俺は その 美少年に 抱き上げられたまま 市場を 出た 。
外は やけに 明るくて 、 市場からは テントに 覆われて 見えなかった 青空が 綺麗に 見えた 。
桃
「 お待たせ 」
市場の 外には 黒い 綺麗な 車が 止まっていて 、 その人は ドアを 開けて 乗り込んだ 。
… そろそろ 、 降ろしてくれないかな 。
人に 抱き上げられることなんて 無かったから 違和感が 半端ない 。
なんて 思っていると 、 俺の 思考は 助手席に 座っていた 青い髪の 少年に 遮られた 。
蒼
「 桃くん 遅いんだけど ー ! 」
「 って 、 誰 、 その子 ? 」
元気そうに 言う その子 。
話しかけられているのは 、 さっきの 美少年 だった 。
… どうやら 、 桃って いうらしい 。
桃
「 なんか いたから 」
「 てか 蒼 、 別に そんなに 待ってないだろ 」
蒼
「 十分も 待ちました ー ! 」
「 桃くん 十分も 僕のこと 待ってくれないでしょ ! 」
桃
「 … 魔王戦の 前日 、 お前が 装備一式 直してる間 、 俺が 一人で 一日 魔王城の 前で 待ってた こと 忘れた ? 」
蒼
「 スミマセンデシタ 」
桃
「 分かったら よろしい 」
… 二人が 早口で 話すせいで 何を 言っているのか 俺には よく 聞き取れなかった 。
でも 、 桃 、 って 人は 話しながら 俺を 車の 椅子に 座らせてくれた 。
桃
「 で 、 お前 」
「 名前は ? 」
桃が 前を 見たまま 言った 。
だから 、 俺は 自分に 話しかけられていると 分からなかった 。
蒼
「 そうだ そうだ 、 子供が いたんだった ! 」
「 桃くんと 口論 してる 暇 無いんだった ! 」
桃
「 おい 蒼 ? 」
蒼
「 桃くん さっきから 圧が 怖いって ! 」
「 ほら そこの 男の子にも 怖がってるよ ! 」
「 ねえ 、 この おにーさん 怖いよね !? 」
蒼 、 と 呼ばれていた 人が 俺を 見て 言う 。
俺は 小さく 首を 振った 。
この人より 怖い人なんて 、 もっと たくさん 見てきた 。
桃
「 … 怖がらせてたら 悪いけど … 」
「 あの 、 お前 、 名前は ? 」
どうやら 、 さっき のは 俺に 話しかけてた らしい … 。
赫
「 … 0524 です 」
蒼
「 へっ ? 」
桃
「 … は ? 」
赫
「 … 0 、 5 、 2 、 4 です 」
「 呼びにくいのでしたら 、 好きなように 呼んでいただいて 構いません 」
すると 二人は 黙ってしまった 。
… え 。
敬語 、 間違えた ?
と 思っていると 。
桃
「 じゃ 、 お言葉に 甘えて 好きな ように 呼ばせて もらうわ 」
「 赫 。 お前の 名前は 赫 」
赫
「 赫 、 」
その 名前を 呟いてみる 。
何だか 、 異世界に 迷い込んだ 気分だった 。