錦の君に花を添え
「錦の君」
僕のクラスメイトの「七宮蛍」の通称。
錦のように美しい容姿から、その名がつけられた。
クラスの女子から疎まれることも無く、誰とでも仲良くなれるような少女だった。
その美貌は同学年の連中はもちろんのこと、他の学年の連中もわざわざ蛍を見に来るほどだった。
だから、外に出る時はそういった連中を押し退けて外に出なきゃいけないから面倒で仕方がない。
蛍はそういう連中に対しいつも少し面倒そうな表情を浮かべている。
流石は錦の君だ。
そんな蛍は、(自分で言うことではないが)僕に懐いて?いる。
どこへ行くにも僕の後をついてきて、まるで子ガモだ。
そんな所が、可愛らしいのだが。
ある日から、蛍は少しやつれていった。
体調があまり良くないそうだ。
僕はそんな蛍が心配だったけど、蛍本人は「大丈夫だよ、心配しないで」と我が子を安心させるかのように言うのだ。
そう言われる方が心配になってくる。
少し歩いただけでよろけて転んでしまいそうな彼女を、僕はずっと支えていた。
隣で、3年間、ずっと。
蛍の隣に居られるのは、僕だけの特権だったから。
ちょっとした独占欲かな?
蛍の体調は、ますます悪くなっていった。
授業中もよく保健室に行ったり、ほんの少し歩くだけでも倒れそうになったりしていた。
そんな蛍の姿は、僕の目にはとても美しく映った。
死に直面しながらも、生にしがみつこうとする。
その姿が、美しくてたまらないのだ。
彼女は青白い顔で、「ごめんね、迷惑かけちゃって」と、決まり文句かのように言うのだ。
僕からすれば、迷惑なんかじゃないのに。
嬉しかったのに。
蛍が、死んだ。
原因は教えてくれなかった。
ただ、病に身を蝕まれたそうだ。
通夜の日の夜、棺の中の彼女を見た。
白い顔に、死化粧を施された彼女は、一層綺麗だった。
クラスメイトは、みんな泣いていた。
順番に、彼女の上に花を添える。
菊や、彼女の好きだった花を。
僕の時には、蛍が一番好きだった紫陽花の花を棺に入れることになった。
彼女の遺体を見ると、どうしてま涙が止まらなかった。
今日も僕はクラスメイトにこう言われる。
「お前、一人称僕ってアニメの影響?厨二病?」
実際、僕は女子だけど、一人称は僕だ。
そして、蛍がいなくなってからは、僕が蛍に懐かれていたのを覚えているクラスメイトに色々と聞かれた。
そいつらの相手は面倒だったが、一つ一つ丁寧に答えた。
そして、不意に棺の中に入れた花の話になった。
皆、菊や百合だと答えた。
僕は聞かれても適当に答えた。
紫陽花の花言葉を知っていたから。
僕が蛍に対して抱いていた気持ちの答えを知っていたから。
僕のクラスメイトの「七宮蛍」の通称。
錦のように美しい容姿から、その名がつけられた。
クラスの女子から疎まれることも無く、誰とでも仲良くなれるような少女だった。
その美貌は同学年の連中はもちろんのこと、他の学年の連中もわざわざ蛍を見に来るほどだった。
だから、外に出る時はそういった連中を押し退けて外に出なきゃいけないから面倒で仕方がない。
蛍はそういう連中に対しいつも少し面倒そうな表情を浮かべている。
流石は錦の君だ。
そんな蛍は、(自分で言うことではないが)僕に懐いて?いる。
どこへ行くにも僕の後をついてきて、まるで子ガモだ。
そんな所が、可愛らしいのだが。
ある日から、蛍は少しやつれていった。
体調があまり良くないそうだ。
僕はそんな蛍が心配だったけど、蛍本人は「大丈夫だよ、心配しないで」と我が子を安心させるかのように言うのだ。
そう言われる方が心配になってくる。
少し歩いただけでよろけて転んでしまいそうな彼女を、僕はずっと支えていた。
隣で、3年間、ずっと。
蛍の隣に居られるのは、僕だけの特権だったから。
ちょっとした独占欲かな?
蛍の体調は、ますます悪くなっていった。
授業中もよく保健室に行ったり、ほんの少し歩くだけでも倒れそうになったりしていた。
そんな蛍の姿は、僕の目にはとても美しく映った。
死に直面しながらも、生にしがみつこうとする。
その姿が、美しくてたまらないのだ。
彼女は青白い顔で、「ごめんね、迷惑かけちゃって」と、決まり文句かのように言うのだ。
僕からすれば、迷惑なんかじゃないのに。
嬉しかったのに。
蛍が、死んだ。
原因は教えてくれなかった。
ただ、病に身を蝕まれたそうだ。
通夜の日の夜、棺の中の彼女を見た。
白い顔に、死化粧を施された彼女は、一層綺麗だった。
クラスメイトは、みんな泣いていた。
順番に、彼女の上に花を添える。
菊や、彼女の好きだった花を。
僕の時には、蛍が一番好きだった紫陽花の花を棺に入れることになった。
彼女の遺体を見ると、どうしてま涙が止まらなかった。
今日も僕はクラスメイトにこう言われる。
「お前、一人称僕ってアニメの影響?厨二病?」
実際、僕は女子だけど、一人称は僕だ。
そして、蛍がいなくなってからは、僕が蛍に懐かれていたのを覚えているクラスメイトに色々と聞かれた。
そいつらの相手は面倒だったが、一つ一つ丁寧に答えた。
そして、不意に棺の中に入れた花の話になった。
皆、菊や百合だと答えた。
僕は聞かれても適当に答えた。
紫陽花の花言葉を知っていたから。
僕が蛍に対して抱いていた気持ちの答えを知っていたから。
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