男
「 おい 、 こっちだ 」
「 0524 番 」
「 早く 歩け 」
冷たい 床の 上に 座り込んでいた 俺の 真上から 声が 降りかかってくる 。
俺が 立つと 、 犬耳も 小さく 揺れた 。
… 犬耳 。
俺が 差別される決定的 理由 。
この 世界で 獣人は 一番 地位が 低い 。
理由 ?
そんなもの わからない 。
でも 、 それが ルール だった 。
最高 地位 は 魔王 さま を 倒した という 剣士さま らしい 。
… 興味ないけど 。
どうせ 関わらないし 。
男
「 … 相変わらず 不吉な 耳だ 」
赫
「 … ごめんなさい 」
スーツを 着た 人の その 言葉に つい 謝罪 すると 。
男
「 喋るな ‼︎ 」
赫
「 … ッ 」
俺は 唇を 噛む 。
また 、 間違えちゃった … 。
今日は 災難な 日だ 。
… そういえば 今日は 何の日だっけ 。
灰色の 壁で 明かりも ない 部屋 。
その 部屋に かかった カレンダーに 書かれていた 日付は 六月四日 。
そうか 。
今日は 二ヶ月に 一度の 売り買い 市場 の 日だ 。
商品は …… 。
男
「 お兄さん いらっしゃい ! 」
「 生きの いい 子供だよ ! 」
「 犬耳も あるから 聴力も 抜群 」
… そう 、 俺だ 。
俺は 大人しく その お客さんに ぺこりと 頭を 下げる 。
お客さんは 俺に 青く 光る 鋭い目を 向けた 。
目付きは 鋭かったけど 、 凄く 顔立ちの いい人だった 。
桃
「 これで いいか 」
すると 。
市場に 現れた その 美少年は 俺を 抱き上げて 、 札束を 辺りに 放った 。
男
「 … ‼︎ 」
「 は 、 はい ! 」
「 あ 、 売買 手続きを … 」
男が そう言って 抱き上げられたままの 俺に 手を 伸ばすと 、 その 美少年が 手を 振り解いた 。
桃
「 触るな 」
「 もう 、 買った 」
男
「 は 、 はい ぃ … 」
… 終わったかも しれない 。
俺は その 美少年に 見えないように 溜め息を ついた 。
人使いの 荒そうな 人だったからだ 。
でも 、 俺は そのあとすぐ 、 それが 思い込みだった ことを 知った 。