「あ。」
目の前の信号が点滅し出す。
「渡っちゃお。」
誠がそうイタズラっぽく言う。
俺は車が来ていない事を確認して横断歩道を渡り始めたその時だった。
その瞬間、音が止まった。
いや、音自体は確かに鳴っていた筈。
酷い耳鳴りの様な物がノイズになり、聞こえなかったと言った方が正しいだろう。
次の瞬間、鼓膜が破ける程の大爆音と背後からの衝撃に襲われ吹き飛ばされた。
一瞬、車に跳ねられたかと誤認してしまう程の衝撃だったが、その正体は風圧だった。
「痛っ!」
俺の体は宙を舞い、そのまま背中から地面に強く叩き付けられる。
あまりの痛みに、思わず声を上げてしまった。
何が起こったのか理解出来ず、俺はそのまま硬直してしまう。
だが、此処が横断歩道の真ん中である事に気が付き飛び起きた。
そして急いで左右を確認するが、そこで違和感に気付く。
車が一台も居ない。
車だけじゃ無い。
人も、自転車も。
元々人通りが多い所では無いが、こんな事は初めてだ。
「ん…?」
よく目を凝らすと、横断歩道の向こう側に人影が見える。
人が居た事に安堵したその時、ある違和感に気付く。
“人じゃ無い”
“それ”は一見、影は人間の様に見える。
だが、異常なのはその大きさだ。
2、3mは優に超えている様に見える“それ”はこちらを見つめている様な気がした。
不気味に思い、目を逸らそうとしたその時、“それ”と目が合ってしまった。
その瞬間“それ”は笑みを浮かべたかと思うと、猛スピードでこちらに向かって来る。
(ヤバいヤバいヤバい。)
急いで逃げようとするが、脚がすくんで動けない。
その間にも“それ”は俺との距離をグングン詰めて来る。
そして俺の目の前まで来て止まったかと思うと、手に握っていた巨大なフォークの様な物を振り上げ、俺に向かって振り下ろそうとする。
俺は死を覚悟し、目を瞑る。
だが、いつまで経っても俺に死が訪れる事は無い。
恐る恐る目を開けると、そこには“それ”は居らず、代わりに一人の男が居た。
男は変わった服装をしており、腰には刀と思われる様な物を装備している。
「ウギィィィィ。」
そう地の底から響く様な不気味な鳴き声の様な音が聞こえる。
“それ”だ。
理由はわからないが、吹き飛ばされたのか、かなり距離が出来ていた。
「キィィィィ!」
思わず耳を押さえてしまう程の高音が辺りには鳴り響く。
“それ”は怒りを露わにし武器を構え、こちらに猛スピードで接近する。
「危ない!」
俺は男の身を案じ、そう叫ぶが、男は一向に逃げる気配は無い。
男は腰の刀の鞘に手をかける。
そして、“それ”が目の前に来た瞬間、刀を抜く。
「[漢字]輪入道[/漢字][ふりがな]わにゅうどう[/ふりがな]」
男はそう言い、“それ”に刀を振り下ろすと、“それ”の体は激しく燃え始める。
「グゥゥゥゥ!」
そう苦しそうな音を出しながら、“それ”は塵となってしまったのだった。
目の前の信号が点滅し出す。
「渡っちゃお。」
誠がそうイタズラっぽく言う。
俺は車が来ていない事を確認して横断歩道を渡り始めたその時だった。
その瞬間、音が止まった。
いや、音自体は確かに鳴っていた筈。
酷い耳鳴りの様な物がノイズになり、聞こえなかったと言った方が正しいだろう。
次の瞬間、鼓膜が破ける程の大爆音と背後からの衝撃に襲われ吹き飛ばされた。
一瞬、車に跳ねられたかと誤認してしまう程の衝撃だったが、その正体は風圧だった。
「痛っ!」
俺の体は宙を舞い、そのまま背中から地面に強く叩き付けられる。
あまりの痛みに、思わず声を上げてしまった。
何が起こったのか理解出来ず、俺はそのまま硬直してしまう。
だが、此処が横断歩道の真ん中である事に気が付き飛び起きた。
そして急いで左右を確認するが、そこで違和感に気付く。
車が一台も居ない。
車だけじゃ無い。
人も、自転車も。
元々人通りが多い所では無いが、こんな事は初めてだ。
「ん…?」
よく目を凝らすと、横断歩道の向こう側に人影が見える。
人が居た事に安堵したその時、ある違和感に気付く。
“人じゃ無い”
“それ”は一見、影は人間の様に見える。
だが、異常なのはその大きさだ。
2、3mは優に超えている様に見える“それ”はこちらを見つめている様な気がした。
不気味に思い、目を逸らそうとしたその時、“それ”と目が合ってしまった。
その瞬間“それ”は笑みを浮かべたかと思うと、猛スピードでこちらに向かって来る。
(ヤバいヤバいヤバい。)
急いで逃げようとするが、脚がすくんで動けない。
その間にも“それ”は俺との距離をグングン詰めて来る。
そして俺の目の前まで来て止まったかと思うと、手に握っていた巨大なフォークの様な物を振り上げ、俺に向かって振り下ろそうとする。
俺は死を覚悟し、目を瞑る。
だが、いつまで経っても俺に死が訪れる事は無い。
恐る恐る目を開けると、そこには“それ”は居らず、代わりに一人の男が居た。
男は変わった服装をしており、腰には刀と思われる様な物を装備している。
「ウギィィィィ。」
そう地の底から響く様な不気味な鳴き声の様な音が聞こえる。
“それ”だ。
理由はわからないが、吹き飛ばされたのか、かなり距離が出来ていた。
「キィィィィ!」
思わず耳を押さえてしまう程の高音が辺りには鳴り響く。
“それ”は怒りを露わにし武器を構え、こちらに猛スピードで接近する。
「危ない!」
俺は男の身を案じ、そう叫ぶが、男は一向に逃げる気配は無い。
男は腰の刀の鞘に手をかける。
そして、“それ”が目の前に来た瞬間、刀を抜く。
「[漢字]輪入道[/漢字][ふりがな]わにゅうどう[/ふりがな]」
男はそう言い、“それ”に刀を振り下ろすと、“それ”の体は激しく燃え始める。
「グゥゥゥゥ!」
そう苦しそうな音を出しながら、“それ”は塵となってしまったのだった。