元贋作者の魔術解析録。
#1
贋作
ー
「ふぅ...」
カーテンを閉め切った薄暗い部屋の中。黒いレザーのソファに深く項垂れる。目の前にあるのは、乱雑に置かれた大量の絵の具と数本の筆、そして、描き上げたばかりの贋作。
腹減ったし、コンビニにでも行くか。そう思い、立ち上がった。
ー
正直な話、金に困ったことは一度もない。中学卒業の直前に両親は交通事故で死んだ。そっから、遺産と贋作を売った金で暮らしてきたが、大して、金遣いが荒いわけでも、物欲が強いわけでもない俺は、なんとなく貯蓄に回している。今では、家を何軒か買えるくらいの金はある。
なんて、そんなどうでもいいことを考えながら、ボーっと夕焼け空を見上げ、信号を待つ。
[太字][大文字]...バコンッ!
[/大文字][/太字]
突然、大きな衝撃とともに視界が揺らいだ。と、同時に激しい痛みを感じる。目線の先にあったのは、走り去る車。あぁ...これが、ひき逃げってやつか。
頭を触ってみるとドロっとした感触。手を見てみると、生々しい赤黒い血がついている。これ、多分死ぬなぁ。しかも、両親と同じ死に方。まぁ、後悔はないし、いいか。
周りからの騒がしい声が聞こえるけれど、それすらも段々と小さくなっていく。今までの記憶がフラッシュバックしていき、意識が少しずつ遠のいていった。
ー
「...ん?」
起き上がると、そこは、物一つない白い空間だった。
「世界で名を馳せた贋作者『もう一人の作者』こと、[太字][漢字]水瀬慧[/漢字][ふりがな]みなせけい[/ふりがな][/太字]くん。はじめまして」
振り返ると、そこには、人間のようなものがいた。その神々しい何かをまとっていることから、人間ではないことだけは分かった。まるで天使のように。
慧「あんた、誰?」
「君の予想通り、私は天使。死への案内人[太字]サリエル[/太字]という」
慧「...サリエルね」
聞いたことがある。神の命令の称号を持ち、人間の霊魂を見守る役目をもつ死の天使。ちゃっかり、心の声も読まれたし、まぁどっちにしろウザいことには変わりないか。
サリエル「いや、おい。色々考えて、最終結果ウザいで終わるなよ」
慧「それで、なんか用か?」
サリエル「いや、無視かよ」
サリエルは、呆れながら溜息をついた。
サリエル「お前は、まだ生きたいか?」
慧「いいや。死にたいね」
迷わずにすぐに答える。生きる理由なんて、ない。
サリエル「正直な話、俺は地獄に堕としてもいいと思ってるんだが、上の奴らが君をひどく気に入っていてね。だから、君には難易度が高めの世界に行ってもらう」
慧「何いってんだ?もっと具体的に話してくれ」
サリエル「お前には、魔法が主流となって使用されている世界に行ってもらう。勿論、魔法というからには、一歩間違えば、死のリスクがある。死んだら、即地獄行き。それなら上の奴らも文句ないからな」
簡単に言えば、漫画とかアニメで言う転生ってやつか。逆らったところで何も変わらないことをなんとなく察す。
慧「...分かった」
サルエル「了解した。契約完了」
すると、サリエルは指パッチンをした。それと同時に、俺は気を失った。
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「ふぅ...」
カーテンを閉め切った薄暗い部屋の中。黒いレザーのソファに深く項垂れる。目の前にあるのは、乱雑に置かれた大量の絵の具と数本の筆、そして、描き上げたばかりの贋作。
腹減ったし、コンビニにでも行くか。そう思い、立ち上がった。
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正直な話、金に困ったことは一度もない。中学卒業の直前に両親は交通事故で死んだ。そっから、遺産と贋作を売った金で暮らしてきたが、大して、金遣いが荒いわけでも、物欲が強いわけでもない俺は、なんとなく貯蓄に回している。今では、家を何軒か買えるくらいの金はある。
なんて、そんなどうでもいいことを考えながら、ボーっと夕焼け空を見上げ、信号を待つ。
[太字][大文字]...バコンッ!
[/大文字][/太字]
突然、大きな衝撃とともに視界が揺らいだ。と、同時に激しい痛みを感じる。目線の先にあったのは、走り去る車。あぁ...これが、ひき逃げってやつか。
頭を触ってみるとドロっとした感触。手を見てみると、生々しい赤黒い血がついている。これ、多分死ぬなぁ。しかも、両親と同じ死に方。まぁ、後悔はないし、いいか。
周りからの騒がしい声が聞こえるけれど、それすらも段々と小さくなっていく。今までの記憶がフラッシュバックしていき、意識が少しずつ遠のいていった。
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「...ん?」
起き上がると、そこは、物一つない白い空間だった。
「世界で名を馳せた贋作者『もう一人の作者』こと、[太字][漢字]水瀬慧[/漢字][ふりがな]みなせけい[/ふりがな][/太字]くん。はじめまして」
振り返ると、そこには、人間のようなものがいた。その神々しい何かをまとっていることから、人間ではないことだけは分かった。まるで天使のように。
慧「あんた、誰?」
「君の予想通り、私は天使。死への案内人[太字]サリエル[/太字]という」
慧「...サリエルね」
聞いたことがある。神の命令の称号を持ち、人間の霊魂を見守る役目をもつ死の天使。ちゃっかり、心の声も読まれたし、まぁどっちにしろウザいことには変わりないか。
サリエル「いや、おい。色々考えて、最終結果ウザいで終わるなよ」
慧「それで、なんか用か?」
サリエル「いや、無視かよ」
サリエルは、呆れながら溜息をついた。
サリエル「お前は、まだ生きたいか?」
慧「いいや。死にたいね」
迷わずにすぐに答える。生きる理由なんて、ない。
サリエル「正直な話、俺は地獄に堕としてもいいと思ってるんだが、上の奴らが君をひどく気に入っていてね。だから、君には難易度が高めの世界に行ってもらう」
慧「何いってんだ?もっと具体的に話してくれ」
サリエル「お前には、魔法が主流となって使用されている世界に行ってもらう。勿論、魔法というからには、一歩間違えば、死のリスクがある。死んだら、即地獄行き。それなら上の奴らも文句ないからな」
簡単に言えば、漫画とかアニメで言う転生ってやつか。逆らったところで何も変わらないことをなんとなく察す。
慧「...分かった」
サルエル「了解した。契約完了」
すると、サリエルは指パッチンをした。それと同時に、俺は気を失った。
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