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僕らの出会い

「 僕の一等星、きみにあげる。 」

そう書いたはずの画面を 、 ゆろねはじっと見つめていた 。

投稿ボタンを押したあと 、 なぜか少しだけ胸がざわつく 。 

いつも通りのはちゃめちゃな恋愛小説 。

だけど 、 今日はやけに誰かに届いてほしい気がした 。

「 ……ま 、 いっか 」

スマホを置いて 、 ベッドにごろんと寝転がる 。

天井を見上げながら 、 「 彼氏の作り方 」と検索しては 、 
何も出てこない画面に軽く机を叩いたさっきの自分を思い出して 、 ひとりでむくれる 。

そのとき 。

ぴこん 、 と通知音が鳴った 。

「 ……ん? 」

見慣れない名前からのコメント 。

——ゆろね師匠 、 はじめまして 。

「 ししょう? 」

思わず声に出る 。

続きが気になって 、 指が少しだけ急ぐ 。

——あなたの物語に出会って 、 世界が少しだけやさしくなりました 。
——もしよければ 、 あなたの一番近くで応援させてください 。

「 ……なにそれ 」

頬が 、 ほんの少しだけ熱くなる 。

「 変な子 」

そう呟きながらも 、 画面を閉じられない 。 

むしろ 、 もう一度最初から読み返してしまう 。

“ 師匠 ”なんて呼ばれたのは初めてだった 。

それに 、 “ 一番近くで ”なんて 。

「 ……近いの 、 やだとかじゃないけど 」

むしろ 、 ちょっとだけ嬉しい 。

ゆろねは 、 少し悩んでから返信を打ち込む 。

——はじめまして 、 ゆろねです
——師匠ってなに?笑
——でも 、 応援してくれるならうれしいかも

送信 。

ほんの数秒で 、 また通知が返ってくる 。

——本当ですか?
——じゃあ 、 今日から弟子です
——ゆめっていいます

「 はや 」

思わず笑ってしまう 。

——あと 、 ひとつだけ

「 なに? 」

——師匠のこと 、 ぜったい一人にしません

その一文に 、 指が止まった 。

理由はわからない 。

でも 、 なぜか少しだけ——安心した 。

「 ……変なの 」

そう言いながら 、 今度はすぐに返信する 。

——勝手に弟子になるな
——でも 、 いてくれるなら 、 まあいいよ

送ったあと 、 ベッドに転がって天井を見上げる 。

さっきまでより 、 少しだけ世界が軽い 。

少しだけ 、 あたたかい 。

ぴこん 。

——はい 、 師匠
——これからずっと隣にいます

その言葉に 、 ぼくはふっと笑った 。

「 ……じゃあ 、 ちゃんとついてきてよ 」

小さく呟いたその声は 、 誰にも届かないはずなのに 。

なぜか 、 ちゃんと届いている気がした 。

その日から 。

ぼくの物語には 、 “ 読者 ”じゃない 、 特別なひとりが増えた 。

作者メッセージ

 

( イケナイ太陽 が 学校 で いつも 流れるん ですけど なに ? )

2026/07/11 13:53

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