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鏡の国でありがとう

#1

〜出会い〜

どういうことだ。

目の前には、俺とそっくりな男子がいる。
だけど、一つだけ違う。
そいつは誰彼かまわず、少しの親切にもお礼を述べている。
…そして俺は、ありがとうが言えない。
「ミノワールペイ…鏡の国に来てくれてありがとう!」
「はあ?」
何言ってるんだこいつは?
「僕は君の鏡写しの人間!詳しいことは中で説明するからこっちに来て!」
頭大丈夫かな。厨二病なのか…?
てか、中ってどこだよ。
とりあえず、そいつに付いて行ってみると。
「って何ここ!?」
そこはでっかいお屋敷の中。ボロいアパート暮らしの俺とは大違いだ。
俺が今座ってるソファも、怖いくらいふかふか。
お手伝いさんらしき人がお茶を出してくれてる。
「あっ…、どうも」
ぺこっと軽く頭を下げる。やっぱりありがとうは言えない。
「初めまして…って言っても、僕はずっと君のことを見ていたけどね。菅砂礼くんでしょ。」
「なんで俺の名前を?ってか、ずっと見てたって…」
ストーカーかよ?というツッコミは胸に秘めておく。
「改めて説明するね。ここは、簡単に言うと、鏡の国。ここの住人は、地球に住んでる君たちの鏡写しなんだ。僕は君の鏡写し。麗ってよんで。見た目はそっくりだけど、性格は違う。この世界の鏡には、自分の鏡の向こう側の人間…僕で言うと君のこと…がいつでも映ってるんだ。そして、君はこれが一番気になってるよね?どうして自分がここに来たのか」
一息にそう言って、そいつ…麗はにっこり笑った。
そう。洗面所の鏡に突如吸い込まれて、目が覚めたらここにいた。
「君は、ありがとうが言えない。だから真逆の性格の、ありがとうが言える僕に教われっていう上からのお達しさ」
「ちょ、ちょっと待てって!そんな簡単に言われても、だいたい学校とか地球での生活はどうなるんだよ!?あと、上って誰!?」
「それは…、君は行方不明扱いされるんじゃない?でも、ありがとうっていうことができない君が悪いんじゃないかなぁ?身から出た錆って言葉、知ってる?あ、ちなみに、ありがとうを言えるようになるまで君は家に帰れないから」
…こいつ、爽やかそうに見えて意外とねちっこいな。
それで、と麗は前置きするとにっこり笑って言った。
「誰がストーカーだって?」
やっぱりねちっこい!
「…分かったよ。お前の言うとおり、自業自得だ。頑張るよ」
結局、上って誰だよ。

こうして、俺の鏡の国での生活は始まった。
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2025/11/25 17:32

ぱっぱ
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