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こちらの作品はホラーになっております。
ホラーが苦手な人は、読むのを辞めることをお勧めします。
七不思議クラブに入った翌日、悠真は蓮から一枚の紙を渡された。
それは、数年前にこの学校で起きた“怪異の記録”だった。
「旧校舎の鏡に、もうひとりの自分が映る。
その鏡を見た生徒は、数日後に“名前を忘れられる”」
「……それって、“名前喰い”と関係ある?」
「可能性は高い。鏡に映るのは、名前を奪おうとする存在かもしれない」
放課後、悠真・ひなた・蓮の3人は旧校舎へ向かった。
今は使われていないはずの廊下は、どこか空気が重い。
「ここ、昔は音楽室だったんだって。鏡はその前の廊下にあるらしいよ」
ひなたが言った。
蓮は静かに歩きながら、ポケットから小さなメモ帳を取り出した。
「この証言、読んでみて。ある教師が残した記録」
悠真はメモを受け取り、目を通した。
“ある日、旧校舎の鏡に、生徒が立っていた。
でも、その生徒は、もうこの学校にはいないはずだった。
名前を思い出せない。顔は覚えているのに、名前だけが思い出せない。
その日から、私の夢にその子が出てくるようになった。
夢の中で、何度も名前を呼ばれる。
でも、私は答えられない。
その子は、泣いていた。”
悠真は、胸が締めつけられるような感覚に襲われた。
“名前を忘れられた存在”が、鏡の中に残っている――。
3人は、問題の鏡の前に立った。
古びた鏡は、少し曇っていて、誰も映っていない。
「……何も映ってないね」
ひなたが言った瞬間、鏡が“きぃ……”と音を立てて揺れた。
そして、鏡の奥に、誰かが立っていた。
それは、悠真だった。
でも、鏡の中の悠真は、笑っていなかった。
無表情で、じっとこちらを見ていた。
「……これ、俺じゃない」
悠真は一歩後ずさった。
鏡の中の“もうひとりの悠真”は、口を動かした。
「ぼくの名前、思い出して」
その声は、昨日の放送室の声と同じだった。
蓮が鏡に近づき、静かに言った。
「君は、誰かの“記憶”に残っていたいんだね。
でも、誰も君の名前を呼んでくれない。
だから、他人の名前を借りて、ここにいる」
鏡の中の悠真は、少しだけ表情を変えた。
悲しそうに、目を伏せた。
その瞬間、鏡が“パリン”と音を立てて、ひび割れた。
「……逃げた?」
「いや、まだいる。でも、少しずつ近づいてる。
この怪異は、誰かに“名前を思い出してほしい”だけなんだ」
悠真は、日記帳を見つめた。
その最後のページに、また新しい言葉が書かれていた。
“鏡の中のぼくは、君の中にいる。
君がぼくを思い出してくれたら、ぼくは消える。
でも、まだ足りない。
もっと、ぼくを知って。”
それは、数年前にこの学校で起きた“怪異の記録”だった。
「旧校舎の鏡に、もうひとりの自分が映る。
その鏡を見た生徒は、数日後に“名前を忘れられる”」
「……それって、“名前喰い”と関係ある?」
「可能性は高い。鏡に映るのは、名前を奪おうとする存在かもしれない」
放課後、悠真・ひなた・蓮の3人は旧校舎へ向かった。
今は使われていないはずの廊下は、どこか空気が重い。
「ここ、昔は音楽室だったんだって。鏡はその前の廊下にあるらしいよ」
ひなたが言った。
蓮は静かに歩きながら、ポケットから小さなメモ帳を取り出した。
「この証言、読んでみて。ある教師が残した記録」
悠真はメモを受け取り、目を通した。
“ある日、旧校舎の鏡に、生徒が立っていた。
でも、その生徒は、もうこの学校にはいないはずだった。
名前を思い出せない。顔は覚えているのに、名前だけが思い出せない。
その日から、私の夢にその子が出てくるようになった。
夢の中で、何度も名前を呼ばれる。
でも、私は答えられない。
その子は、泣いていた。”
悠真は、胸が締めつけられるような感覚に襲われた。
“名前を忘れられた存在”が、鏡の中に残っている――。
3人は、問題の鏡の前に立った。
古びた鏡は、少し曇っていて、誰も映っていない。
「……何も映ってないね」
ひなたが言った瞬間、鏡が“きぃ……”と音を立てて揺れた。
そして、鏡の奥に、誰かが立っていた。
それは、悠真だった。
でも、鏡の中の悠真は、笑っていなかった。
無表情で、じっとこちらを見ていた。
「……これ、俺じゃない」
悠真は一歩後ずさった。
鏡の中の“もうひとりの悠真”は、口を動かした。
「ぼくの名前、思い出して」
その声は、昨日の放送室の声と同じだった。
蓮が鏡に近づき、静かに言った。
「君は、誰かの“記憶”に残っていたいんだね。
でも、誰も君の名前を呼んでくれない。
だから、他人の名前を借りて、ここにいる」
鏡の中の悠真は、少しだけ表情を変えた。
悲しそうに、目を伏せた。
その瞬間、鏡が“パリン”と音を立てて、ひび割れた。
「……逃げた?」
「いや、まだいる。でも、少しずつ近づいてる。
この怪異は、誰かに“名前を思い出してほしい”だけなんだ」
悠真は、日記帳を見つめた。
その最後のページに、また新しい言葉が書かれていた。
“鏡の中のぼくは、君の中にいる。
君がぼくを思い出してくれたら、ぼくは消える。
でも、まだ足りない。
もっと、ぼくを知って。”