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推しを全世界に布教したい委員会〈参加型〉

#3

うるさい男子を黙らせたい2

昼休み終了直前の教室。  


空気はまだざわついているが、さっきより少しだけ静かになっている。


その原因は、たぶん一人。


夢雲 麩羽だった。

机に肘をつき、スマホを握りしめる彼女は、いつもより明らかに機嫌が悪い。


麩羽「……はぁ」

ため息ひとつ。


その時点で周囲の空気がわずかに冷える。


さっきの“うるさい男子群”……まだ騒いでますね。理解不能です


麩羽の視線の先では、例の男子たちがまだ笑っている。


その中の一人が、軽いノリで言った。


男子「てかさ、さっきの布教っぽいやつウケたわw」


その瞬間。


麩羽のスイッチが入った。


麩羽「……は?」


静かな声。


でも空気が一瞬止まる。


彼女はゆっくり立ち上がる。


麩羽「今、何を“ウケた”って言いましたか?」


男子たちが気づく。


さっきの匿名投稿の主が“近くにいる側の人間”だと。


男子「え、いや別に深い意味は……」


麩羽「深い意味がないなら、浅いノリで他人の“好き”を笑ったってことですね?」


一歩前へ。


声は小さいのに、妙に刺さる。


麩羽「麩羽は別に、押し付けてません。お願いしただけです」
麩羽「“聴いてください”っていうのは、“黙れ”よりずっと優しい言葉です」


麩羽「それをウケるとか言える神経、逆に尊敬します」


男子たちが少し黙る。


その隙を逃さず、麩羽は畳みかける。


麩羽「じゃあ説明しますね。あなた達が“面白い”って言った世界の外側」


スマホを軽く掲げる。


■いれいすとは
「歌い手グループです。複数人で活動してて、
歌ってみたとかオリジナル楽曲とか、色んな“声の表現”をやってる人たちです」
「例えば──」


麩羽の指が止まる。


麩羽「低音ラップが異常にかっこいい人がいます」
麩羽「見た目に油断すると心臓持ってかれます」
麩羽「歌が上手すぎて、感情の処理が追いつかない人もいます」
麩羽「普通に聴いてるだけで“なんでそんなに歌えるんですか?”ってなります」
麩羽「あと、声だけで殴ってくるタイプの人もいます」
麩羽「しかもメンバーとの絡みで精神が削られます。尊さで」


男子の一人がぼそっと言う。


男子「それただの熱量じゃん……」


麩羽、即答。


麩羽「熱量で何が悪いんですか?」


麩羽「“好き”って感情は、軽く扱っていいものじゃないです」
麩羽「笑うなら、理解してからにしてください」


一瞬の静寂。


■クロノヴァとは
麩羽は少しだけトーンを落とす。


麩羽「こっちは雰囲気が違います」
麩羽「声とか世界観とか、“刺さる人にだけ刺す”タイプです」
麩羽「静かに落とされる感じです」
麩羽「たとえば、声で胸撃ち抜かれた事ってありますか?」
男子「あります。普通にあります」
麩羽「それがクロノヴァです」


男子たち、完全に黙る。


さっきまでの笑い声は消えている。


麩羽はスマホをしまう。


麩羽「……以上です」


少し間を置いてから、最後に一言。


麩羽「で、もう一回聞きます」
麩羽「さっきの“ウケた”って、まだ言えますか?」


誰も答えない。


麩羽は小さく息を吐く。


麩羽「……じゃあいいです」


席に戻る途中、彼女は小さくつぶやく。


麩羽「布教って、やっぱり楽じゃないですね」


でもその声は、どこか少しだけ満足そうだった。


その後。


教室の空気は、少しだけ変わっていた。


誰かがスマホで「いれいす」を検索している。


誰かが「クロノヴァって何?」と小さく聞いている。


そして委員会のチャットに通知。


『評価:感情の揺さぶり確認。次フェーズへ』


麩羽は画面を見て、無表情で言う。


麩羽「まだ上があるんですか……?」

作者メッセージ

こんな感じかなぁ?うううううう……へへ
あ、何もありません

コメント

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二次創作推しオタク参加型

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