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『禁忌』

[明朝体]ああ、ついに吸血鬼になった。
消えてしまいたい。この心が消える前に⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯。

◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊
吸血鬼に噛まれた。「っ...」心と身体に鋭く、鋭利なものが刺さる。
そこからじんわりと、温かい、紅い液体がどろどろと、チョコレイトのようにこぼれ落ちていく。

女の吸血鬼だ。私と同じ。
私は、恋をしていたのに、明日ごろには『魔女』として処刑されるだろう。と思いながらぼんやりと、自分の紅い液体を見る。
どんどん背中に羽が生えてくる。次第には空も飛べるようになってしまっていた。もう終わり。全てが。無かったことのように⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯。

◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊
私が恋した相手⎯⎯⎯⎯『彼女』。何故かあの吸血鬼に顔が似ていた。
考えれば考えるほどに、あの吸血鬼と『彼女』が重なる。重なってゆく⎯⎯⎯⎯⎯。

『ごめんね。』
っ⎯⎯⎯⎯!
何故か、自然に透明で宝石のような水が頬へとこぼれ落ちる。
ぽろぽろと、止まらずに流れていく。
気付いた。気付いてしまった。分かりたくなかったのに!
吸血鬼は『彼女』であり、『彼女』は吸血鬼だったんだ!
「ひっ、...。うぇぇ...。」声にもならない声が、無意識のうちに、自然に心から出ていく。
『本当に、本当にごめんね。』
許せる。許せるよ。だけど
『私、吸血鬼だった。分かってた!分かってたのに...!』
⎯⎯⎯⎯⎯知りたくなかった。

『一緒に!過ごしたい。過ごしたくて!貴方を咬んでしまった。っ、』
ごめん、ごめんと謝る彼女を見ているうち、吸血鬼になったのがじんわりと受け入れられた。

柔らかい唇。私の心の中。チョコレイトのように、甘く、緩くほどけていった⎯⎯⎯⎯⎯⎯。
「一緒に過ごそう。永遠な私たちの時を。」
私の口から出たとは思えない言葉が出てきた。
彼女は
『よろこんで』
と言って、受け入れてくれた。
◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊◊
処刑当日。私は、私たちは同時に処刑されることになった。
『この者達は、魔女になった罪で今日死刑とする!』
王族の者の声が聞こえたり、やってすらいない罪をつけられたりもした。
でも、首を落とされる前、私たちは微笑んで
「来世には共に!」
と小声で、二人にしか聞こえない声で、ザンッ という音と共に、晴れやかな気持ちで来世へ飛び立った。
この心が、消えてしまう前に。[/明朝体]

作者メッセージ

即興で何も練り込まずに書きました。ちょーっと長め?かもしれません。
捉え方によってはハピエンバットエンと分かれるかも。

2024/05/12 17:26

珈琲まり.
ID:≫ 9e/wdn0K4ormc
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