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こちらの作品はホラーになっております。
ホラーが苦手な人は、読むのを辞めることをお勧めします。

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黒板の名前

#4

旧校舎の鏡

七不思議クラブに入った翌日、悠真は蓮から一枚の紙を渡された。
それは、数年前にこの学校で起きた“怪異の記録”だった。
「旧校舎の鏡に、もうひとりの自分が映る。
その鏡を見た生徒は、数日後に“名前を忘れられる”」
「……それって、“名前喰い”と関係ある?」
「可能性は高い。鏡に映るのは、名前を奪おうとする存在かもしれない」
放課後、悠真・ひなた・蓮の3人は旧校舎へ向かった。
今は使われていないはずの廊下は、どこか空気が重い。
「ここ、昔は音楽室だったんだって。鏡はその前の廊下にあるらしいよ」
ひなたが言った。
蓮は静かに歩きながら、ポケットから小さなメモ帳を取り出した。
「この証言、読んでみて。ある教師が残した記録」
悠真はメモを受け取り、目を通した。

“ある日、旧校舎の鏡に、生徒が立っていた。
でも、その生徒は、もうこの学校にはいないはずだった。
名前を思い出せない。顔は覚えているのに、名前だけが思い出せない。
その日から、私の夢にその子が出てくるようになった。
夢の中で、何度も名前を呼ばれる。
でも、私は答えられない。
その子は、泣いていた。”

悠真は、胸が締めつけられるような感覚に襲われた。
“名前を忘れられた存在”が、鏡の中に残っている――。
3人は、問題の鏡の前に立った。
古びた鏡は、少し曇っていて、誰も映っていない。
「……何も映ってないね」
ひなたが言った瞬間、鏡が“きぃ……”と音を立てて揺れた。
そして、鏡の奥に、誰かが立っていた。
それは、悠真だった。
でも、鏡の中の悠真は、笑っていなかった。
無表情で、じっとこちらを見ていた。
「……これ、俺じゃない」
悠真は一歩後ずさった。
鏡の中の“もうひとりの悠真”は、口を動かした。

「ぼくの名前、思い出して」

その声は、昨日の放送室の声と同じだった。
蓮が鏡に近づき、静かに言った。
「君は、誰かの“記憶”に残っていたいんだね。
でも、誰も君の名前を呼んでくれない。
だから、他人の名前を借りて、ここにいる」
鏡の中の悠真は、少しだけ表情を変えた。
悲しそうに、目を伏せた。
その瞬間、鏡が“パリン”と音を立てて、ひび割れた。
「……逃げた?」
「いや、まだいる。でも、少しずつ近づいてる。
この怪異は、誰かに“名前を思い出してほしい”だけなんだ」
悠真は、日記帳を見つめた。
その最後のページに、また新しい言葉が書かれていた。

“鏡の中のぼくは、君の中にいる。
君がぼくを思い出してくれたら、ぼくは消える。
でも、まだ足りない。
もっと、ぼくを知って。”

作者メッセージ

次回予告:「日記の主」
悠真たちは、日記帳の持ち主を探し始める。
その手がかりは、図書室の“貸出記録”に残されていた――。

第五話!
予定的には、ちょうど半分くらいになっています!
次回もお楽しみに!

2025/10/14 19:56

Karen
ID:≫ 61HXE6WKDbwGM
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