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わくわく実況nmmnおもちゃ箱

#2

ゾンビsnちゃん×貴族pn

⚠️途中ブツ切れていきなりクライマックスに行きます解像度の都合上もう続きが書けないため大変お手数ですが脳内補完してください


「だって、この子はまだ生きてるじゃないか!!」

それは、秋の終わりを告げる冷たい風が吹く頃。
有象無象の雑踏が飛び交う庶民の街に、珍しく煌びやかな馬車が停まった日のことである。
道行く人が襟に顔を埋めて寒さに震えるその裏通りで、それでも、灼熱の熱気で奴隷商人に突っかかる1人の青年がいた。

「ぺいんと坊ちゃん、周りに迷惑ですから……」
彼の召使いである老人が優しく肩に手を置き宥めようとするも、うるさい、と鬱陶しそうに突っぱねるばかり。
老人は行き場を失った右手を額にあてて小さく嘆く。
こうして正義感に駆られた坊ちゃんは、馬車馬に轢かれても止まらないのだ。

事の発端は、「暗所を明るくするためには、まずは暗所を知ることだ」と突然言い出したぺいんとによる裏通りの視察だった。

彼は国でも随一の貴族の出身。腹が減ったならば沢山の料理が、話し相手が欲しければ幾千の美女が、むしゃくしゃするのならばストレス発散のための拷問相手が、指一本の仕草だけでいつでも用意される立場であった。
それは生まれた時から全てを手にしている、傲慢と暴虐の象徴……である、はずだったのだ。
正義感が異様に強く、相手へ愛を注ぐためにその傲慢さを振り回し、困った人は何があろうと放っておけない……ぺいんとのそんな形質は、その貴族の中でもハッキリ言って「変人」そのもの。煌びやかな普段着に降り注ぐ光を四方八方に反射しながら彼なりの「正義」を成すその姿勢に、両親も召使いも皆手を焼いているのだ。

そんな彼の目線の先には……ぐったりと横たわり、首輪と猿ぐつわを付けられた、1人の女の子__もっとも、生物学的には男であるが。
そこそこの距離がある中でも分かる、肩につかないくらいでくすんだ紫の髪、閉じた瞼をアーチ状に飾る長いまつ毛、細く小さなその体躯……彼を事前情報なしに「男だ」と認識できる人は、おそらく少ない。
出自は不明、年齢も不明。流れ流され身分も無いような人間……スラム街の道端で一人寝ている所をたまたま通りかかった奴隷商人から、「ジャンク品」として売り出されるのも、無理はないだろう。
プレイ中のようなみじめな格好で死体のようにじっとしている彼の胸がゆっくり上下しているのを、ぺいんとに見つかった。この押し問答の発端はこれに他ならない。

とかく、そんな彼は奴隷商人と貴族の息子、2人の殿方から言わば奪い合い(かなり一方的だが)をされているのである。
その決着は奴隷商人によってつけられた。
「……あ”〜、じゃあもういいよアホくさい!持ってけ!」
声を荒らげてそう叫びながらリードをぐいと引っ張り、ずるずる引きずってぺいんとの前へと連れてきた。
その子が首を強く引かれ苦しげに呻いているのを、ぺいんとは聞き逃さなかった。慌ててしゃがみこみ、首輪をハサミで切ってやる。猿ぐつわも同じように外した。
もうそいつタダでやるから、という奴隷商人の呆れた声もぺいんとの耳には入らない。
「ねぇ!大丈夫?聞こえてる?名前は!?」
道行く人の奇異の視線さえどこ吹く風、あまりに必死なその叫びを浴びせられてもその子は小さく呻くばかりで、一向に目を覚まさない。
「ちょっと!ねぇ!聞こえてんの!?」

「……坊ちゃん……」

ぺいんとの目が潤み始めたのと強制送還用の馬車が裏通りに到着したのは、ほぼ同時であった。

***

***

今にも悲鳴をあげそうな足に喝を入れて、ひたすらに、ただひたすらに走る。
宮殿の裏の深い森の夜はぺいんとが想像していたよりもずっと暗く、重く、果てしないものだった。
しにがみの手を強く握ると、小さく握り返される。今世紀最大の家出の原因などこれだけで良い。
彼はまだ生きているのだ。その頭を撃ち抜いて殺すだなんて。やってはいけない。例えそれが結果的に皆を害することであったとしても。
しにがみくんには誰1人触れられないし、触れさせない。今や彼自身の揺るぎない「正義」はこの感情に全て飲み込まれ、内包されていたのだった。

***

そうして走って、走って、ようやくたどり着いた森の最奥。そこに静かに浮かぶ大きな湖畔はただ穏やかに凪いでいた。この時期にもなると夜でも暖かい。
ふ、と一息つき、ぺいんとはしにがみの手を引いてゆっくりと歩き出した。しにがみはそれに意思もなく従う。
いつかのあの時をなぞるような、静かな時間だった。

「なぁしにがみ、お前、どこか行きたいところあるか?ふるさととか」
「……」
「しにがみのふるさと……きっと、綺麗なところなんだろうなぁ!花がいっぱい咲いてて、小鳥は歌ってて、小川はキラキラせせらいでて……」
「……」
「きっと、ここみたいに汚れてない、誰も”間違って”なんてない、素敵なところだよ。だろ?」
「……」
「ふるさとが嫌でも良い、どこまでも行こうよ。誰も知らない所にさ。2人ならきっと大丈夫だよ!そうでしょ?」
「……」
「しにがみ……ねぇ、」
「……」
足を止める。彼も止める。
立ち尽くすその姿はまるで夢でも見ているようで、
相変わらず虚ろで、何考えてるか分かんなくて、すっごく綺麗な瞳。
全く、今日は一段と分からない。
すんとしたその表情、目線は、自分には向いていない。湖にも、ふるさとにも、どこにも向いていない。
在りし日の照れ笑いは、意思は、「しにがみ」は、もうそこには無かった。
「……」
視界がぼやける。頬に当たる風がやけに冷たい。
気づけばその手を握ったまま慟哭していた。夜の湖畔に似つかわしくない仰々しい叫び声が辺りに響き渡る。
でも、いくら呻いて、嘆いて、歯を食いしばろうと、どうしようもなく自分を取り巻く現実はどうにもならない。

だが、ぼろぼろと零れる大粒のそれは、確かに、「しにがみ」を潤したのである。



銃声がつかの間の安寧を破ったのはそれからすぐの事だった。思考より早く体が動いた。ぺいんとはしにがみを抱きかかえ、ほとんど本能のままに茂みに飛び込む。
(もう、ここまで追っ手が来たのか)
この空間さえも、この二人でさえも切り裂いて、現実は、”間違い”は、冷酷にことを進め、そうして何事も無かったことになる。
こんなスカスカの茂みが盾では5分ともたないうちに見つかるだろう。そもそもぺいんとには場所探知の魔法がかけられている。初めから見つからないわけが無かったのだ。
小さく身を丸めた外では、魔弾銃の爆発音が絶え間なく響く。軍人たちがゾロゾロと列を成して、自分を探している。
こんなに物分りの悪いぺいんとでもさすがに悟った。
終わりなのだと。お別れなのだと。
それでも名残惜しく、未練たらしく、目の前の「しにがみ」の腕を取って縋りつく。
あぁ、嗚呼!だって、だって、まだ一緒にいたい!大好きだ。この世の何よりも。大好き!!2人きりになっても構わない。ずっと一緒にいたい。ずっと、ずっと。
本当に、君がいない世界は__


「……ぺいんと、さん」


その時。
聞こえるはずのない掠れ声が、鼓膜を揺らした。


「…へ」


優しく腕を掴み返される。目線が合う。
どこまでも哀しげに、でも優しく、笑っていた。


(……「しにがみ」だ)


もう聞けるはずのない声、見られるはずのない笑顔。
それが、今、



「……僕がいないと、つまらない世界になるって、言ってくれて、」


「しにがみ」から、確かに発せられた。


「……ありがとう」




同時に、眩い光が、目の前の彼を貫いた。



***
「坊ちゃん、失礼します」
きい、と音を立てて扉が開く。

ぺいんとは静かに机に向かっていた。召使いは手馴れた様子で紅茶を注ぎ、お菓子を並べる。
「……三時のおやつでございますよ」
「!あぁ、ありがとね」
召使いが訝しげにそう言うと、ぺいんとはハッと我に返ってティーセットを手に取る。ぼんやりとした様子の彼を案じながら、召使いは盆を下げた。

今までと何一つ変わらない日々が戻ってきた。
あれから、しにがみ君……原因不明の感染症に罹った少年は、叫びながら縋り付くぺいんとを引き剥がしてどこかへ運ばれていった。
それからしばらく彼は居室の鍵を固くかけ、誰が呼んでも何も聞かず、食べず、飲まずの有様であったのだが……ある日突然、いつも通りの姿で皆の前に現れ、それからずっと、しにがみ君を迎える前の彼と全く同じ様子で振る舞っている。
正義感が強くて、純粋で、馬鹿みたいに元気な姿。
それは本当にはじめからあの出来事など無かったかのようにあっけらかんとしていて、それが末恐ろしかった。
長年付き添ってきたはずであるのに、今の彼が分からない。

「……?顔になんかついてる?」
よほど凝視していたのか、きょとんとした様子で首を傾げられた。
慌てていえ、と返し、用事も済んだので部屋を出る。

……まぁ、ぺいんと坊ちゃんが元気そうならそれが何よりだ。

***

まばたきを二度、三度する。ゆっくりと。
それでもやはり、彼はもういない。
ぺいんとは小さく息をつき、かつてしにがみと一緒に眠った大きなベッドに目を向けた。
ひょっとしたらクシャミやアクビでもした拍子にパッと現れたりしないかな、なんて思うが、現実はそう甘くはないらしい。

”もうすぐ会える”とはいえ、肉体的には未だ1人だ。

そう思うと寂しくなって、そっと上着をたくし上げてみる。

顕になったのは日焼けのしない、薄い腹。
そこには、爛れて腐ったような真緑の皮膚が大きく横たわっていた。
愛おしくも懐かしい手触り。
小さく微笑む。


君がいない世界がつまらないのなら、自分がそちらへ引っ越せばいい。
そう遠くないうちに、また君に会いに行こう。

おわり

作者メッセージ

途中どうしようとしてたか覚えてはいる
ゾンビ化して自我を失いドロドロになっていくしにちゃんを書く勇気は8号には無いのだった

2026/02/25 22:25

習字道具8号
ID:≫ 46WpxhS0UDGCw
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