「えっと、ここが君のデスク。僕の隣だね」
「あ、はい」
雨宮さんにデスクの場所を教えてもらった。
「あ、あと、三澄さんと僕の歳って、1個しか違わないから、全然タメ口でいいよ。先輩って言われるほどじゃないから。でも、先輩って呼ばれたら嬉しいかな」
「はい」
結局、先輩と言ってほしいんだ。多分そうだ。でも、まぁ、先輩って呼ぶつもりだったし、良かったんじゃないかと思う。
この会社を選んだ理由。それは、イラストを描くことが出来るからだ。色んなところから、発注を受け、相手に合ったものを描く。そういう会社だ。
あとは、給料もそこそこ良かったというのも少しある。
「じゃあ、早速仕事に取り掛かろっか」
「はい」
「まずは、ある会社から注文があって…。これなんだけど」
「あ、はい」
「ポスターを描いてほしいっていう、依頼っていうか、注文?が来てて」
「分かりました」
私は早速、イラストを描いた。夢中になって描いていた。肩をトントンと叩かれ、ふと、我に返った。
「集中してやってたね」
「イラスト描くのは得意でして…」
「そっか。とりあえず、ご飯でも食べに行く?」
「あ、もうそんな時間だったんだ…。食べに行くというのは…?」
「僕、奢るよ」
「じゃ、じゃあ行きます…!」
「僕、奢るよ」の顔につられてしまった。あのときの顔は、ニヤッとした、不敵な笑みを浮かべながら言っていた。
奢ってもらえるのは、本当に助かる。今は金欠状態で、節約生活を送っていた。そんな中での”奢る”という言葉は、ありがたいお言葉なのだ。
雨宮さんが連れて行ってくれたのは、雨宮さんの行きつけだという、カレー屋さんに着いた。
店の中に入ると、アンティーク調のおしゃれな店だった。
「ここのカレー、とっても美味しいんだよ」
「あ、そうなんですね」
私と雨宮さんは、メニュー表を眺めていた。
「決まった?」
「あ、はい。決まりました」
雨宮さんは店員さんを呼んだ。私には、手を挙げて、「すみませーん!」なんて絶対に言えない。
言える人が羨ましい。恥ずかしいのだ。手をピシッと挙げて大きな声を出すことが。
「ご注文お伺いします」
「えっと、ランチのBで」
「私は、野菜たっぷりチキンカレーで」
「かしこまりました。ご注文は以上でございますか?」
「はい」
「出来上がるまで少々お待ち下さい」
ランチのBはどんなのだろうか。少し気になる。多分、AとBがあって、雨宮さんはBを選んだんだろう。
「三澄さんは、なんでこの会社に?」
「あ、イラストが描けるから、ですかね」
「へぇー。絵描くの好きなんだ」
「はい」
「僕はね、就職活動のときにね、一通り色んな会社の面接に行ったんだけど、受かったのはここだけでさ。で、まぁ、給料もそこそこ良かったし、絵も描けなくはないから、ここにしようって決めたんだ」
私は、心の中で、あー、受かんないだろうな、と思ってしまった。
雨宮さんは、なんというか、一見賢そうな雰囲気はあるけど、よく見ると、おっとりしている。
だから、色んな会社の面接に行って、ほとんどが落ちるというのは、分からなくもない。
「三澄さんは、兄弟とかいるの?」
「あ、はい。兄と姉が一人ずつ。先輩はどうなんですか?」
「僕はね、双子の兄がいたよ。ほんと優しくてさ。僕と得意なことが全く逆なんだよ。兄はスポーツが得意で、僕は勉強が得意なんだ。ほんと、いい奴だったんだよな…」
なんだろう。この違和感。今先輩が言ったことに、違和感といか引っかかりがある。
あと、なぜか先輩と話してて、楽しい。前にも1回話したことがるような、軽い感じで話せる。
簡単に言うと、話しやすい、ということだ。
まぁ、きっと、そのうち何かわかるだろう。
「あ、はい」
雨宮さんにデスクの場所を教えてもらった。
「あ、あと、三澄さんと僕の歳って、1個しか違わないから、全然タメ口でいいよ。先輩って言われるほどじゃないから。でも、先輩って呼ばれたら嬉しいかな」
「はい」
結局、先輩と言ってほしいんだ。多分そうだ。でも、まぁ、先輩って呼ぶつもりだったし、良かったんじゃないかと思う。
この会社を選んだ理由。それは、イラストを描くことが出来るからだ。色んなところから、発注を受け、相手に合ったものを描く。そういう会社だ。
あとは、給料もそこそこ良かったというのも少しある。
「じゃあ、早速仕事に取り掛かろっか」
「はい」
「まずは、ある会社から注文があって…。これなんだけど」
「あ、はい」
「ポスターを描いてほしいっていう、依頼っていうか、注文?が来てて」
「分かりました」
私は早速、イラストを描いた。夢中になって描いていた。肩をトントンと叩かれ、ふと、我に返った。
「集中してやってたね」
「イラスト描くのは得意でして…」
「そっか。とりあえず、ご飯でも食べに行く?」
「あ、もうそんな時間だったんだ…。食べに行くというのは…?」
「僕、奢るよ」
「じゃ、じゃあ行きます…!」
「僕、奢るよ」の顔につられてしまった。あのときの顔は、ニヤッとした、不敵な笑みを浮かべながら言っていた。
奢ってもらえるのは、本当に助かる。今は金欠状態で、節約生活を送っていた。そんな中での”奢る”という言葉は、ありがたいお言葉なのだ。
雨宮さんが連れて行ってくれたのは、雨宮さんの行きつけだという、カレー屋さんに着いた。
店の中に入ると、アンティーク調のおしゃれな店だった。
「ここのカレー、とっても美味しいんだよ」
「あ、そうなんですね」
私と雨宮さんは、メニュー表を眺めていた。
「決まった?」
「あ、はい。決まりました」
雨宮さんは店員さんを呼んだ。私には、手を挙げて、「すみませーん!」なんて絶対に言えない。
言える人が羨ましい。恥ずかしいのだ。手をピシッと挙げて大きな声を出すことが。
「ご注文お伺いします」
「えっと、ランチのBで」
「私は、野菜たっぷりチキンカレーで」
「かしこまりました。ご注文は以上でございますか?」
「はい」
「出来上がるまで少々お待ち下さい」
ランチのBはどんなのだろうか。少し気になる。多分、AとBがあって、雨宮さんはBを選んだんだろう。
「三澄さんは、なんでこの会社に?」
「あ、イラストが描けるから、ですかね」
「へぇー。絵描くの好きなんだ」
「はい」
「僕はね、就職活動のときにね、一通り色んな会社の面接に行ったんだけど、受かったのはここだけでさ。で、まぁ、給料もそこそこ良かったし、絵も描けなくはないから、ここにしようって決めたんだ」
私は、心の中で、あー、受かんないだろうな、と思ってしまった。
雨宮さんは、なんというか、一見賢そうな雰囲気はあるけど、よく見ると、おっとりしている。
だから、色んな会社の面接に行って、ほとんどが落ちるというのは、分からなくもない。
「三澄さんは、兄弟とかいるの?」
「あ、はい。兄と姉が一人ずつ。先輩はどうなんですか?」
「僕はね、双子の兄がいたよ。ほんと優しくてさ。僕と得意なことが全く逆なんだよ。兄はスポーツが得意で、僕は勉強が得意なんだ。ほんと、いい奴だったんだよな…」
なんだろう。この違和感。今先輩が言ったことに、違和感といか引っかかりがある。
あと、なぜか先輩と話してて、楽しい。前にも1回話したことがるような、軽い感じで話せる。
簡単に言うと、話しやすい、ということだ。
まぁ、きっと、そのうち何かわかるだろう。