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とある少女の日記

#4

日記の内容───その3

七月十日
今日はお母様のお葬式だった。
本当なら私が寝ずの番をする予定だったけれど、禰々を一人で寝かせるのもかわいそうで、叔母さまに変わっていただいた。

お昼ごろ、みんなでお母様の話をしていたら、お部屋に飾っていた花瓶が割れた。
誰も手を触れていないのに。
そういえば、あそこに生けてあったのは菊の花だ。
喜久子…お母様。

[水平線]

七月十五日
お父様が大怪我を負った。
聞くところによると、道を歩いているときに転んでしまい、そのときに頭を強く打ったらしい。
頭の中に血がたまってしまっているらしく、長くはないとお医者さまが言っていた。
禰々はお父様の心配をして、またお参りに行こうとしている。
なんだか、嫌なことばかり起きる。

[水平線]

七月二十三日
お父様が亡くなった。

[水平線]

八月三日
禰々とお参りに行った。
何度も来ていたのに、どうして神様の名前を確認しなかったのかしら。
帰りに寄ったお茶屋さんで聞いたところ、あそこは縁切りで有名らしい。

「あそこの神様は恐ろしい。誰にも断ち切れない家族の縁すらも切ってしまう」
ああ、私のせいなの?
ヨスガ様。縁様と書くらしい。
まさしく、縁に関係のありそうなお名前だ。
縁を繋いではくれないの?

[水平線]

八月八日
禰々が死んだ。
ヨスガ様の神社の境内にある池に、ぷかぷかと浮いていた。
もう、何も残らない。
[ここから先は判読不能]


[水平線]

あなたは日記を閉じた。
ここまで恐ろしい日記だとは思わず、唸ってしまう。
「誰にも断ち切れない家族の縁」……。
それさえも切ってしまうヨスガ様とは、一体何者なのだろうか?

ふと、あなたは日記の最後の方に小さく折りたたまれた紙があるのに気づく。
開いてみると、たった一言。
「あなたのもとにも、ヨスガさまがいらっしゃいます。」

2026/06/14 12:10

月町 桔梗
ID:≫ 7r5tHLeuz1RfY
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