初めての初恋
みんなの学校にもあるよね、謎のしきたり。
私の学校にもいっぱいある。めんどうだし、正直鬱陶しい。
でもね、そんな中で一つだけ、ありがたいルールがある。
「はあーあ、早く帰らせろよなー」
「俺らもう小6なのにさー」
そう、うちの学校は、全クラスが廊下に並び終わるまでは帰れない。どこか1クラスの帰りのホームルームが長引いただけで、全員がとばっちりを受ける羽目になる。
でも私は、その時間が嫌いじゃない。
だって、、、
「ねーねー優香ー!なにぼーっとしてんの?」
「ぼーっとしてないもん考え事してただけー!」
親友の伊織に話しかけられて、私は我に返った。
「それをぼーっとしてるって言うんだよ。それよりさ、暇だしジャンケンでもしようよ」
「伊織ってほんと、小学生みたいだよね」
「実際小学生なんだからいいじゃん!!てか、優香も同い年でしょ!」
伊織の反撃を聞き流しながら、私はクスッと笑った。仲のいい友達と思う存分おしゃべりができる。だから、この時間もそう悪くはないかなって思うんだ。
「やったー5連勝!優香弱いね!」
「うぐぅ、、」
小躍りしてる優香を軽く睨みつける私。語彙力の差なのか、口喧嘩で伊織に勝てたことは一度もない。
「罰として、わたしが壁ドンしてあげよう!!」
「いやあああ遠慮しとくよー!」
「罰ゲームだから遠慮する権利はありませんーー!」
勝ち誇ったように笑う伊織に壁ドン、、というかほぼ壁に押し付けられてるよ!これ壁ドンじゃないでしょ!!
「ぎゃーー伊織に潰されるー!彰人助けてー!!」
私は、この時間を楽しくさせてくれるもう一人の存在に助けを求めた。
笹原彰人。幼稚園からの腐れ縁で、何かと気が合うんだ。ノリが良くて、友達も多くて、でも優しくて、、。最近、なぜか彰人の存在が気になるの。
「おーーし優香、今助けるぞ!!」
そう言って彰人は、私を押し潰している伊織をひっぺがした。
「あー!彰人に暴力振るわれたぁー!!わたしか弱い女子なのにー!」
「うるせー伊織はか弱くなんかないだろー!」
「ひっど!」
彰人と伊織が仲良さげに会話を交わす。大好きな2人が仲良くしてて嬉しいはずなのに、、。
なぜか私の胸はチクチク痛む。
「伊織の代わりに俺が押し潰してやるー!」
「裏切ったな彰人おぉぉ!」
平気なフリして叫んでみたけど、私の心臓は痛いくらい大暴れしている。伊織とは全然違う、逞しい体格。なんだか顔が熱くなってきた。
彰人は笑って、
「優香って、ほんと華奢だよなー」
と言い、またニカっと笑った。何気ない一言のはずなのに、なぜか胸が高鳴る。
その時。
「そんじゃ、全クラス揃ったから、帰るぞー!」
学年主任の野崎先生が野太い声でどなる。別に怒ってる訳じゃないんだろうけど声が大きすぎて、さっきとは別の意味で心臓がドキドキした。って、さっきのドキドキの意味がわかった訳じゃないんだけどっ!
「優香ぁさっきのアレ、なんか恋人みたいだったね!」
伊織が指でハートを作って、コソッと囁いてきた。
「べべべ別に、そんなんじゃないと思うよ」
「照れちゃって、かぁわいい〜」
照れてるのかな、、、でも、伊織に恋人みたいって言われたとき、確かに、、、。
彰人の方をチラッと見ると、彼は首を傾げてこっちを見た。その瞬間、顔がぶわっと熱くなった。
こ、これは、もしかして、、、。
私、彰人のことが、好きなんだ。
ーーーーーーーーーーーーー
彰人のことを好きなんだって自覚してから、私は彰人と前みたいに話せなくなった。
向こうは普通に話しかけてくれるんだけど、私が意識しちゃうの。
前までは、ふたりっきりで一緒に帰ってたこともあったのに、、、。
「あ、」
思わず声が漏れた。思ったよりも高い声で、思わず口を押さえる。
目を凝らして見たけど間違いない。前の方に、彰人が一人で歩いている。
こ、これは、チャンスかも!
私は小走りで彼に追いつく。だけど、彼に声をかけられない。
話しかけようとしてるのに、一緒に帰ろって前みたいに言ったらいいだけなのに、なぜか声が出てくれないんだ。
すると、彰人が少しだけこっちを振り向いた。
「優香、一緒に帰ろ」
「う、ん、、」
いつもよりも静かな声で、彼はそう言って微笑んだ。いつもと違う雰囲気に、私はまたドキッとする。
ああ。彰人に、伝えたいな。
好きだよって。
いつまでもずっと、君の隣にいたいんだって。
彼のことが大好きだっていう気持ちが、溢れて、溢れ出して、止まらない。私の中だけに、留めておけない。
どんな反応をされるかはわかんないけど、彼ならきっと、私の気持ちを受け止めてくれる。
私は彼の方を見つめて、彼も私の方を見返す。今ならきっと、伝えられる。
私は溢れる思いに背中を押されて口を開いたーーー。
私の学校にもいっぱいある。めんどうだし、正直鬱陶しい。
でもね、そんな中で一つだけ、ありがたいルールがある。
「はあーあ、早く帰らせろよなー」
「俺らもう小6なのにさー」
そう、うちの学校は、全クラスが廊下に並び終わるまでは帰れない。どこか1クラスの帰りのホームルームが長引いただけで、全員がとばっちりを受ける羽目になる。
でも私は、その時間が嫌いじゃない。
だって、、、
「ねーねー優香ー!なにぼーっとしてんの?」
「ぼーっとしてないもん考え事してただけー!」
親友の伊織に話しかけられて、私は我に返った。
「それをぼーっとしてるって言うんだよ。それよりさ、暇だしジャンケンでもしようよ」
「伊織ってほんと、小学生みたいだよね」
「実際小学生なんだからいいじゃん!!てか、優香も同い年でしょ!」
伊織の反撃を聞き流しながら、私はクスッと笑った。仲のいい友達と思う存分おしゃべりができる。だから、この時間もそう悪くはないかなって思うんだ。
「やったー5連勝!優香弱いね!」
「うぐぅ、、」
小躍りしてる優香を軽く睨みつける私。語彙力の差なのか、口喧嘩で伊織に勝てたことは一度もない。
「罰として、わたしが壁ドンしてあげよう!!」
「いやあああ遠慮しとくよー!」
「罰ゲームだから遠慮する権利はありませんーー!」
勝ち誇ったように笑う伊織に壁ドン、、というかほぼ壁に押し付けられてるよ!これ壁ドンじゃないでしょ!!
「ぎゃーー伊織に潰されるー!彰人助けてー!!」
私は、この時間を楽しくさせてくれるもう一人の存在に助けを求めた。
笹原彰人。幼稚園からの腐れ縁で、何かと気が合うんだ。ノリが良くて、友達も多くて、でも優しくて、、。最近、なぜか彰人の存在が気になるの。
「おーーし優香、今助けるぞ!!」
そう言って彰人は、私を押し潰している伊織をひっぺがした。
「あー!彰人に暴力振るわれたぁー!!わたしか弱い女子なのにー!」
「うるせー伊織はか弱くなんかないだろー!」
「ひっど!」
彰人と伊織が仲良さげに会話を交わす。大好きな2人が仲良くしてて嬉しいはずなのに、、。
なぜか私の胸はチクチク痛む。
「伊織の代わりに俺が押し潰してやるー!」
「裏切ったな彰人おぉぉ!」
平気なフリして叫んでみたけど、私の心臓は痛いくらい大暴れしている。伊織とは全然違う、逞しい体格。なんだか顔が熱くなってきた。
彰人は笑って、
「優香って、ほんと華奢だよなー」
と言い、またニカっと笑った。何気ない一言のはずなのに、なぜか胸が高鳴る。
その時。
「そんじゃ、全クラス揃ったから、帰るぞー!」
学年主任の野崎先生が野太い声でどなる。別に怒ってる訳じゃないんだろうけど声が大きすぎて、さっきとは別の意味で心臓がドキドキした。って、さっきのドキドキの意味がわかった訳じゃないんだけどっ!
「優香ぁさっきのアレ、なんか恋人みたいだったね!」
伊織が指でハートを作って、コソッと囁いてきた。
「べべべ別に、そんなんじゃないと思うよ」
「照れちゃって、かぁわいい〜」
照れてるのかな、、、でも、伊織に恋人みたいって言われたとき、確かに、、、。
彰人の方をチラッと見ると、彼は首を傾げてこっちを見た。その瞬間、顔がぶわっと熱くなった。
こ、これは、もしかして、、、。
私、彰人のことが、好きなんだ。
ーーーーーーーーーーーーー
彰人のことを好きなんだって自覚してから、私は彰人と前みたいに話せなくなった。
向こうは普通に話しかけてくれるんだけど、私が意識しちゃうの。
前までは、ふたりっきりで一緒に帰ってたこともあったのに、、、。
「あ、」
思わず声が漏れた。思ったよりも高い声で、思わず口を押さえる。
目を凝らして見たけど間違いない。前の方に、彰人が一人で歩いている。
こ、これは、チャンスかも!
私は小走りで彼に追いつく。だけど、彼に声をかけられない。
話しかけようとしてるのに、一緒に帰ろって前みたいに言ったらいいだけなのに、なぜか声が出てくれないんだ。
すると、彰人が少しだけこっちを振り向いた。
「優香、一緒に帰ろ」
「う、ん、、」
いつもよりも静かな声で、彼はそう言って微笑んだ。いつもと違う雰囲気に、私はまたドキッとする。
ああ。彰人に、伝えたいな。
好きだよって。
いつまでもずっと、君の隣にいたいんだって。
彼のことが大好きだっていう気持ちが、溢れて、溢れ出して、止まらない。私の中だけに、留めておけない。
どんな反応をされるかはわかんないけど、彼ならきっと、私の気持ちを受け止めてくれる。
私は彼の方を見つめて、彼も私の方を見返す。今ならきっと、伝えられる。
私は溢れる思いに背中を押されて口を開いたーーー。
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