ピザの箱がテーブルに並び、缶の炭酸が開く音が部屋に弾ける。
さっきまでの張り詰めた空気が、少しずつ溶けていく。
海「かんぱーい!凛の初任務成功に!」
灯「おめでとう、凛ちゃん!」
烈「...無事に帰ったことに、だな」
凛は少し戸惑いながら、缶を持ち上げる。
凛「...かんぱい」
小さく音を立てて、みんなの缶が触れ合う。
炭酸の刺激が喉を通り、胸の奥まで冷たく染みた。
海「いやー、あの屋上ジャンプは伝説級だって!」
凛「...落ちるかと思いました」
灯「でも、ちゃんと着地してたよ。すごかった!」
烈「...度胸はある」
凛は視線を落とす。
褒められるたびに、少しだけ胸がむず痒い。
凛「でも、失敗してたら...」
烈「...失敗してない」
灯「今は“できた”ことだけ見よ?」
海「そうそう、未来の凛はもっと強くなるんだから!」
凛は、ゆっくりと息を吐いた。
凛「...はい」
そのとき、スマホがポケットの中で震える。
画面には、[太字]かな[/太字]の名前。
《今日、帰り遅い?一緒に帰れなくてごめんね》
凛は一瞬、止まる。
アジトの光と、画面の白い文字が重なる。
凛「...友達からです」
灯「そっか。大事な人だね!」
凛「...はい」
クロはキーボードを打ちながら、短く言う。
クロ「...切り替えは大事だ。表の顔も、忘れるな」
凛は、静かに頷く。
凛「...ここに来る前の私と、今の私……どっちも、私ですよね」
烈「...あぁ」
海「二刀流ヒロインってやつ?」
灯「かっこいいじゃん!」
凛は、少しだけ笑った。
凛「...明日は、学校です」
海「おー、日常パート突入!」
灯「無理しないでね」
烈「...何かあったら、戻れ」
クロ「...通信は常時開けとく」
凛はドアの前で立ち止まり、振り返る。
凛「...また、帰ってきます」
アジトの扉が、静かに閉まる。
でも今度は、もう“怖い音”には聞こえなかった。
影を抱えたまま、
それでも凛は——前へ進く。
続く...
さっきまでの張り詰めた空気が、少しずつ溶けていく。
海「かんぱーい!凛の初任務成功に!」
灯「おめでとう、凛ちゃん!」
烈「...無事に帰ったことに、だな」
凛は少し戸惑いながら、缶を持ち上げる。
凛「...かんぱい」
小さく音を立てて、みんなの缶が触れ合う。
炭酸の刺激が喉を通り、胸の奥まで冷たく染みた。
海「いやー、あの屋上ジャンプは伝説級だって!」
凛「...落ちるかと思いました」
灯「でも、ちゃんと着地してたよ。すごかった!」
烈「...度胸はある」
凛は視線を落とす。
褒められるたびに、少しだけ胸がむず痒い。
凛「でも、失敗してたら...」
烈「...失敗してない」
灯「今は“できた”ことだけ見よ?」
海「そうそう、未来の凛はもっと強くなるんだから!」
凛は、ゆっくりと息を吐いた。
凛「...はい」
そのとき、スマホがポケットの中で震える。
画面には、[太字]かな[/太字]の名前。
《今日、帰り遅い?一緒に帰れなくてごめんね》
凛は一瞬、止まる。
アジトの光と、画面の白い文字が重なる。
凛「...友達からです」
灯「そっか。大事な人だね!」
凛「...はい」
クロはキーボードを打ちながら、短く言う。
クロ「...切り替えは大事だ。表の顔も、忘れるな」
凛は、静かに頷く。
凛「...ここに来る前の私と、今の私……どっちも、私ですよね」
烈「...あぁ」
海「二刀流ヒロインってやつ?」
灯「かっこいいじゃん!」
凛は、少しだけ笑った。
凛「...明日は、学校です」
海「おー、日常パート突入!」
灯「無理しないでね」
烈「...何かあったら、戻れ」
クロ「...通信は常時開けとく」
凛はドアの前で立ち止まり、振り返る。
凛「...また、帰ってきます」
アジトの扉が、静かに閉まる。
でも今度は、もう“怖い音”には聞こえなかった。
影を抱えたまま、
それでも凛は——前へ進く。
続く...
- 1.お仕事は明日から
- 2.私のアジト
- 3.私の専用武器
- 4.最初のお仕事
- 5.私の夜
- 6.私の学校-ホームルーム編-
- 7.私の学校-2-
- 8.アジトへのご挨拶前
- 9.お部屋の紹介
- 10.この場所、嫌いじゃないかも
- 11.夕焼け色の帰り道
- 12.夕焼けの向こうに、まだ帰れない
- 13.静かな朝に帰りたい場所
- 14.放課後までの、長い朝
- 15.凛の放課後
- 16.帰る場所がある暗殺者
- 17.影に溶ける心臓
- 18.夜の向こう側へ
- 19.影がほどける夜
- 20.普通って、こんなににぎやか
- 21.普通のフリをした夜へ
- 22.影が戻る場所
- 23.静かな灯りの中で
- 24.ただいまの、その先で
- 25.気づいてしまった違和感
- 26.近づく距離、隠せない影
- 27.影の輪郭
- 28.知らないフリのはじまり
- 29.踏み込んだ境界線
- 30.監視の先に
- 31.呼び出し
- 32.真実を渡す夜
- 33.夜のすべて
- 34.影が重なる夜
- 35.影の扉が、もう1人を迎える夜
- 36.震える手と踏み出す一歩
- 37.ずるい先輩・負けず嫌いの後輩
- 38.見えない一歩先