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#23

ただのおみず

 目覚ましが鳴るより早く、スマホが震えた。
 雫月 凪は、まだ眠たい目をこすりながら画面を開く。

凪「……始まってる」

 小日向陽葵里、朝枠配信中。
 それだけで、眠気は一瞬で消えた。

ひいの「おはようっ!ひまりのおみずのみんな!」

 その声に、胸がきゅっとなる。

凪「あぁ……今日もひまちゃんが尊い……」

 思わず小声で呟きながら、ノートを開く。
 表紙には丁寧な文字で書かれている。

__転倒観測日記

 今日の日付を書き、配信を見守る。

ひいの「あ、立った……危ない……」

 数秒後。
ひいの「あ、わわわわっ!」

 転倒。

凪「……うん、1回」

 ペンを走らせながら、凪は微笑んだ。
 恥ずかしそうに赤くなる顔。
 それでも、前を向いて笑う姿。

ひいの「人見知りな自分を、変えたいんだ」

 あの日、偶然見かけた朝枠。
 その一言が、凪の心に深く沈んだ。

凪(私も、内気で。
 人の輪に入るの、ずっと苦手で……)

 __だからこそ。

凪「太陽みたいに笑う君に、救われたんだよ」

 コメント欄に流れる言葉たちの中で、
 凪はそっと一つだけ打つ。

《今日もお水飲んでね💧》

凪「……私はただの『おみず』」

 画面の向こうで輝く向日葵に、
 必要なのは、光じゃない。
 静かに、絶えず注がれる水。

凪「それでいい。それ以上は、望まない」

 ライブの日。
 凪は会場で、ひまわり型のペンライトを三本振る。
 一度も転ばずに、踊りきったステージ。

凪「……っ!」

 思わず息を呑む。 

凪「ひ、ひまちゃんが……!」

 涙が滲むのを、誰にも見られないように俯く。

凪(お祝いだ。今日は……お赤飯、だね)

 帰り道。
 学校の廊下で、黄色のヘアピンをつけた小さな背中が走っていく。

凪「……あれ?」 

 黄色の髪につぶらな瞳

 一瞬、胸が跳ねる。

凪(……似てるだけ、だよね)

 そう思いながらも、
 カバンの中のペットボトルを握りしめた。

凪(もし、同じ学校だったら……)

 ——毎日、お水、差し入れしちゃうな。 

 画面の中でも、現実でも。
 凪は今日も、ただ静かに願う。
 向日葵が、明日も咲きますように。

2026/01/21 14:33

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