私のお父さんは今から丁度10年前、私の10歳の誕生日にこの世から去った。
お父さんは自警団に勤めていて、街の人々を守っていた。
悪者にも立ち向かっていく姿は格好よくて、私の自慢だった。
その日は私の誕生日で、お父さんがケーキを買って帰ってきてくれるはずだった。
でも、中々お父さんが帰って来なくて、段々心配になってきて......。
電話がかかってきて、お母さんがそれに出て、急に泣き出すものだから、私はびっくりした。
いつもにこにこしているお母さんが泣いている。
まだ小さかったけれど、私は何となく察していた。
でもまさかお父さんが死んだなんて信じられなくて、私はたくさん泣いた。
お葬式でお父さんと離れたくなくて、泣き叫んだ。
嫌だ、嫌だ、嫌だ!こんなの嘘!
お父さんは優しくて、強くて、格好よくて...!
お父さんは小さな女の子を庇って死んだらしい。
きっとあの人のことだから、後悔はしていないんだろう。
人のために死ねたのなら本望だと、笑って言いそうだ。
何を笑っているの?良くない。全然良くないよ。
お父さんを殺した犯人は、まだ捕まっていない。
きっとのうのうと生きているのだろうと思うと、怒りで体が震える。
私はソイツを絶対に許さない。
どこまででも追いかけてやる。
だから、私は自警団に入った。
それは簡単なことではなかった。
私は女だし、人間だから。
ナメられる要素が多すぎるし、周りからも反対された。
でも、諦められない。
.........ああ、寒い。
外にいすぎたな。
私は立ち上がって家へと入る。
ダイニングで、お母さんが座っていた。
じっと見つめられる。
手招きをされてお母さんの正面にすわると、お母さんがブランケットを膝にかけてくれた。
「アンジュ、あなたに誕生日プレゼントを渡そうと思って」
そういえばもらっていない。
わざわざ用意してくれたんだ。
お母さんは自分の部屋に向かった。
しばらく待っても出てこないから、様子を見に行こうかと思ったとき、お母さんが出てきた。
「お待たせ」
思っていたよりずいぶんと小さい箱を持っているから、少し拍子抜けしてしまった。
よかった。何だかヤバイものではなさそうだ。
じゃーん、と言いながらお母さんが箱を開ける。
私はそれを覗きこんだ。
何だかコンパクトのようなものが入っている。
「なあに?これ...」
「これはねえ...」
その後の言葉が聞きたいのに、お母さんは言ってくれない。
急かすように、私は目線を送った。
お母さんは苦笑する。
「『運命の恋人発見装置』でーす!ぱんぱかぱーん!」
「ちょっと、ボケなくていいから」
どうしてそんなに回りくどいことをするのか。
さっさと教えてくれたらいいのに。
お母さんは心外だとでも言うように口をとがらせた。
「もう、せっかくお母さんがアンジュのためにつくってあげたのにー」
そうなのだ。お母さんは変な魔道具を作ることが大好きなのである。
全く、こっちからしてみればいい迷惑だが。
「え?これ、本当に...ええと、なんだっけ、『宿命の初期微動発生装置』なの?」
「違う!何よ、宿命の初期微動って!『運命の恋人発見装置』よ!」
「そんなこと言われましても」
「まあまあ、騙されたと思って使ってみなさい!さあ、明日は引っ越しで忙しいんだから、早く寝なさい!」
「ええ...はあい」
半ば無理やりに自分の部屋に押し込まれた。
まあ、明日が忙しいのは本当だから早く寝ることにしよう。
明日は私の引っ越しだ。
長い間暮らしたこの家を出て、小さい家で一人暮らしをする予定。
もう20歳だしね。
寝る前に、私は一つの段ボール箱を開ける。
ガムテープにマジックペンで「宝物」と書かれた段ボールだ。
この中々には、書いてあるとおり、私の大切なものを入れてある。
愛読書、昔からの付き合いのぬいぐるみ、一度割れたマグカップ、お母さん秘伝のレシピ本、家族写真、お父さんの忘れ形見のギター、お母さんからもらったヘアピン...。
いろいろ詰まったその中に、タイムカプセルの手紙と、お父さんからのプレゼントだというペンダント、お母さんがくれた『宿命の初期微動発生装置』もとい『運命の恋人発見装置』を入れておく。
その後、もう一度ガムテープでふたをしておく。
私はベッドに入ると、深く布団を被った。
お父さんは自警団に勤めていて、街の人々を守っていた。
悪者にも立ち向かっていく姿は格好よくて、私の自慢だった。
その日は私の誕生日で、お父さんがケーキを買って帰ってきてくれるはずだった。
でも、中々お父さんが帰って来なくて、段々心配になってきて......。
電話がかかってきて、お母さんがそれに出て、急に泣き出すものだから、私はびっくりした。
いつもにこにこしているお母さんが泣いている。
まだ小さかったけれど、私は何となく察していた。
でもまさかお父さんが死んだなんて信じられなくて、私はたくさん泣いた。
お葬式でお父さんと離れたくなくて、泣き叫んだ。
嫌だ、嫌だ、嫌だ!こんなの嘘!
お父さんは優しくて、強くて、格好よくて...!
お父さんは小さな女の子を庇って死んだらしい。
きっとあの人のことだから、後悔はしていないんだろう。
人のために死ねたのなら本望だと、笑って言いそうだ。
何を笑っているの?良くない。全然良くないよ。
お父さんを殺した犯人は、まだ捕まっていない。
きっとのうのうと生きているのだろうと思うと、怒りで体が震える。
私はソイツを絶対に許さない。
どこまででも追いかけてやる。
だから、私は自警団に入った。
それは簡単なことではなかった。
私は女だし、人間だから。
ナメられる要素が多すぎるし、周りからも反対された。
でも、諦められない。
.........ああ、寒い。
外にいすぎたな。
私は立ち上がって家へと入る。
ダイニングで、お母さんが座っていた。
じっと見つめられる。
手招きをされてお母さんの正面にすわると、お母さんがブランケットを膝にかけてくれた。
「アンジュ、あなたに誕生日プレゼントを渡そうと思って」
そういえばもらっていない。
わざわざ用意してくれたんだ。
お母さんは自分の部屋に向かった。
しばらく待っても出てこないから、様子を見に行こうかと思ったとき、お母さんが出てきた。
「お待たせ」
思っていたよりずいぶんと小さい箱を持っているから、少し拍子抜けしてしまった。
よかった。何だかヤバイものではなさそうだ。
じゃーん、と言いながらお母さんが箱を開ける。
私はそれを覗きこんだ。
何だかコンパクトのようなものが入っている。
「なあに?これ...」
「これはねえ...」
その後の言葉が聞きたいのに、お母さんは言ってくれない。
急かすように、私は目線を送った。
お母さんは苦笑する。
「『運命の恋人発見装置』でーす!ぱんぱかぱーん!」
「ちょっと、ボケなくていいから」
どうしてそんなに回りくどいことをするのか。
さっさと教えてくれたらいいのに。
お母さんは心外だとでも言うように口をとがらせた。
「もう、せっかくお母さんがアンジュのためにつくってあげたのにー」
そうなのだ。お母さんは変な魔道具を作ることが大好きなのである。
全く、こっちからしてみればいい迷惑だが。
「え?これ、本当に...ええと、なんだっけ、『宿命の初期微動発生装置』なの?」
「違う!何よ、宿命の初期微動って!『運命の恋人発見装置』よ!」
「そんなこと言われましても」
「まあまあ、騙されたと思って使ってみなさい!さあ、明日は引っ越しで忙しいんだから、早く寝なさい!」
「ええ...はあい」
半ば無理やりに自分の部屋に押し込まれた。
まあ、明日が忙しいのは本当だから早く寝ることにしよう。
明日は私の引っ越しだ。
長い間暮らしたこの家を出て、小さい家で一人暮らしをする予定。
もう20歳だしね。
寝る前に、私は一つの段ボール箱を開ける。
ガムテープにマジックペンで「宝物」と書かれた段ボールだ。
この中々には、書いてあるとおり、私の大切なものを入れてある。
愛読書、昔からの付き合いのぬいぐるみ、一度割れたマグカップ、お母さん秘伝のレシピ本、家族写真、お父さんの忘れ形見のギター、お母さんからもらったヘアピン...。
いろいろ詰まったその中に、タイムカプセルの手紙と、お父さんからのプレゼントだというペンダント、お母さんがくれた『宿命の初期微動発生装置』もとい『運命の恋人発見装置』を入れておく。
その後、もう一度ガムテープでふたをしておく。
私はベッドに入ると、深く布団を被った。