結以「幸せになりましょうね、約束です」
自分でもおかしいと思う、こんな約束。
だけど、この約束のおかげでバックヤードが段々と明るくなっていったことは、加奈さんも分かっているだろう。
自分でもおかしいと思ったのに、結構重要になってるとはね。
……ということは、約束を守ってくれる。
なら、変われていないなんて思わない方が……
加奈「ごめんね、結以。私全然変われてないわ」
見透かされたように、加奈さんから言われる。
その時の私はびっくりして、バイト始めてからシッカリ声が出せたかもしれない……。
…でも、変われてないことはない。
本人が言うなら………って解釈してしまう頭が嫌になって、必死にさっきみたいな声色に戻す。
結以「まぁ…………変われてるんじゃないんですか?」
数秒黙って、捻り出した答えがこれ。
結以「似てたんで。」
ただそれだけだった。
[水平線]
結以「あー……早く変われっつーのは私の方なんだけどな、なんで人のこと心配してんだ」
独り言を呟き、それを掻き消すように炭酸飲料が入ったペットボトルを開ける。
シュッと音が私を癒してくれる。
と、音に浸っている時、背後に気配を感じた。
「またそれっすか。随分気に入ってくれたんすね」
少し緊張していたが、この声は椚か。
結以「加奈さんのおすすめ、プレゼンは某会社くらいに怪しいんだけど大体良い商品なんだよね。何故か知らんけど」
「ふーん……ま、洗脳じゃないことを祈っときます」
そう言いつつ、ペットボトルホルダーから加奈さんおすすめのSMASH(炭酸飲料)を取り出す。
言ってることに反しているそいつは椚という名前。
椚「恋愛諦め勢多すぎないすかねぇ、新入りの遥香さん、頑張ってほしいんすけど」
椚も言える立場じゃないだろ、と心の中で突っ込む。
その言葉は喉まで来ていたが、私もそうかと思い言葉を飲み込んだ。
椚「……俺も言える立場じゃないんすけど。…遥香さん、隈とか結構あったから前ブラックっぽいなーとは思うんですよ。仕事やりすぎで諦めたとかありそうなんすけど、ここに来る人たち大体そういう理由じゃないからなあー」
お前も含めて言ってるから自虐だぞと少し笑みが溢れた。
結以「恋愛はいつでもどこでもできるからさー。それ相応の理由があったってことでしょ」
椚「それもそうなんすけどねー。」
そんな、私たちが話したって無駄な世間話や考察やら話していると、あっという間にバイトの時間になる。
退屈な学校生活も、こんくらい早ければいいのに。
じゃあバイト行ってくるーとバックヤードに声をかける。
その時、椚が思い出したかのように私に言った。
椚「…約束、もっかいやったらどうですか。」
私は若干歩く足を止めたが、振り返らず何も答えずに出ていく。
…………まぁ、様子見てりゃ分かんだろ、あいつなら。
……………………覚えてる。しっかり覚えてる。
加奈さんとした、あの約束。
「幸せになりましょう、自分のこと優先で!」
「……ありがとう」
嬉しそうな声。
心の底から想っているようで、私も嬉しかった。
[小文字][小文字]結以「大丈夫…加奈さんは変われた…………約束なんてしなくても大丈夫…。………………あとは、私だけ……。…だって、」
加奈「大丈夫………。結以は変わってる。遥香に、少しでも希望を…。…だって、」
「「嘘ついたら、針千本、飲ます……」」[/小文字] [/小文字]
その声が少しだけ重なる。
……もしかすると、その針千本として偽ってきた約束こそが、心に穴を開けているのではないのか。
なんて、真意に気付ける訳もなく。
夜、月が上る。
朝、太陽が目を覚ます。
その繰り返しで、遥香と過ごすうちに、約束は守られたのかもしれない。
自分でもおかしいと思う、こんな約束。
だけど、この約束のおかげでバックヤードが段々と明るくなっていったことは、加奈さんも分かっているだろう。
自分でもおかしいと思ったのに、結構重要になってるとはね。
……ということは、約束を守ってくれる。
なら、変われていないなんて思わない方が……
加奈「ごめんね、結以。私全然変われてないわ」
見透かされたように、加奈さんから言われる。
その時の私はびっくりして、バイト始めてからシッカリ声が出せたかもしれない……。
…でも、変われてないことはない。
本人が言うなら………って解釈してしまう頭が嫌になって、必死にさっきみたいな声色に戻す。
結以「まぁ…………変われてるんじゃないんですか?」
数秒黙って、捻り出した答えがこれ。
結以「似てたんで。」
ただそれだけだった。
[水平線]
結以「あー……早く変われっつーのは私の方なんだけどな、なんで人のこと心配してんだ」
独り言を呟き、それを掻き消すように炭酸飲料が入ったペットボトルを開ける。
シュッと音が私を癒してくれる。
と、音に浸っている時、背後に気配を感じた。
「またそれっすか。随分気に入ってくれたんすね」
少し緊張していたが、この声は椚か。
結以「加奈さんのおすすめ、プレゼンは某会社くらいに怪しいんだけど大体良い商品なんだよね。何故か知らんけど」
「ふーん……ま、洗脳じゃないことを祈っときます」
そう言いつつ、ペットボトルホルダーから加奈さんおすすめのSMASH(炭酸飲料)を取り出す。
言ってることに反しているそいつは椚という名前。
椚「恋愛諦め勢多すぎないすかねぇ、新入りの遥香さん、頑張ってほしいんすけど」
椚も言える立場じゃないだろ、と心の中で突っ込む。
その言葉は喉まで来ていたが、私もそうかと思い言葉を飲み込んだ。
椚「……俺も言える立場じゃないんすけど。…遥香さん、隈とか結構あったから前ブラックっぽいなーとは思うんですよ。仕事やりすぎで諦めたとかありそうなんすけど、ここに来る人たち大体そういう理由じゃないからなあー」
お前も含めて言ってるから自虐だぞと少し笑みが溢れた。
結以「恋愛はいつでもどこでもできるからさー。それ相応の理由があったってことでしょ」
椚「それもそうなんすけどねー。」
そんな、私たちが話したって無駄な世間話や考察やら話していると、あっという間にバイトの時間になる。
退屈な学校生活も、こんくらい早ければいいのに。
じゃあバイト行ってくるーとバックヤードに声をかける。
その時、椚が思い出したかのように私に言った。
椚「…約束、もっかいやったらどうですか。」
私は若干歩く足を止めたが、振り返らず何も答えずに出ていく。
…………まぁ、様子見てりゃ分かんだろ、あいつなら。
……………………覚えてる。しっかり覚えてる。
加奈さんとした、あの約束。
「幸せになりましょう、自分のこと優先で!」
「……ありがとう」
嬉しそうな声。
心の底から想っているようで、私も嬉しかった。
[小文字][小文字]結以「大丈夫…加奈さんは変われた…………約束なんてしなくても大丈夫…。………………あとは、私だけ……。…だって、」
加奈「大丈夫………。結以は変わってる。遥香に、少しでも希望を…。…だって、」
「「嘘ついたら、針千本、飲ます……」」[/小文字] [/小文字]
その声が少しだけ重なる。
……もしかすると、その針千本として偽ってきた約束こそが、心に穴を開けているのではないのか。
なんて、真意に気付ける訳もなく。
夜、月が上る。
朝、太陽が目を覚ます。
その繰り返しで、遥香と過ごすうちに、約束は守られたのかもしれない。