文字サイズ変更

#地味女子 クズ くっつく 方法

#22

偶然。

______________________

朝の教室。


窓から入る光が、机の上をぼんやり照らしていた。


灯は席に座ったまま、まだ落ち着かない指先を隠すようにノートを開いている。


昨日の……


思い出そうとするたびに、左手の感覚が蘇る。


……落としただけ。


ただ、それだけ。


そう自分に言い聞かせるのに、胸の奥だけが言うことを聞かない。

______________________

[斜体]ガラッ[/斜体]


教室のドアが開く。


蒼「……おはよー」


いつも通りの声。


男子たちの方へ行って、何事もなかったようにカバンを置く。


笑ってる。


普通に。


昨日のことなんて、もう頭にないみたいに。


灯「……」


視線が一瞬だけ止まる。


……そっか


ほんの少しだけ、胸が沈む。
______________________
授業中。


蒼は隣で、だるそうにペンを回している。


たまに欠伸をして、友達と小声でふざけている。


いつも通りの蒼。


いつも通りなのに。


なぜか今日は、それが少しだけ遠く感じる。


……昨日のこと、
本当に、ただの偶然だったんだ。

______________________
休み時間。


蒼は男子に呼ばれて廊下へ出ていく。


その背中を、灯は無意識に目で追ってしまう。


気づいた瞬間、慌てて視線をノートに落とす。


灯「……やだ、ほんとに」


小さく呟く。


見ないって、決めたのに。


でも、
見てしまう。

______________________

昼休み前。


廊下から戻ってきた蒼が、机に軽く手をつく。


蒼「星乃さん」
灯「っ……はい」


反射で声が裏返る。


蒼は特に気にした様子もなく、


蒼「昨日のキーホルダー、普通につけといた方がいいで。落とすから」


それだけ言って、自分の席に戻る。

______________________

灯は、しばらく動けなかった。


……それだけ?


胸の奥が、ちくっとする。


昨日のあれも、今のこれも。
 

全部、ただの“確認”みたいで。


……私だけ、
なんか違うこと考えてるみたいじゃん。

______________________

お弁当の蓋を開ける。  


でも、味が少しだけ分からない。


視線の先で、蒼はまた男子と笑っている。


いつも通りの顔。


いつも通りの距離。


灯は小さく息を吐く。


灯「……バカみたい」


でもその声は、
少しだけ震えていた。
______________________

作者メッセージ

お久しぶりですうう!

ふわふわのくも改め灯(?)です✌️

皆さんお待ちかねの、転校編、入っていきますので少しお待ちを!

2026/04/28 16:25

コメント

この小説につけられたタグ

恋愛地味女子クズ下手

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は☁️ふわふわのくも☁️@ゆるくも日和さんに帰属します

TOP