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届かない距離

#3

文化祭の夜

「藤咲さんと佐久間くん、装飾係お願いねー!」
文化祭の準備で、ひよりと悠真は偶然ペアになった。
教室の飾りつけを担当することになり、放課後にふたりで残ることが増えた。
「これ、天井に貼るやつだよね。届くかな…」
悠真が脚立に登りながら、ひよりに声をかける。
ひよりは、彼の手元を見つめながら、そっと紙を渡した。
「気をつけてね。落ちたら大変だから」
「うん、ありがとう。…藤咲さんって、優しいよね」
その言葉に、ひよりの心が少しだけ揺れた。
嬉しいのに、素直に返せない。
「人気者だから、誰にでも優しい」って思われたくなくて。
夕方になり、教室の飾りつけはほぼ完成した。
ふたりは窓際に並んで、外の景色を眺めていた。
「文化祭、楽しみだね」
悠真がぽつりとつぶやく。
ひよりは、彼の横顔を見ながら、言葉を探していた。
「…悠真くんって、さ。誰か好きな人、いる?」
その問いは、思わず口からこぼれたものだった。
悠真は少し驚いたように目を見開き、すぐに視線をそらした。
「…いるよ。でも、言えない」
その答えに、ひよりの胸が締めつけられる。
それが自分だったらいいのに。
でも、違うかもしれない。そう思うと、怖くて聞けなかった。
教室の電気が消え、ふたりは静かな闇の中に立っていた。
窓の外には、文化祭の準備で賑わう校庭の灯りがちらちらと見える。
「…そろそろ帰ろっか」
悠真の声に、ひよりはうなずいた。
でも、心の中では、まだ帰りたくなかった。
——この時間が、ずっと続けばいいのに。

作者メッセージ

毎日って言ったのに、全然投稿しなくてごめんなさい…
中間テストが近くて…
できるだけ投稿します!

2025/10/11 13:42

Karen
ID:≫ 61HXE6WKDbwGM
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