班分けが終わってナルト、サスケ、サクラ、ワタリの四人は教室に取り残されていた。しかも2時間。
説明会の教室に上忍が来て担当の班の子達を連れて行く。ヒナタやシカマルも、綺麗な女の人やゴツメの男の人に呼ばれて出ていってしまった。
つまり、他三人以外と特別深い仲ではないワタリはめちゃくちゃ気まずかった。恋の三角関係に介入して四角関係にするつもりはないので自分から話しかける訳にもいかないので、微妙な距離感のまま。分かりやすく言えば、すでに出来上がっているグループに無理やり放りこまれたアレ。
気まずさがくなったのでそっと視線を窓の外に移動させたら、柵や木々、電線に止まったカラス達を目が合った。
カラスと「カラスと目を合わせると襲われる」と言われているが、実は真っ赤な嘘である。
カラスが襲ってくるときは、必ず後から襲ってくる。目を逸らすとカラス側が攻撃するための隙が生まれてしまうから、むしろ目をしっかり合わせた方がいいと父に教わったけど、ここは窓がしまった室内。
目を逸らしたところで襲われることは無いのだが、習慣というか癖でカラスのその真っ黒な瞳から目が離せなかった。
しばらくカラスと見つめ合っていたが、サスケの貧乏揺すりピークを迎えたせいで本当に空気が悪い。
耐えられなくなったワタリは席を立った。
「ん?どうしたんだってばよ」
「先生が来るのちょっと遅すぎるし、何かあったかもしれないから職員室に聞いてくるよ」
「あ、悪いわね……私も行こうか?」
「いや、入れ違いになったら困るし、イルカ先生に聞きに行くだけだから待ってて」
ナルトとサスケが絡まなかったらまともなサクラに意外性を感じながら、ワタリは教室を出た。入れ違いになったら困るのは本当だけど本音はあの気まずい空間から脱出したかっただけだ。
「(それに、私とサクラちゃんが消えたらナルトとサスケ喧嘩しそうだし)」
そんな事を考えながら、職員室に続く廊下を歩いていたら向かいから人が歩いてきた。
銀髪、目隠し、マスク。はい、不審者三連コンボの一発アウト!!警察!!次会う時は留置所なっ!!と、ならなかったのは銀色に輝く額当てを男がしていたからである。してなかったらワタリは容赦なく大声を出してイルカ先生呼んでた。
「(見るからに怪しいけど、木ノ葉の額当て……アカデミーでは見た事ない顔だけど、もしかして担当の上忍………?)」
見つめているだけじゃ仕方ないので、話しかけることにした。
「すいません、七班の担当上忍の方でしょうか?」
「キミは……?」
ここで名乗らないと失礼だと分かっていながら、あまりの怪しさに名乗っていいものかと考えてしまう。
見知らぬ人、特に男性には本名を教えるなと言われて育ったワタリだが、これから担当になるかもしれない人に失礼を働くのは如何なものかと考えてしまい、どうしたらいいものかと取り敢えず曖昧に微笑んでおいた。
これぞ日本人の必殺技、愛想笑い。
そんなとき、イルカ先生がタイミングよく現れた。
「あれ、カカシ先生まだこちらにいらっしゃったんですか?教室で第七班の生徒達が待っていますよ」
「(イルカ先生、ナイスタイミング!!!)」
「……ん?ワタリじゃないか。わざわざ迎えに来たのか?」
「来るのが遅かったので、確認しにきたらカカシ先生と鉢合わせしらんです。カカシ先生、第七班に所属することになりました烏我 ワタリです。どうぞよろしくお願いしますね」
さっきまで怪しんでいたという雰囲気は出さずに、ワタリはニコッと笑って誤魔化した……が、カカシがボソッと「いい性格してるね」と言ったのを聞いて誤魔化したきれていないのを悟った。
「ワタリはアカデミーでも優等生でしたしよ。成績も優秀でしたし、他人とのコミュニケーションも上手かったです。それに、教師の補佐もしてくれていたんです。きっと色々フォローしてくれますよ」
善意でイルカ先生は言ってくれているのだろうが、ワタリは内心焦りまくっていた。
成績がいいのは毎日それなりに頑張っているからだけど、他人とのコミュニケーションが上手いんじゃなくて、知らない相手との無言の空間が辛いから当たり障りのない事を話してるだけだ。事実、ワタリは顔は広いが友達と呼べる人間は数人だ。
あと、イルカ先生が大袈裟に教師の補佐なんて言っているが、そんな大層なものではない。同年代とテンションが合わなくて困っていたので、先生の手伝いを口実に逃げ出していただけである。
ワタリが「大袈裟ですよ」と否定しても「謙虚だなぁ」と返された。勘違いです。
話もそこそこにカカシとワタリは第七班が待つ教室へと向かった。
[中央寄せ]⌘[/中央寄せ]
「俺さ俺さ、うずまきナルト!」
開口一番にそう始まったのがナルトの自己紹介だった。
サスケは不機嫌そうに、サスケはそんなサスケもカッコいいという表情で、ワタリは若干死んだ目で、自分の自己紹介の順番を待っていた。
ワタリはこんなハード目な三角関係が展開されてる班に配属されるとは思っていなかったので、今後の未来に絶望している。
「(………………………!いや、逆に考えろ烏我 ワタリ。第七班に配属されたってことはこのハード目の三角関係を間近で見れるってことだぞ。つまり………チャンス!!)」
「嫌いな物は、お湯を入れてからの3分間。趣味はカップラーメン食べ比べ!将来の夢は_____
[中央寄せ]火影を超す![/中央寄せ]
んでもって、里の奴等全員に俺の存在を認めさせてやるんだ!」
「(なるほど、ナルトくんは王道少年漫画の主人公っと)」
頭の片隅にメモしながら、ワタリは次に自己紹介するサクラを見た。しかし、改めて見るとサクラは本当に美人だと思う。
見事な桜色の髪に若葉みたいな柔らかい緑色。春の妖精さんのような、あどけない可愛らしさがある。
___それに比べてっと、ワタリは自分の髪の毛を摘んだ。
「(墨で塗りつぶされたみたいな黒色に金色の目……なんという、コメントに困る配色なんだよな)」
珍しいのかと聞かれたら珍しいっちゃ珍しいけど、探せば簡単に居そうな配色だ。
父とお揃いなのだが、どちらかと言えば兄の母の遺伝子をしっかり受け継いだ赤髪が良かった。こんな事を聞いたら父は無表情ながらどんよりとして、母は父と同じ色のワタリの髪が好きだと言ってくれるんだろうか?
「(まぁ、どっちも死んじゃったから確かめようもないんだけどね)」
考えても仕方ないので思考は早々に切り上げ、自己紹介をしているサクラに集中した。
「春野サクラ。好きなものはぁ……ってゆーかあ、好きは人は…えーとぉ……将来の夢もいっちゃおうかなぁ……キャー!!」
サクラの言葉が止まったので、ワタリは思わず首を傾げてそっちを見る。
そして頬を赤く染めてサスケをちらちらと見ているサクラを見て、直ぐに納得した。
やっぱり恋する女子は忍術より恋愛なんだろうなぁ。………と、恋したことがないワタリは他人事のように思った。カカシ先生は片目しか見えないが、呆れているのが分かる。
サクラからの熱い視線の先にいるサスケは相変わらずクールなままで、一ミリも視線を寄越されていないナルトは不愉快そうにふくれている。
感情が表に出やすいのは忍びとしていかがなものかと思うが、まだ子供としての側面が強いんだろう。勝手に納得して今度はサスケに視線を移動させた。
「じゃあ次」
「…名は、うちはサスケ。嫌いなものならたくさんあるが、好きなものは別に無い。それから、夢なんて言葉で終わらせる気はないが、野望はある…!一族の復興と、ある男を必ずーー……殺すことだ…」
「「「「…………」」」」
教室の空気が重たくなる。
ツンと張り詰めていて息苦しい。ナルトやサクラのキラキラした自己紹介に続けよ、カカシ先生待ってる時より辛いじゃん……社会人なら空気読めない人って言われて会社で孤立するぞ。
はぁっと、ため息をついたところで自分の自己紹介を考えていなかったことに気づいた。
「(ヤッベッ!名前と趣味と夢だったけ。趣味は家で飼ってるカラスの世話だけど、そのまま言ったら多分引かれるからペットの世話で誤魔化しとこう。次は将来の夢………なんもないな。どうしよう、火影にも誰かのお嫁さんにも、ましてや一族復興なんてしたい訳じゃない……何も無いな。どうしよう、どうしy、)」
「じゃあ最後、真っ黒な子〜」
「(ああもう夢はなしだ!!適当に誤魔化したれ!!)」
コンマ数秒の思考の結果、ヤケクソでワタリは自己紹介を始めた。
人の良さそうな笑い方を普段からやっているおかげで習得した、一瞬だけなら優等生っぽく見えるというしょうもない特技を駆使して最大限いい感じに自分を見せる。
「烏我 ワタリです。好き嫌いは特にないかな……趣味はペットの世話で、将来の夢は秘密です」
「ええ、秘密ってありなのかよ!気になるってばさ」
「あはは。人に言うのは気がひけるあんまりにも馬鹿馬鹿しい夢だからさ、言うのが恥ずかしくてね。だから秘密」
秘密もなにも最初から夢なんてねぇんですけどねェェェエエ。と、いう叫びはしまってワタリはいつも通りに微笑んだ。
説明会の教室に上忍が来て担当の班の子達を連れて行く。ヒナタやシカマルも、綺麗な女の人やゴツメの男の人に呼ばれて出ていってしまった。
つまり、他三人以外と特別深い仲ではないワタリはめちゃくちゃ気まずかった。恋の三角関係に介入して四角関係にするつもりはないので自分から話しかける訳にもいかないので、微妙な距離感のまま。分かりやすく言えば、すでに出来上がっているグループに無理やり放りこまれたアレ。
気まずさがくなったのでそっと視線を窓の外に移動させたら、柵や木々、電線に止まったカラス達を目が合った。
カラスと「カラスと目を合わせると襲われる」と言われているが、実は真っ赤な嘘である。
カラスが襲ってくるときは、必ず後から襲ってくる。目を逸らすとカラス側が攻撃するための隙が生まれてしまうから、むしろ目をしっかり合わせた方がいいと父に教わったけど、ここは窓がしまった室内。
目を逸らしたところで襲われることは無いのだが、習慣というか癖でカラスのその真っ黒な瞳から目が離せなかった。
しばらくカラスと見つめ合っていたが、サスケの貧乏揺すりピークを迎えたせいで本当に空気が悪い。
耐えられなくなったワタリは席を立った。
「ん?どうしたんだってばよ」
「先生が来るのちょっと遅すぎるし、何かあったかもしれないから職員室に聞いてくるよ」
「あ、悪いわね……私も行こうか?」
「いや、入れ違いになったら困るし、イルカ先生に聞きに行くだけだから待ってて」
ナルトとサスケが絡まなかったらまともなサクラに意外性を感じながら、ワタリは教室を出た。入れ違いになったら困るのは本当だけど本音はあの気まずい空間から脱出したかっただけだ。
「(それに、私とサクラちゃんが消えたらナルトとサスケ喧嘩しそうだし)」
そんな事を考えながら、職員室に続く廊下を歩いていたら向かいから人が歩いてきた。
銀髪、目隠し、マスク。はい、不審者三連コンボの一発アウト!!警察!!次会う時は留置所なっ!!と、ならなかったのは銀色に輝く額当てを男がしていたからである。してなかったらワタリは容赦なく大声を出してイルカ先生呼んでた。
「(見るからに怪しいけど、木ノ葉の額当て……アカデミーでは見た事ない顔だけど、もしかして担当の上忍………?)」
見つめているだけじゃ仕方ないので、話しかけることにした。
「すいません、七班の担当上忍の方でしょうか?」
「キミは……?」
ここで名乗らないと失礼だと分かっていながら、あまりの怪しさに名乗っていいものかと考えてしまう。
見知らぬ人、特に男性には本名を教えるなと言われて育ったワタリだが、これから担当になるかもしれない人に失礼を働くのは如何なものかと考えてしまい、どうしたらいいものかと取り敢えず曖昧に微笑んでおいた。
これぞ日本人の必殺技、愛想笑い。
そんなとき、イルカ先生がタイミングよく現れた。
「あれ、カカシ先生まだこちらにいらっしゃったんですか?教室で第七班の生徒達が待っていますよ」
「(イルカ先生、ナイスタイミング!!!)」
「……ん?ワタリじゃないか。わざわざ迎えに来たのか?」
「来るのが遅かったので、確認しにきたらカカシ先生と鉢合わせしらんです。カカシ先生、第七班に所属することになりました烏我 ワタリです。どうぞよろしくお願いしますね」
さっきまで怪しんでいたという雰囲気は出さずに、ワタリはニコッと笑って誤魔化した……が、カカシがボソッと「いい性格してるね」と言ったのを聞いて誤魔化したきれていないのを悟った。
「ワタリはアカデミーでも優等生でしたしよ。成績も優秀でしたし、他人とのコミュニケーションも上手かったです。それに、教師の補佐もしてくれていたんです。きっと色々フォローしてくれますよ」
善意でイルカ先生は言ってくれているのだろうが、ワタリは内心焦りまくっていた。
成績がいいのは毎日それなりに頑張っているからだけど、他人とのコミュニケーションが上手いんじゃなくて、知らない相手との無言の空間が辛いから当たり障りのない事を話してるだけだ。事実、ワタリは顔は広いが友達と呼べる人間は数人だ。
あと、イルカ先生が大袈裟に教師の補佐なんて言っているが、そんな大層なものではない。同年代とテンションが合わなくて困っていたので、先生の手伝いを口実に逃げ出していただけである。
ワタリが「大袈裟ですよ」と否定しても「謙虚だなぁ」と返された。勘違いです。
話もそこそこにカカシとワタリは第七班が待つ教室へと向かった。
[中央寄せ]⌘[/中央寄せ]
「俺さ俺さ、うずまきナルト!」
開口一番にそう始まったのがナルトの自己紹介だった。
サスケは不機嫌そうに、サスケはそんなサスケもカッコいいという表情で、ワタリは若干死んだ目で、自分の自己紹介の順番を待っていた。
ワタリはこんなハード目な三角関係が展開されてる班に配属されるとは思っていなかったので、今後の未来に絶望している。
「(………………………!いや、逆に考えろ烏我 ワタリ。第七班に配属されたってことはこのハード目の三角関係を間近で見れるってことだぞ。つまり………チャンス!!)」
「嫌いな物は、お湯を入れてからの3分間。趣味はカップラーメン食べ比べ!将来の夢は_____
[中央寄せ]火影を超す![/中央寄せ]
んでもって、里の奴等全員に俺の存在を認めさせてやるんだ!」
「(なるほど、ナルトくんは王道少年漫画の主人公っと)」
頭の片隅にメモしながら、ワタリは次に自己紹介するサクラを見た。しかし、改めて見るとサクラは本当に美人だと思う。
見事な桜色の髪に若葉みたいな柔らかい緑色。春の妖精さんのような、あどけない可愛らしさがある。
___それに比べてっと、ワタリは自分の髪の毛を摘んだ。
「(墨で塗りつぶされたみたいな黒色に金色の目……なんという、コメントに困る配色なんだよな)」
珍しいのかと聞かれたら珍しいっちゃ珍しいけど、探せば簡単に居そうな配色だ。
父とお揃いなのだが、どちらかと言えば兄の母の遺伝子をしっかり受け継いだ赤髪が良かった。こんな事を聞いたら父は無表情ながらどんよりとして、母は父と同じ色のワタリの髪が好きだと言ってくれるんだろうか?
「(まぁ、どっちも死んじゃったから確かめようもないんだけどね)」
考えても仕方ないので思考は早々に切り上げ、自己紹介をしているサクラに集中した。
「春野サクラ。好きなものはぁ……ってゆーかあ、好きは人は…えーとぉ……将来の夢もいっちゃおうかなぁ……キャー!!」
サクラの言葉が止まったので、ワタリは思わず首を傾げてそっちを見る。
そして頬を赤く染めてサスケをちらちらと見ているサクラを見て、直ぐに納得した。
やっぱり恋する女子は忍術より恋愛なんだろうなぁ。………と、恋したことがないワタリは他人事のように思った。カカシ先生は片目しか見えないが、呆れているのが分かる。
サクラからの熱い視線の先にいるサスケは相変わらずクールなままで、一ミリも視線を寄越されていないナルトは不愉快そうにふくれている。
感情が表に出やすいのは忍びとしていかがなものかと思うが、まだ子供としての側面が強いんだろう。勝手に納得して今度はサスケに視線を移動させた。
「じゃあ次」
「…名は、うちはサスケ。嫌いなものならたくさんあるが、好きなものは別に無い。それから、夢なんて言葉で終わらせる気はないが、野望はある…!一族の復興と、ある男を必ずーー……殺すことだ…」
「「「「…………」」」」
教室の空気が重たくなる。
ツンと張り詰めていて息苦しい。ナルトやサクラのキラキラした自己紹介に続けよ、カカシ先生待ってる時より辛いじゃん……社会人なら空気読めない人って言われて会社で孤立するぞ。
はぁっと、ため息をついたところで自分の自己紹介を考えていなかったことに気づいた。
「(ヤッベッ!名前と趣味と夢だったけ。趣味は家で飼ってるカラスの世話だけど、そのまま言ったら多分引かれるからペットの世話で誤魔化しとこう。次は将来の夢………なんもないな。どうしよう、火影にも誰かのお嫁さんにも、ましてや一族復興なんてしたい訳じゃない……何も無いな。どうしよう、どうしy、)」
「じゃあ最後、真っ黒な子〜」
「(ああもう夢はなしだ!!適当に誤魔化したれ!!)」
コンマ数秒の思考の結果、ヤケクソでワタリは自己紹介を始めた。
人の良さそうな笑い方を普段からやっているおかげで習得した、一瞬だけなら優等生っぽく見えるというしょうもない特技を駆使して最大限いい感じに自分を見せる。
「烏我 ワタリです。好き嫌いは特にないかな……趣味はペットの世話で、将来の夢は秘密です」
「ええ、秘密ってありなのかよ!気になるってばさ」
「あはは。人に言うのは気がひけるあんまりにも馬鹿馬鹿しい夢だからさ、言うのが恥ずかしくてね。だから秘密」
秘密もなにも最初から夢なんてねぇんですけどねェェェエエ。と、いう叫びはしまってワタリはいつも通りに微笑んだ。