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届かない距離

#4

雨の日の決意

空は朝から灰色に染まり、昼過ぎにはぽつぽつと雨が降り始めていた。
教室の窓に打ちつける雨音が、ひよりの心を静かに揺らしていた。
放課後、傘を忘れたひよりは昇降口で立ち尽くしていた。
友達は先に帰ってしまい、校舎にはもうほとんど人がいない。
「…どうしよう。走って帰るしかないかな」
そうつぶやいた瞬間、背後から傘の音が聞こえた。
振り返ると、悠真が傘を差して立っていた。
「藤咲さん、傘忘れた?」
ひよりは驚きながらも、うなずいた。
悠真は、少し照れたように傘を差し出した。
「一緒に帰ろう。家、方向近いよね?」
ふたりは並んで歩き始めた。
雨の音だけが、静かにふたりの間を流れていく。
「…悠真くんって、優しいね」
「そんなことないよ。困ってる人がいたら、放っておけないだけ」
その言葉に、ひよりは胸がじんわりと温かくなるのを感じた。
でも同時に、聞きたいことが喉の奥に引っかかっていた。
「…あの時、文化祭の夜。好きな人がいるって言ってたよね」
悠真は、少しだけ歩みを止めた。
雨の音が、ふたりの沈黙を包み込む。
「うん。…でも、言えないって思ってた。遠い存在だから」
その言葉に、ひよりは思わず立ち止まった。
傘の下で、ふたりの視線が重なる。
「私、遠くなんかないよ」
その一言は、ひよりの決意だった。
ずっと言えなかった気持ちが、雨の中で少しだけ形になった瞬間だった。
悠真は、何かを言いかけて、そっと笑った。
「…そっか。ありがとう」
ふたりは再び歩き出す。
雨はまだ止まないけれど、心の中には、少しだけ晴れ間が見え始めていた。

作者メッセージ

今回の小説、急で意味わかんないと思うんですけど、ごめんなさい…
ほんとバタバタした中で書いたので…
次回も読んでくださいね!

2025/10/12 13:19

Karen
ID:≫ 61HXE6WKDbwGM
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