アジトの地下フロア
いつもより静かな空気が流れている
海「今日から新人訓練だな」
灯「かなちゃん、今ならまだ引き返せるよ?」
かな「...やります!」
声は少し震えている。でも、目は逸らさない
凛は、壁際に立ってその様子を見ている
クロ「まずは基礎だ。走る、隠れる、見る。戦う前に“生き残る”ことを覚えろ」
かな「...はい!」
◆第一訓練:影を踏むな
薄暗い倉庫風の部屋
上からライトが揺れ、床には無数の“影”
海「動くライトの影を踏んだらアウト感知センサーが反応する」
かな「え、ちょっと待っ——」
ピピッ
赤ランプ点灯
灯「はい失格〜!」
かな「早すぎるでしょ!?」
凛の口元が、少しだけ緩む
凛「...影を見るんじゃなくて、“光の動き”を見る」
かな「...光?」
もう一度、スタート
ライトが揺れる
影が伸びる。縮む
かなは、床じゃなく天井を見る
...今
一歩
二歩
三歩
ピピッ——鳴らない。
海「お、やるじゃん」
かなは息を切らしながらゴールに飛び込んだ
かな「はぁ、はぁ...」
凛がタオルを差し出す
凛「...最初より、うまい」
かな「凛のアドバイスだからね」
ほんの少しだけ、凛の耳が赤くなる
◆第二訓練:冷静でいられるか
烈が無言でかなの前に立つ
烈「驚かせる。避けろ」
かな「え」
次の瞬間、床から煙
背後から物音
かな「っ!」
振り向く——フェイント
前からボールが飛ぶ
かなは、とっさにしゃがむ
ボールは壁に当たって落ちる
烈「...反応は悪くない」
かな「心臓止まるかと思った...」
クロがモニター越しに言う
クロ「恐怖は消えない。だが、動けるなら使える」
かなは深呼吸する
かな「...怖いです。でも」
凛を見る
かな「凛が毎回これやってるなら、私もできるようになりたい」
凛の胸が、ぎゅっと締まる
訓練後
アジトのソファ
かなはぐったりしている
かな「足が...生まれたての子鹿...」
海「初日にしては上出来」
灯「センスあるよ、ほんとに」
クロ「...補助要員向きだな」
凛「補助?」
クロ「視野が広い。観察力がある。前線より、“支える側”が強くなる」
かなはゆっくり起き上がる
かな「...凛を、支えられる?」
クロ「努力次第だ」
かなは、にやっと笑った
かな「なら、やるしかないでしょ」
凛は小さく笑う
凛「...無理はしないで」
かな「一緒に帰るんでしょ?」
凛「...うん」
二人の視線が交わる
影の世界に、新しい一歩が刻まれた
——でも、これはまだ“始まりの訓練”
続く...
いつもより静かな空気が流れている
海「今日から新人訓練だな」
灯「かなちゃん、今ならまだ引き返せるよ?」
かな「...やります!」
声は少し震えている。でも、目は逸らさない
凛は、壁際に立ってその様子を見ている
クロ「まずは基礎だ。走る、隠れる、見る。戦う前に“生き残る”ことを覚えろ」
かな「...はい!」
◆第一訓練:影を踏むな
薄暗い倉庫風の部屋
上からライトが揺れ、床には無数の“影”
海「動くライトの影を踏んだらアウト感知センサーが反応する」
かな「え、ちょっと待っ——」
ピピッ
赤ランプ点灯
灯「はい失格〜!」
かな「早すぎるでしょ!?」
凛の口元が、少しだけ緩む
凛「...影を見るんじゃなくて、“光の動き”を見る」
かな「...光?」
もう一度、スタート
ライトが揺れる
影が伸びる。縮む
かなは、床じゃなく天井を見る
...今
一歩
二歩
三歩
ピピッ——鳴らない。
海「お、やるじゃん」
かなは息を切らしながらゴールに飛び込んだ
かな「はぁ、はぁ...」
凛がタオルを差し出す
凛「...最初より、うまい」
かな「凛のアドバイスだからね」
ほんの少しだけ、凛の耳が赤くなる
◆第二訓練:冷静でいられるか
烈が無言でかなの前に立つ
烈「驚かせる。避けろ」
かな「え」
次の瞬間、床から煙
背後から物音
かな「っ!」
振り向く——フェイント
前からボールが飛ぶ
かなは、とっさにしゃがむ
ボールは壁に当たって落ちる
烈「...反応は悪くない」
かな「心臓止まるかと思った...」
クロがモニター越しに言う
クロ「恐怖は消えない。だが、動けるなら使える」
かなは深呼吸する
かな「...怖いです。でも」
凛を見る
かな「凛が毎回これやってるなら、私もできるようになりたい」
凛の胸が、ぎゅっと締まる
訓練後
アジトのソファ
かなはぐったりしている
かな「足が...生まれたての子鹿...」
海「初日にしては上出来」
灯「センスあるよ、ほんとに」
クロ「...補助要員向きだな」
凛「補助?」
クロ「視野が広い。観察力がある。前線より、“支える側”が強くなる」
かなはゆっくり起き上がる
かな「...凛を、支えられる?」
クロ「努力次第だ」
かなは、にやっと笑った
かな「なら、やるしかないでしょ」
凛は小さく笑う
凛「...無理はしないで」
かな「一緒に帰るんでしょ?」
凛「...うん」
二人の視線が交わる
影の世界に、新しい一歩が刻まれた
——でも、これはまだ“始まりの訓練”
続く...
- 1.お仕事は明日から
- 2.私のアジト
- 3.私の専用武器
- 4.最初のお仕事
- 5.私の夜
- 6.私の学校-ホームルーム編-
- 7.私の学校-2-
- 8.アジトへのご挨拶前
- 9.お部屋の紹介
- 10.この場所、嫌いじゃないかも
- 11.夕焼け色の帰り道
- 12.夕焼けの向こうに、まだ帰れない
- 13.静かな朝に帰りたい場所
- 14.放課後までの、長い朝
- 15.凛の放課後
- 16.帰る場所がある暗殺者
- 17.影に溶ける心臓
- 18.夜の向こう側へ
- 19.影がほどける夜
- 20.普通って、こんなににぎやか
- 21.普通のフリをした夜へ
- 22.影が戻る場所
- 23.静かな灯りの中で
- 24.ただいまの、その先で
- 25.気づいてしまった違和感
- 26.近づく距離、隠せない影
- 27.影の輪郭
- 28.知らないフリのはじまり
- 29.踏み込んだ境界線
- 30.監視の先に
- 31.呼び出し
- 32.真実を渡す夜
- 33.夜のすべて
- 34.影が重なる夜
- 35.影の扉が、もう1人を迎える夜
- 36.震える手と踏み出す一歩
- 37.ずるい先輩・負けず嫌いの後輩
- 38.見えない一歩先