______________________
放課後。
校舎の裏。
人気のない場所で、灯は一人、立ち止まっていた。
——もう、近づかないって決めた。
——蒼は、クズ。
——[下線]優しくしても、全部、気まぐれ。[/下線]
そう思わないと、立っていられない。
灯「……帰ろ……」
小さく呟いて、歩き出そうとした、その時。
______________________
後ろから、聞き慣れた声。
蒼「……星乃さん?」
……来ないで……
振り返りたくないのに、体が止まる。
ゆっくり、振り返る。
蒼はポケットに手を突っ込んだまま、少し距離を空けて立っていた。
蒼「……昼のやつ」
灯の心臓が、嫌な音を立てる。
……また、傷つくやつ……
灯「……すいません……」
反射的に謝る。
蒼は一瞬、目を伏せてから、
蒼「……あれ」
___________間。
妙に、長い沈黙。
蒼「……[太字]嘘やけん[/太字]」
……え?
灯の脳が、完全に止まる。
蒼は視線を逸らしたまま、続ける。
蒼「無理とか、困るとか」
淡々としてるのに、声が少し低い。
蒼「……あれ、適当」
……適当……?
灯の心臓が、今度は逆に暴れ出す。
蒼は、ちょっとだけ困ったように鼻を鳴らす。
蒼「正直に言うとさ」
一歩、近づく。
距離が、一気に縮まる。
灯「……っ……」
蒼「期待されるのが嫌なんじゃなくて」
そこで、止まる。
灯の目を見る。
真正面。
逃げられない。
蒼「……期待させるのが嫌やった」
灯「……え……?」
声が、情けないほど小さい。
蒼はそれ以上、何も言わない。
説明もしない。
フォローもしない。
ただ、少しだけ眉をひそめて、
蒼「……だから、嘘ついた」
それだけ。
そして、くるっと背を向ける。
蒼「じゃ」
軽い。
いつも通り。
……最低……
……クズ……
なのに。
灯の心臓は、今にも破裂しそうだった。
灯「……っ……」
言葉が、出ない。
背中を見送るしかない。
蒼が数歩歩いて、ふと思い出したみたいに振り返る。
蒼「……あ」
最後に、投げるように。
蒼「また、明日」
______________________
……は?
……は???
何言ってんの……こいつ…
灯「………………」
世界が、ぐらっと揺れる。
あんなこと言っ癖に……
てか、どこまでが「嘘」?
何が本当?
心臓が、限界突破。
灯「……しぬ……」
その場にへたり込む。
顔は真っ赤、呼吸はぐちゃぐちゃ。
……なんで……
……最後にそれ言うの……
……クズ……クズすぎ……
___________でも。
胸の奥の奥で、
ほんの小さな火が、消えなかった。
——期待させるのが嫌だった
——嘘をついた
——「嘘やけん」
星乃灯は今日、
クズ男にとどめを刺された。
[大文字][太字]恋[/太字][/大文字]として。
心臓として。
情緒として。
そしてまだ、
この男から、逃げられない。
放課後。
校舎の裏。
人気のない場所で、灯は一人、立ち止まっていた。
——もう、近づかないって決めた。
——蒼は、クズ。
——[下線]優しくしても、全部、気まぐれ。[/下線]
そう思わないと、立っていられない。
灯「……帰ろ……」
小さく呟いて、歩き出そうとした、その時。
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後ろから、聞き慣れた声。
蒼「……星乃さん?」
……来ないで……
振り返りたくないのに、体が止まる。
ゆっくり、振り返る。
蒼はポケットに手を突っ込んだまま、少し距離を空けて立っていた。
蒼「……昼のやつ」
灯の心臓が、嫌な音を立てる。
……また、傷つくやつ……
灯「……すいません……」
反射的に謝る。
蒼は一瞬、目を伏せてから、
蒼「……あれ」
___________間。
妙に、長い沈黙。
蒼「……[太字]嘘やけん[/太字]」
……え?
灯の脳が、完全に止まる。
蒼は視線を逸らしたまま、続ける。
蒼「無理とか、困るとか」
淡々としてるのに、声が少し低い。
蒼「……あれ、適当」
……適当……?
灯の心臓が、今度は逆に暴れ出す。
蒼は、ちょっとだけ困ったように鼻を鳴らす。
蒼「正直に言うとさ」
一歩、近づく。
距離が、一気に縮まる。
灯「……っ……」
蒼「期待されるのが嫌なんじゃなくて」
そこで、止まる。
灯の目を見る。
真正面。
逃げられない。
蒼「……期待させるのが嫌やった」
灯「……え……?」
声が、情けないほど小さい。
蒼はそれ以上、何も言わない。
説明もしない。
フォローもしない。
ただ、少しだけ眉をひそめて、
蒼「……だから、嘘ついた」
それだけ。
そして、くるっと背を向ける。
蒼「じゃ」
軽い。
いつも通り。
……最低……
……クズ……
なのに。
灯の心臓は、今にも破裂しそうだった。
灯「……っ……」
言葉が、出ない。
背中を見送るしかない。
蒼が数歩歩いて、ふと思い出したみたいに振り返る。
蒼「……あ」
最後に、投げるように。
蒼「また、明日」
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……は?
……は???
何言ってんの……こいつ…
灯「………………」
世界が、ぐらっと揺れる。
あんなこと言っ癖に……
てか、どこまでが「嘘」?
何が本当?
心臓が、限界突破。
灯「……しぬ……」
その場にへたり込む。
顔は真っ赤、呼吸はぐちゃぐちゃ。
……なんで……
……最後にそれ言うの……
……クズ……クズすぎ……
___________でも。
胸の奥の奥で、
ほんの小さな火が、消えなかった。
——期待させるのが嫌だった
——嘘をついた
——「嘘やけん」
星乃灯は今日、
クズ男にとどめを刺された。
[大文字][太字]恋[/太字][/大文字]として。
心臓として。
情緒として。
そしてまだ、
この男から、逃げられない。