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#地味女子 クズ くっつく 方法

#1

ずるい、その顔。


 [漢字]星乃 灯[/漢字][ふりがな]ほしの あかり[/ふりがな]は、自分のことを「暗い人」だと思っている。


クラスでも、きっとそう呼ばれている。


黒いロングヘアは少し乱れていて、黒メガネの奥から人の顔を見るのが苦手。

制服だけはきちんと整えている。


灯「こんにちは……」


朝の挨拶は、今日も誰にも拾われない。


少し前の席に、山田健斗がいる。


ぽっちゃりしていて、いつも笑っていて、優しい。


灯「え?あ、はい!おはよー!」


それだけで胸がふわっとする。


——好き、だった。たぶん。


そのすぐ近くで、うるさい声。


友達「うわ〜、それバグやろ」
?「は?マジで!?」


[漢字]橋 蒼[/漢字][ふりがな]はし あお[/ふりがな]


顔だけは無駄に整っていて、性格はクソ。


しかも——ちっちゃい。


灯より、少しだけ背が低い。


なのに態度は誰よりもデカくて、
男子の真ん中でゲームしながら騒いでいる。


……近づかない方がいい人


______________________


給食の時間。


灯はパンをちぎりながら、視線を落としていた。


前の方で、男子たちが笑っている。


友達「蒼、それ俺のプリン!」
蒼「は?名前書いてねーし」


蒼が、友達の肩越しにプリンを取ろうとして、


何か言われて——


一瞬だけ、笑った。


少し見上げる形で、
目が細くなって、口角が上がる。


……え


灯の視線が、思わず止まる。


背は低い。

声はうるさい。

性格は最悪。


なのに、その笑顔だけが、やけに自然で。


胸の奥が、きゅっと縮む。


……見なきゃよかった……


蒼はすぐに真顔に戻り、


蒼「早く食えって」


なんて言いながら給食に戻る。


______________________



放課後。


帰ろうとして立ち上がった瞬間、前から誰かが来て——


[大文字][斜体]コツン。[/斜体][/大文字]


?「あ」


視線を上げると、すぐそこに蒼がいた。


自然と、灯は少しだけ見下ろす形になる。


蒼「あ、大丈夫やけん!」


蒼はすぐそう言って、一歩下がる。


その距離が、近い。


灯「……す、すいません……」
蒼「いや、俺こそ」


一瞬だけ、目が合う。


下から見上げられる形。


それだけで、心臓が変な音を立てた。


蒼はもう興味なさそうに、友達の方へ戻っていく。


——ただそれだけ。


なのに灯は、その場から動けなかった。


……………クズなのに………………



失礼なことを考えた自分に、少し自己嫌悪する。


でも同時に、
さっきの笑顔と、見上げられた視線が、頭から離れない。


山田くんの優しさは、安心する。


蒼の存在は——落ち着かない。


灯「……やだ……」


小さく呟いた声は、誰にも届かない。


星乃灯はまだ知らない。


この“[漢字] ちっちゃいのに態度がデカい男”に[/漢字][ふりがな]橋 蒼[/ふりがな]、
一番振り回されることを。

______________________💙

2026/01/30 17:31

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