朝の登校路。灯は少し眠たい目をこすりながら、ふわふわとした頭で歩いていた。
……今日、何時間目までだっけ……
そんなことを考えながら、ぼーっと視線を泳がせていると、視界の隅に「彼」が入り込む。
……あ、蒼だ……
向こう側に、いつもの歩幅で歩く蒼の姿。
見つけた瞬間、さっきまでの眠気が嘘みたいに吹き飛んだ。
咄嗟に「隠れなきゃ!」と体が反応するけれど、心の中では
……でも、本当は一緒に教室に入りたいな……なんて、図々しい願いが頭を回る。
結局、付かず離れずの距離を保ったまま、二人は吸い寄せられるように同じタイミングで昇降口の玄関をくぐった。
……あ。入るタイミング、一緒になっちゃった……
灯はなんだか恥ずかしくなって、蒼と目を合わせないように、
逃げるような早足で先に廊下へと踏み出した。
もう、バカ……! 意識しすぎだよ、私……!
自分の不器用さに呆れながら、さっさと教室に入ってしまおうとした、その時。
蒼「あの!!」
後ろから、聞いたこともないような蒼の必死な声が響く。
振り返る間もなく、タッタッタッと激しい足音が近づいてきたかと思うと、灯の腕がグイッと引き止められた。
灯「……っ!? え……?」
勢い余って、蒼の体が灯にぶつかりそうなほど急接近する。
見上げると、蒼は少し肩を上下させて、息を切らしていた。
蒼「これ……っ、落とした……」
差し出されたのは、灯の通学カバンについていたキーホルダー。
それを手渡そうとする蒼の指先が、灯の手のひらに、ぎゅっと、重なった。
灯「あ……っ」
え……? 朝から……手、触れた……?
「……じゃあ」と、少し顔を赤くした(全力で走ったから?それとも……?)蒼が、そそくさと前を歩いていく。
灯は廊下の真ん中で立ち尽くしたまま、蒼の熱が残る自分の左手を、そっと握りしめた。
……今日、何時間目までだっけ……
そんなことを考えながら、ぼーっと視線を泳がせていると、視界の隅に「彼」が入り込む。
……あ、蒼だ……
向こう側に、いつもの歩幅で歩く蒼の姿。
見つけた瞬間、さっきまでの眠気が嘘みたいに吹き飛んだ。
咄嗟に「隠れなきゃ!」と体が反応するけれど、心の中では
……でも、本当は一緒に教室に入りたいな……なんて、図々しい願いが頭を回る。
結局、付かず離れずの距離を保ったまま、二人は吸い寄せられるように同じタイミングで昇降口の玄関をくぐった。
……あ。入るタイミング、一緒になっちゃった……
灯はなんだか恥ずかしくなって、蒼と目を合わせないように、
逃げるような早足で先に廊下へと踏み出した。
もう、バカ……! 意識しすぎだよ、私……!
自分の不器用さに呆れながら、さっさと教室に入ってしまおうとした、その時。
蒼「あの!!」
後ろから、聞いたこともないような蒼の必死な声が響く。
振り返る間もなく、タッタッタッと激しい足音が近づいてきたかと思うと、灯の腕がグイッと引き止められた。
灯「……っ!? え……?」
勢い余って、蒼の体が灯にぶつかりそうなほど急接近する。
見上げると、蒼は少し肩を上下させて、息を切らしていた。
蒼「これ……っ、落とした……」
差し出されたのは、灯の通学カバンについていたキーホルダー。
それを手渡そうとする蒼の指先が、灯の手のひらに、ぎゅっと、重なった。
灯「あ……っ」
え……? 朝から……手、触れた……?
「……じゃあ」と、少し顔を赤くした(全力で走ったから?それとも……?)蒼が、そそくさと前を歩いていく。
灯は廊下の真ん中で立ち尽くしたまま、蒼の熱が残る自分の左手を、そっと握りしめた。