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こちらの作品はホラーになっております。
ホラーが苦手な人は、読むのを辞めることをお勧めします。

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黒板の名前

#6

もう1人の自分

夜、悠真は夢を見た。
教室の窓の外に、誰かが立っている。
それは、自分だった。けれど、表情がない。目も、口も、何も動かない。

「ぼくの名前、思い出して」

その声で目が覚めた。
心臓が早鐘のように鳴っている。
夢なのに、現実よりも鮮明だった。
翌朝、悠真は母に聞いてみた。
「ねえ、俺の名前って、どうして“悠真”になったの?」
母は少し驚いた顔をしたが、すぐに微笑んだ。
「それはね……昔、近所に住んでた子が“悠真”って名前だったの。
その子、すごく優しくて、よくあんたと遊んでくれてたのよ。
でも、ある日突然、引っ越しちゃって……それで、名前だけが残ったの」
悠真は言葉を失った。
記憶の奥に、確かに“誰か”がいた気がする。
でも、顔も声も思い出せない。ただ、名前だけが残っていた。
学校に着くと、蓮が待っていた。
「昨日の記録、もう少し調べた。
“神谷悠真”って名前、5年前に在籍してた生徒の記録が一瞬だけ残ってた。
でも、すぐに削除されてる。まるで、最初からいなかったみたいに」
「……その子が、俺の名前を“残そう”としてたのかも」
蓮はうなずいた。
「名前って、記憶とつながってる。
誰かが思い出してくれる限り、その人は“ここにいる”ことができる。
でも、誰にも思い出されなかったら……その存在は、消えてしまう」
悠真は、日記帳を開いた。
そこには、また新しい言葉が浮かび上がっていた。

“ぼくは、君の中にいる。
君がぼくを思い出してくれたら、ぼくは消えてもいい。
でも、君がぼくを忘れたら、ぼくは君になる。”

悠真は、鏡の中の“もうひとりの自分”を思い出した。
あれは、ただの怪異じゃない。
名前を失った存在が、自分の中に残ろうとしている。
「俺……この名前を、ちゃんと守りたい。
誰かの記憶としてじゃなくて、俺自身のものとして」
蓮は静かに言った。
「それができたら、きっと“名前喰い”は消える。
でも、まだ終わらない。
次は、“最後にその子と話した人”を探す必要がある」
悠真はうなずいた。
名前の意味を知った今、もう逃げることはできない。

作者メッセージ

次回予告:「名前の記憶」
悠真たちは、かつて“神谷悠真”と話した最後の人物を探す。
その記憶が、怪異の正体を明らかにする鍵となる――。

読んでいただきありがとうございます!
この小説、あんまり怖くないかも…。
申し訳ありません…。

2025/10/16 16:08

Karen
ID:≫ 61HXE6WKDbwGM
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