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🌟〈参加型〉『推しとオタクの夢物語』🌟〆切!!マネージャー決定!!!!!!

#35

👟灰色の廊下で、雲に触れた日。🩶


________________👟☁️________


朝の校舎は、まだ音が少ない。 


雨上がりで、廊下の窓がうっすら白く曇っている。


私はいつもより少し早く登校して、
イヤホンを片耳だけ外しながら、自分の席に向かっていた。


……今日は、体育ある日だ。最悪


そう思いながら、視線を落とした、その時。


前の席に、見慣れない後ろ姿があった。


________あれ。


地毛より少し明るいダークブラウンの髪。


低めに結ばれていて、毛先がゆるく揺れている。


白に近い生成りのトップスと、くすんだミント色のスカート。


……なんで、あの色……


心臓が、嫌な音を立てた。


その色の組み合わせを、私は知っている。


何百枚も画像を保存して、

何度も拡大して、

何度も「好きだ」と確認した。__


……いや、落ち着け。私。似てるだけ


そう、ただの偶然。


灰色はよくあるし、ミントだって流行ってる。


そう言い聞かせて、席に座ろうとした瞬間。


その子が、振り向いた。


心洩「……あ、おはようございます」


柔らかい声だった。


少し控えめで、でもちゃんと相手を気遣う音。


__視界が、白くなった。


……無理


ジト目が一気に開いて、言語野が沈黙する。


丸すぎない、少し垂れた目。


主張しすぎないまつげ。


光を吸うみたいな、こげ茶の瞳。


……雫森、心洩……


喉まで出かけた名前を、私は必死で飲み込んだ。


________違う。


ここは現場じゃない。


ライブでも、配信でもない。


ここは、学校。


結音「……お、おはよう……」


声が、思ったより小さくなった。


自分の声なのに、他人みたいだ。


けれど、心洩さんは、少し安心したように笑った。


その瞬間。


…………。________


脳内で、何かが崩れ落ちた。


笑うまで可愛いって気づかれない、って、
私は何百回も書いてきた。


布教文にも、タグにも、全部。


でも__


実物は、ダメだ。


笑顔が、静かすぎる。


派手じゃないのに、目が離れない。


……むり……


私は、無意識に合掌していた。


心洩さんは一瞬きょとんとして、
でも、困らせない距離で、こう言った。

心洩「……もしかして、緊張してます?」
結音「……ち、ちが……」


いや。________


違わない。


心拍数が、限界オタクのそれだった。


心洩「私、[漢字] 雫森 心洩[/漢字][ふりがな]しずくもり こもれ[/ふりがな]です。
今日から、よろしくお願いします」


丁寧で、優しくて、
“[漢字] アイドルじゃない時の彼女[/漢字][ふりがな]本当の雫森 心洩[/ふりがな]”の声。  


私は、少しだけ息を整えて、答えた。


「……[漢字]灰羽 結音[/漢字][ふりがな]はいばね ゆね[/ふりがな]です。
……よろしく、お願いします」 


名字しか言えなかった。


名前を呼ばれたら、たぶん耐えられない。


心洩さんは、私の名を一度、心の中で転がすみたいにしてから


心洩「……灰羽さん」


そう呼んだ。


……っ


灰色の世界に、
雲がひとつ、降りてきたみたいだった。


その日から、
私は“推し”と同じ教室で、
同じ時間を、生きることになる。


__まだ、この時の私は知らない。


この出会いが、
「オタク」と「アイドル」の境界線を、
少しずつ、溶かしていくことを。


________________☁️__👟🎧___________
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参加型オタクアイドル意外と伸びた奴

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