中学生のとき、生まれたての赤ちゃんを初めて見た。
私の歳の離れた兄と、兄のお嫁の瑛子さん……つまり私の義姉さんの子供だった。
校門前で父のポルシェに引き摺り込まれたときは誘拐か焦ったし、同級生もめちゃくちゃ慌てたけど出産予定が早まったからと聞いたときはシートベルトをして最高速度で病院まで連れていってもらった。
そうしてバタバタしながら病院に駆けつけると、もう出産は終わっていて義姉さんも元気で赤ちゃんも元気いっぱい。
兄は出生届を出しに行って病室には居なかったけど、赤ちゃんは義姉さんの腕の中で涎を垂らしながらすよすよと眠っていた
電話越しに聞いたあの猛獣のような鳴き声が、この涎を垂らしている小さな口から発せられているとは思えない。
顔は赤ん坊というだけあって確かに赤っぽいし、お腹もメダカの稚魚みたいに膨らんでいて不恰好。
だけど、それでも可愛いと思ってしまうのは何故だろう。やっぱり赤ちゃんだから?
「凊ちゃん、抱っこしてみる?」
「………いいんですか?」
「勿論!まだ首は座ってないから、そうぉっとね。そうそう、凊ちゃん上手!」
じっと赤ちゃんを観察する私に、義姉さんは何を思ったのか私に赤ちゃんを抱かせた。
さっきに「いいんですか?」は本当にいいのか確認のつもりで聞いたけど、義姉さんは違う風に解釈したらしい。
なんというか、なんでわざわざ我が兄と出会い結婚して出産までしたのだろうかと疑問に思ってしまうほどふわふわした人だ。
言い換えれば、包容力のある人。美人さんだし、もっといい人居なかったのでは?と、兄抜きの家族会議の議題になったけど、糸師 瑛子(※義姉さんの本名)同担拒否激重感情厄介オタなイカれ兄貴が周りの男を闇討ちしたに違いないという結論に至った。
うちの家こと糸師家は尖った恋愛観を持っているヤツが多いし、大体愛し方もアピール方法も尖っている。
例として、私の父は母に自分の全財産が入った通帳を無理矢理受け取らせようとしたり、母に異性の知り合いを消したり、大量の貢物を送ったらしい。
怖くなった母は最終的に北極まで逃げたが、父の愛の力(別名:ストーキング力)で見事に捕まって結婚したという。怖っ。
お母さんは海外で一緒に居たから吊り橋効果的なやつで父を好きになったと言っているが、多分実際は恐怖による心臓の鼓動を恋の高鳴りと勘違いしたからだと思う。
そんなやべえアピール方法を取った父にいちばん似ているのは兄。
だから好きな人の外堀は全力で埋まるし、邪魔者は闇討ちして周りで頼れるのは自分だけ……という状況を作るのは当たり前田のクラッカー。いやー愛が重いのも困りもんだね、私は絶対やらないけど。
こんな可愛いらしい人がどうやって兄の嫁ぐつもりになったのかは分からないが、多分それなりに兄を愛している。
じゃないと両家挨拶で「記念に1104815いとしえいこ回結婚式やりたい」と言った兄に「毎日やっても3000年以上かかるから現実的じゃないわよ」と言って毎日2回キスすることで話を落ち着かせることなんてしない。
兄のお金目当てだったら1104815回も結婚したいとシラフで言った時点で逃げてる。
アレ、つまりそれってあの兄との結婚生活が上手く行ってる義姉さんも義姉さんでだいぶ可笑しいってことなのでは?(気づいてしまった恐ろしい事実→1d6→ダイズを転がす音→成功!)
……まぁ、二人は結ばれる為に出会ったってことで!
大分脱線してしまったが、兄と義姉さんの子を抱っこしてみると案外軽いことが分かった。3200gって言ってたか、うちのゴンザレス(※愛猫の名前)よりちょっと軽いくらいか。
他にも触ったら壊れそうとか色々あったけど、やはり兄の子だ……という感想が先に来た。
産毛の色は小豆色で義姉の血を感じさせたが、まだ開き切っておない目から覗くターコイズブルーの目が確かに兄……というか、糸師の血統だと納得してしまった。
そのことを義姉さんに正直にいえば、くすりと笑いながら赤ちゃんのふにふにのほっぺたをつっついた。
「よかったねぇ、パパに似たイケメンだって言ってくれたよ〜。将来はイケメンアイドルも夢じゃないね」
言ってない。
兄がイケメンなのは認めるが、そこまで言ってない。
私が言いたいのは、きっとこの子も愛が重い子に育つよ?大丈夫?ってことなんだけど、いかんせん私は口下手で喋るのが苦手。
口数も足りないし、義姉さんには伝わらなかったんだろうけど、以上言うのも無粋な気がしてきゅっと口を結んだ。
「かぁいいね」
それでも腕の中の甥っ子パワーで結んだ口は簡単に開いてしまった。
皺くちゃな顔、アンバランスな体、涎を垂らした口元。それでも、可愛いと思ってしまうのは_____
「……ふぅえ、」
あっぐずっちゃった。
そう思った次の瞬間に聞こえたのは猛獣の叫び声だった。
多分、義姉さんからから離れたのと私の声で起きてしまったんだろう。私の鼓膜を破らん勢いでめちゃくちゃ元気に泣いている。
末っ子なので自分より小さい子供、赤ちゃんなんて相手したことない私はあんまりにも元気に泣く甥っ子にちょっとアワアワしてしまった。
それでもこのか弱き生物を床に落とさなかったのは義姉さんがぐずった途端に赤ちゃんを取り上げて、自分の腕に抱えたからだ。子供が産まれて数時間ちょっとだというのにもう母親としての器が出来上がってらっしゃる……。
私もいつかそこまで出来るのだろうか。
いや、そもそも私には恋人が存在しないので出産以前に結婚できるかどうかも怪しいから多分無理だろう。
これ以上泣かしたら申し訳ないし、産後で人と会うのはものすごいストレスと聞いたので、お手洗いに行く名目で部屋を抜け出した。
その途端小さくなった鳴き声になんとなく寂しくなってしまた。
ちょっぴりセンチな気分で廊下のソファーに座っていたら、相変わらず下まつ毛バシバシの高身長イケメンが現れた。言わずもかな、我が兄こと糸師 凌である。
「瑛子と冴のところにいたんじゃないのか」
「泣かれたから出てきた」
「ハッ」
鼻で笑われたんだが?
なんだ?現役モデルとして活躍しながら起業した自分の会社が波にのって総資産が2000億超えたからって調子にのるんじゃねーぞ。
この前寝てたらゴンザレス(※愛猫の名前)に顔面で箱座りされたとこ見てたんだからな!義姉さんも一緒なんだぞ!
ムカついたので太平洋を跨げそうな御御足を蹴ったが、涼しい顔で避けられた。えぇ……なんだコイツ、ムカつく。
「ていうか、冴って……」
「子供の名前。さっき役所に提出したところだ。色々悩んだけど、アイツが俺と同じ冫(にすい)で揃えたいって言うから」
顔はいつも通り無表情だが満更でもありません、って感じが溢れていてそれなりにムカついた。あと、私も凊で冫(にすい)なんだが。
というか私の甥っ子の名前、冴で決まったんだ。じゃあ私の甥っ子、糸師 冴って名前になるんだ。
へぇ〜なんか兄弟仲拗らせたブラコンMFみたいな名前だね。
ん?あれ?
待った、待った。冴ってまだ生まれたてで兄弟なんていないし、ブラコンにはなり得ない。
しかもMFって何?いや、それは私も小学生までサッカーやってたし知ってる。ミッドフィールダーの略でしょ。
それは分かってるから糸師 冴って誰か教えてくれ。私の知ってるMFに男女含めてそんな名前のやつなんていないし、知ってたとしても自分と同じ糸師という苗字はよほど下手でなければ忘れるわけない。
えーなんんだ?そもそも糸師 冴の兄弟って誰?そりゃお前、天下の糸師 凛に決まってるだろ。
傲岸不遜で無愛想なブラコン。えっ、兄弟揃ってブラコンだったの?何を当たり前のことを?二人とも矢印の向きが微妙に食い違ったブラコン糸師兄弟だろ。
えっ糸師兄妹は私と兄なんですが……。ん?んん?
コレがデジャブというやつなのか。それにしては強烈過ぎるし、この頭の中で流れる謎のアニメはなんなんだ。
えっBL?恋愛リアリティーショーが舞台のBLアニメなの?はぁ?違う違う、ボーイズラブじゃなくて、ブルーロックだよ何言ってんの私。
えっ?ええ?
知ってるのに知らない。知らないのに知ってる。
この謎すぎる現在の状況に混乱し過ぎてコナンくんが「あれれ〜」と言ってる幻聴まで聞こえてきた。
「おい、聞いてんのか?」
「聞いてる聞いてる。私達は凌と凊で画数多いけど、冴はぴっぴっ、ぴぴぴのぴのぴーっぴーって感じで書けるからいいよねって話でしょ」
「聞いてないだろ」
ごめん、義姉さんの話が出てきた途端に惚気(別名:オタトーク)が始まってたのは知ってるんだけどブラコンMFの段階で意識が完全にそっち行ってたわ。
しかし、私の口からぴっぴっ、ぴぴぴのぴのぴーっぴーなんて単語が出てきたので兄は地味に困惑していた。
なのでこのままお手洗い行ってくる〜っと押し切って女子トイレに入った。
その時、入り口の手洗い場の鏡に映った自分顔を見てしまったのが決定打。暫く私は鏡を見て全く動けなかった。
そしてやっとの思いで口を動かして出した言葉は「嘘だと言ってよバーニィ」だった。
オタク全開すぎるセリフで笑える。現状は全く持って笑えないんだけどさ。
でも、ちょっとぐらい現実逃避してもいいんじゃないだろうか。
どんな聖人君子でも推しを抱いたことで前世を思いだした、なんて現状を理解してしまったら現実逃避するしかないだろう。
いや、絶対するね。私のサイドエフェクトが言ってる。
私の歳の離れた兄と、兄のお嫁の瑛子さん……つまり私の義姉さんの子供だった。
校門前で父のポルシェに引き摺り込まれたときは誘拐か焦ったし、同級生もめちゃくちゃ慌てたけど出産予定が早まったからと聞いたときはシートベルトをして最高速度で病院まで連れていってもらった。
そうしてバタバタしながら病院に駆けつけると、もう出産は終わっていて義姉さんも元気で赤ちゃんも元気いっぱい。
兄は出生届を出しに行って病室には居なかったけど、赤ちゃんは義姉さんの腕の中で涎を垂らしながらすよすよと眠っていた
電話越しに聞いたあの猛獣のような鳴き声が、この涎を垂らしている小さな口から発せられているとは思えない。
顔は赤ん坊というだけあって確かに赤っぽいし、お腹もメダカの稚魚みたいに膨らんでいて不恰好。
だけど、それでも可愛いと思ってしまうのは何故だろう。やっぱり赤ちゃんだから?
「凊ちゃん、抱っこしてみる?」
「………いいんですか?」
「勿論!まだ首は座ってないから、そうぉっとね。そうそう、凊ちゃん上手!」
じっと赤ちゃんを観察する私に、義姉さんは何を思ったのか私に赤ちゃんを抱かせた。
さっきに「いいんですか?」は本当にいいのか確認のつもりで聞いたけど、義姉さんは違う風に解釈したらしい。
なんというか、なんでわざわざ我が兄と出会い結婚して出産までしたのだろうかと疑問に思ってしまうほどふわふわした人だ。
言い換えれば、包容力のある人。美人さんだし、もっといい人居なかったのでは?と、兄抜きの家族会議の議題になったけど、糸師 瑛子(※義姉さんの本名)同担拒否激重感情厄介オタなイカれ兄貴が周りの男を闇討ちしたに違いないという結論に至った。
うちの家こと糸師家は尖った恋愛観を持っているヤツが多いし、大体愛し方もアピール方法も尖っている。
例として、私の父は母に自分の全財産が入った通帳を無理矢理受け取らせようとしたり、母に異性の知り合いを消したり、大量の貢物を送ったらしい。
怖くなった母は最終的に北極まで逃げたが、父の愛の力(別名:ストーキング力)で見事に捕まって結婚したという。怖っ。
お母さんは海外で一緒に居たから吊り橋効果的なやつで父を好きになったと言っているが、多分実際は恐怖による心臓の鼓動を恋の高鳴りと勘違いしたからだと思う。
そんなやべえアピール方法を取った父にいちばん似ているのは兄。
だから好きな人の外堀は全力で埋まるし、邪魔者は闇討ちして周りで頼れるのは自分だけ……という状況を作るのは当たり前田のクラッカー。いやー愛が重いのも困りもんだね、私は絶対やらないけど。
こんな可愛いらしい人がどうやって兄の嫁ぐつもりになったのかは分からないが、多分それなりに兄を愛している。
じゃないと両家挨拶で「記念に1104815いとしえいこ回結婚式やりたい」と言った兄に「毎日やっても3000年以上かかるから現実的じゃないわよ」と言って毎日2回キスすることで話を落ち着かせることなんてしない。
兄のお金目当てだったら1104815回も結婚したいとシラフで言った時点で逃げてる。
アレ、つまりそれってあの兄との結婚生活が上手く行ってる義姉さんも義姉さんでだいぶ可笑しいってことなのでは?(気づいてしまった恐ろしい事実→1d6→ダイズを転がす音→成功!)
……まぁ、二人は結ばれる為に出会ったってことで!
大分脱線してしまったが、兄と義姉さんの子を抱っこしてみると案外軽いことが分かった。3200gって言ってたか、うちのゴンザレス(※愛猫の名前)よりちょっと軽いくらいか。
他にも触ったら壊れそうとか色々あったけど、やはり兄の子だ……という感想が先に来た。
産毛の色は小豆色で義姉の血を感じさせたが、まだ開き切っておない目から覗くターコイズブルーの目が確かに兄……というか、糸師の血統だと納得してしまった。
そのことを義姉さんに正直にいえば、くすりと笑いながら赤ちゃんのふにふにのほっぺたをつっついた。
「よかったねぇ、パパに似たイケメンだって言ってくれたよ〜。将来はイケメンアイドルも夢じゃないね」
言ってない。
兄がイケメンなのは認めるが、そこまで言ってない。
私が言いたいのは、きっとこの子も愛が重い子に育つよ?大丈夫?ってことなんだけど、いかんせん私は口下手で喋るのが苦手。
口数も足りないし、義姉さんには伝わらなかったんだろうけど、以上言うのも無粋な気がしてきゅっと口を結んだ。
「かぁいいね」
それでも腕の中の甥っ子パワーで結んだ口は簡単に開いてしまった。
皺くちゃな顔、アンバランスな体、涎を垂らした口元。それでも、可愛いと思ってしまうのは_____
「……ふぅえ、」
あっぐずっちゃった。
そう思った次の瞬間に聞こえたのは猛獣の叫び声だった。
多分、義姉さんからから離れたのと私の声で起きてしまったんだろう。私の鼓膜を破らん勢いでめちゃくちゃ元気に泣いている。
末っ子なので自分より小さい子供、赤ちゃんなんて相手したことない私はあんまりにも元気に泣く甥っ子にちょっとアワアワしてしまった。
それでもこのか弱き生物を床に落とさなかったのは義姉さんがぐずった途端に赤ちゃんを取り上げて、自分の腕に抱えたからだ。子供が産まれて数時間ちょっとだというのにもう母親としての器が出来上がってらっしゃる……。
私もいつかそこまで出来るのだろうか。
いや、そもそも私には恋人が存在しないので出産以前に結婚できるかどうかも怪しいから多分無理だろう。
これ以上泣かしたら申し訳ないし、産後で人と会うのはものすごいストレスと聞いたので、お手洗いに行く名目で部屋を抜け出した。
その途端小さくなった鳴き声になんとなく寂しくなってしまた。
ちょっぴりセンチな気分で廊下のソファーに座っていたら、相変わらず下まつ毛バシバシの高身長イケメンが現れた。言わずもかな、我が兄こと糸師 凌である。
「瑛子と冴のところにいたんじゃないのか」
「泣かれたから出てきた」
「ハッ」
鼻で笑われたんだが?
なんだ?現役モデルとして活躍しながら起業した自分の会社が波にのって総資産が2000億超えたからって調子にのるんじゃねーぞ。
この前寝てたらゴンザレス(※愛猫の名前)に顔面で箱座りされたとこ見てたんだからな!義姉さんも一緒なんだぞ!
ムカついたので太平洋を跨げそうな御御足を蹴ったが、涼しい顔で避けられた。えぇ……なんだコイツ、ムカつく。
「ていうか、冴って……」
「子供の名前。さっき役所に提出したところだ。色々悩んだけど、アイツが俺と同じ冫(にすい)で揃えたいって言うから」
顔はいつも通り無表情だが満更でもありません、って感じが溢れていてそれなりにムカついた。あと、私も凊で冫(にすい)なんだが。
というか私の甥っ子の名前、冴で決まったんだ。じゃあ私の甥っ子、糸師 冴って名前になるんだ。
へぇ〜なんか兄弟仲拗らせたブラコンMFみたいな名前だね。
ん?あれ?
待った、待った。冴ってまだ生まれたてで兄弟なんていないし、ブラコンにはなり得ない。
しかもMFって何?いや、それは私も小学生までサッカーやってたし知ってる。ミッドフィールダーの略でしょ。
それは分かってるから糸師 冴って誰か教えてくれ。私の知ってるMFに男女含めてそんな名前のやつなんていないし、知ってたとしても自分と同じ糸師という苗字はよほど下手でなければ忘れるわけない。
えーなんんだ?そもそも糸師 冴の兄弟って誰?そりゃお前、天下の糸師 凛に決まってるだろ。
傲岸不遜で無愛想なブラコン。えっ、兄弟揃ってブラコンだったの?何を当たり前のことを?二人とも矢印の向きが微妙に食い違ったブラコン糸師兄弟だろ。
えっ糸師兄妹は私と兄なんですが……。ん?んん?
コレがデジャブというやつなのか。それにしては強烈過ぎるし、この頭の中で流れる謎のアニメはなんなんだ。
えっBL?恋愛リアリティーショーが舞台のBLアニメなの?はぁ?違う違う、ボーイズラブじゃなくて、ブルーロックだよ何言ってんの私。
えっ?ええ?
知ってるのに知らない。知らないのに知ってる。
この謎すぎる現在の状況に混乱し過ぎてコナンくんが「あれれ〜」と言ってる幻聴まで聞こえてきた。
「おい、聞いてんのか?」
「聞いてる聞いてる。私達は凌と凊で画数多いけど、冴はぴっぴっ、ぴぴぴのぴのぴーっぴーって感じで書けるからいいよねって話でしょ」
「聞いてないだろ」
ごめん、義姉さんの話が出てきた途端に惚気(別名:オタトーク)が始まってたのは知ってるんだけどブラコンMFの段階で意識が完全にそっち行ってたわ。
しかし、私の口からぴっぴっ、ぴぴぴのぴのぴーっぴーなんて単語が出てきたので兄は地味に困惑していた。
なのでこのままお手洗い行ってくる〜っと押し切って女子トイレに入った。
その時、入り口の手洗い場の鏡に映った自分顔を見てしまったのが決定打。暫く私は鏡を見て全く動けなかった。
そしてやっとの思いで口を動かして出した言葉は「嘘だと言ってよバーニィ」だった。
オタク全開すぎるセリフで笑える。現状は全く持って笑えないんだけどさ。
でも、ちょっとぐらい現実逃避してもいいんじゃないだろうか。
どんな聖人君子でも推しを抱いたことで前世を思いだした、なんて現状を理解してしまったら現実逃避するしかないだろう。
いや、絶対するね。私のサイドエフェクトが言ってる。