まれた。
カチャ
カチャ
カチャ…
アジア人達が次々と拳銃を構える。
「悟、僕の腕の中に入って」
「うん」
ワンダーが悟を抱き抱える。
「…やりなさい」
ホワンがそう言うと、皆一斉に発砲したが…

数秒後…
アジア達は皆ワンダーによって倒れていた。
ワンダーの銃弾捌きは健在である。
ワンダーは肩に一発もらっていたが、自然治癒能力がある為大丈夫だ。
「ワンダー、大丈夫?」
「うん」
しかし、ホワンはどこかに逃げた。

一方、デッド視点
「くそっ、見つからねえ」
こちらも四苦八苦していた。
その時だった。

バンッ!

「ぐうッ!?」
ドタッ!
デッドは何者かの銃弾に倒れ、咄嗟に部屋の扉を縦にした。
「あなたもあの子供の護衛ですね?」
「お前は誰だ?」
「明度の土産に言ってあげましょうか、ホワン、中国人ですよ」
バンッ!バンッ!
ホワンは拳銃を撃ちながらそう自己紹介する。
弾丸が扉に埋まっていく。
「くそッ」
バタンッ!
デッドが勢いよく扉を閉めた。

「やべえ…傷が…」
銃弾はデッドの腹に当たっていた。
「はぁ…はぁ…不味い…」
ホワンの足音が近づいてくる。
そして、ついに扉が開かれた。
ガチャ…

ドガアアアアアアアアアアンッ!
扉が開かれた瞬間、デッドはレッダーをお見舞いした。
しかし…
「…やりますね」
普通の人間なら気絶してるはずが、ホワンは壁に倒れながらもまだ動いていた。
バンッ!
「うッ!」
銃弾がデッドの頬を掠める。
咄嗟にデッドは扉の横に隠れる。
(ここしかねえッ!)
バッ!
デッドは扉の陰から廊下に飛び出し…

ガッ!!!

右腕を横に素早くスライドさせホワンの拳銃を叩き落とし…

ガギッ!

ホワンの鳩尾に拳を叩き込んだ。
「…ッ!ッ!」
ホワンは声も出ない程ダメージを喰らったが…
「…ま、まだ…」
それでもなお拳銃を取りに行こうとする。
(馬鹿な…何故気を失わない!?)
デッドはホワンの頑健さにただただ呆然としていた。
デッドは腹の痛みに耐えながらホワンの肩を掴み、強制的に自分の方に向かせた。
「お前らは何者だ」
「た、単なる…親帝派系組織ですよ…」
「じゃあ、何故お前らはそんなに頑健なんだ?」
「魔術ですよ、ただのね…ッ!」
ホワンはデッドの腹を蹴り拳銃を取りに行こうとしたが…

ズバッ!

…ドタッ
…背後からのワンダーのサンダーディスードの餌食になった。
「デッド!その傷大丈夫!?」
「あ、あぁ…でもこれはキツイ…悟を頼む…俺は外に出てていいかい…?」
「もちろんだよ、もう無理しないで、悟、いくよ」
ワンダーはそう答え、悟を連れていった。

その頃、隠しコントロールルームでは…
「…」
ミロロフはボタンを押せないでいた。
後もう少し指を下に動かせば大勢のロシア人を殺せると言うのに。
しかし、ミロロフは先ほどのロコの言葉を聞いて決意が揺らいでいた。
そして、ミロロフはロコに話しかけた。
「…おい、あんたはアスラ帝国の国民の人達をどう思っている?」
「う〜ん、帝国で精を出している立派な人達って所だな!」
「その人達の中での、反体制派や反帝国主義の人達は?」
「視界に入れたくもないッ!そんな奴らは粋がるべきじゃないな!はは!」
「…」
今のロコの姿が、ミロロフには自分に重なった。
「…よし…」
ミロロフは何かを決意した。
「あ、俺はそろそろあのアジア人の子供と再戦してくるわ!じゃあな!」
「待て、あのアジア人の子供は私が始末する、あんたの話はとても共感できた」
「え?マジ?」
「ああ、今部下にその子供を殺す様命令してくる、だからあんたは安全の為この部屋にいてくれ」
「おおそりゃ助かる!あんたは立派な有志だ!」
ロコは感激しているのを他所に、ミロロフは部屋を出ていった。
その際、ミロロフはポツリと呟いた。

「悪事の報いは善人が下すのではない、天が下すのだ」

ミロロフは廊下でワンダー、悟の二人とバッタリ会った。
「あ、あなたは!」
「あなた方に伝えるべき事がある」
ミロロフはワンダーの言葉を遮り、次の様に続けた。
「この建物の地下にある武器庫の時限爆弾が誤作動した、あなた達にはロシア人とファンタジア人関係なく外に避難させてもらいたい、引き受けてくれるかな?」
「え、も、もちろん!」
ワンダーは突然の提案に戸惑いながら受け入れた。
「良かった、私はまだやるべき事がある為この建物に残るが、じきに脱出するからご心配なく、では、頼みましたよ?」
ミロロフはそう言うと、今来た道を戻っていった。
「悟、みんなを避難させるから、外に出てて」
「うん」

ワンダーは悟を外に出すと、建物内を隈なく飛び回りこう叫び続けた。
「みんな逃げろー!この建物が爆発するぞー!」
そして次々とミロロフの部下とラーヴィラの構成員達が逃げていく。
「おい!早く逃げるぞ!」
「まだ死にたくねえ!」
「早く早く!」

「よし…みんな逃げてるな…」



しかしワンダーの叫びは、防音機能のある隠しコントロールルームには届かなかった。
その部屋に、ミロロフが帰ってきた。
「おぉ〜有志よ!あの子供は殺せたか?」
「バッチリ」
ミロロフは手でグッドを作る。
そしてパソコンである操作すると…

ポチッ

ボタンを押した。
「よぉ〜しじゃあもうここにいる理由はないな!」
「待て」
「ん?なんだ?」
ロコはミロロフに呼び止められた。
「…昔、この国には超大国があった」
「超大国?我らが帝国みたいな国の事か?」
「…その国は滅んだ、何故か?」
「何故って…敵国との戦争に負けたんじゃないのか?」
「違う…正解はだな…

周りに理想を押し付けたからだ」
「え…」
ロコは一瞬思考停止した。
「自身の理想や思想を正義と信じて、それで周りが見えなくなるのに行動する者は必ず報いを受ける…

私と貴様の様にな」
「な、なにを言って」

次の瞬間、隠しコントロールルームが白い光に包まれた。



バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!!!!



外に脱出していたワンダー達の視界に映ったのは、上空からのミサイル群で大爆発するミロロフのアジトであった。
そして内部の弾薬庫などにも爆発は連鎖している様で、爆発は一層強まった。

(…このオレンジ髪の人だな)
その時のワンダーは、ミロロフの部下が自身のポケットに何か入れたのに気づかなかった。








後日
ヘルシンキの某ホテル

『ファンタジアの親アスラ帝国派系組織ラーヴィラが北欧からロシアにかけ暴走』
こんな内容の新聞をワンダー達は読んでいた。
あの後構成員達は全員逮捕され、ミロロフの部下達も拘束されている。
ラーヴィラはどうやら、ロコの故郷であるアスラ帝国の騎士団でさえも追跡が難しすぎる程の力とネットワークを持った組織だったらしい。
道理で地球のアジア人達も味方に付けていた訳だ。
ロコは金に困っているアジア人やファンタジア人達を勧誘し、次第に裏の世界で力を持っていったらしい。
しかし、恐らくロシアは今回の事についてはあまり表には出さないだろう。

まさかの老人によるミサイルでのテロに晒されていたという事実があるから。

「「「…」」」
三人とも喋り出す気力が無い。
ようやくラーヴィラの魔の手から解放されたのだから。
「…ん?」
ワンダーはズボンのポケットに違和感を覚えた。
「ワンダー、どうした?」
「…何だこれ?」
ポケットには、小型のUSBメモリが入っていた。

ワンダーはスマホにメモリを差し込んでみた。
デッドと悟もスマホを覗き込んでいる。
差し込んでしばらくすると、映像が流れた。
暗闇である。
しかし、光の入り方からして手の中に握っているのだろう。
そして、声が聞こえてきた。
「…この声が聞けているという事は、あなた達は無事の様ですね、このメモリは私が自分の部下に頼んであなた達に託した」
ミロロフの声である。
「…単刀直入に言うと、ずっと怖かった、テロ準備を進めていた時、周りが見えなくなってた」
「自分のやる事が間違ってると言うことを認識していたのかもしれなかった、でもそんな思いを払う様に私はただ目的を達成するために走った」
「そして準備は整った、初めはフィンランド、ハプニング挟んで次はリトアニア、最後はロシアのはずだった」
「でも、そんな狂気をし続けられたのも私が馬鹿だったからかもしれない、私は別の感情を捨てていた」
「だが…いざあの男がコントロールルームに侵入して勝手に話を始めたら、その狂気はあっけなく崩れた、私はただ自己満足の壁で心を守っていただけだった」
「本当にアホらしくなる、何のための数年間だったのやら…」
「…そんなアホらしい事を続けられたのも、私が逃げたかったからかもしれない」
「…私が私を自分で勝手に苦しめているという愚かで惨めな現実から」
「そんな理由でこんな事を始めたら報いが来るのは当然だと思う、だが…」
「私は信じる事にした、たとえ何もしなくても、あらゆり悪事にはいつか必ず報いが来ると」
「それがどういう存在であっても、だ、私は今からそれを受け入れにいく」
「本当にすまない、こんな事に巻き込んで、これからは私の事は少し面白かった老いぼれとでも頭の中で思っていてほしい」
「では、あの男と朽ち果てるために、これで終わる」

映像はこれで終わった。
「…結局あの爺さんは、テロの準備は出来ても無辜の民を殺す様な事は出来ないタマだったって事か」
「…何なんだろうね、人間って」
ワンダーがそう呟くと、太陽が昇った。

世界は、回る。
そして新しい日がやってくる。
しかし、ひとまずこの旅行の物語はこれでおしまい。




























その夜、ワンダーは夢を見た。
「はははははは、ワンダー、私の力はこんな物では無い、これからもっと恐ろしい事は待っているぞ、お前の戦いは、まだまだ全然終わっていない、ふはははははは…」



ゲストキャラ解説
ミロロフ
モスクワへのミサイルテロを企てた老人。数年前からテロ準備をして、ロシアに濡れ衣を着させてその上で攻撃を計画するなど用意周到。ミサイル開発に関してはずば抜けており、高威力の物を何発も作り出している。へフルスの旧友。
ロコ
アスラ帝国親帝国派系組織ラーヴィラのトップ。夢の中での出来事を神のお告げと解釈し、悟の命を狙い続けてきたファンタジアでの一連の騒動の黒幕。自身の愛国心と金の為に人間や飛竜族、更には地球のアジア人などを構成員に加え入れ組織を巨大にしていき、裏の世界で尋常じゃない程の力を持つに至った。最早一種のカルト組織である。個人の能力は全身を発火させる能力、空中浮遊、壁抜けなど。
ホワン
ラーヴィラの幹部。他のアジア人達と研究して不死身の魔術を生み出したが、不完全だった。自身にも魔術を掛けている。
ページ選択

作者メッセージ

ヨーロッパ&ノイバ大陸旅行編、これにて完結です。

2025/06/11 23:27

イチロク
ID:≫ 14ODATaJ5tCFM
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