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夢物語、上映中!

#2

少年の夢 -1【リメイク版】

「ちょっと、待ちなさい!」
そんな母さんの声を背中に聞きながら、俺は家出用のリュックを掴んで家を飛び出した。会談を数段飛ばしで駆け下り、マンションの前で一息つく。
このマンションは駅に近いから、この時間帯には家に帰る会社員や学生が多くいる。誰かの話し声や携帯の着信音に紛れて、俺の通った跡はすぐに消えるだろう。人混みの中、目的地も定まらないままに歩き続けた。

[打消し]  [/打消し]もう、限界だ。何が“家族”だよ。


ここまで来たら見つからない。
家を出てから30分くらい経っただろうか。そう感じた俺は、たまたま見つけた公園のベンチに腰を下ろし、ポテチを食べながら考える。

実は、今どこにいるのかがほとんどわからない。
スマホは持っていないし、キッズケータイは持ってきていない。つまり今、俺には帰り道がわからないし、親にも居場所がわからない。お金は多少持っているから公衆電話で電話はできるだろうが、それでは家出の意味がない。ただ帰って、怒られて終わり。
それじゃ、ダメなんだ。

ポテチを食べ終わり、途方に暮れてまた歩いていると、一つの店を見つけた。
事情を話せば帰り道を教えてもらえるだろうか。ふいに閃いた考えが、とても良いもののように思える。
……古びていて、派手で、怪しいことは気にしないことにしよう。「夢映画館」と読み取れる看板はあるけど、なんの店なのかはよくわからない。こんな怪しい店に自分から入るのはやめたほうがいいような気もしたが、もう店は見つからないかもしれない。俺は覚悟を決めて、重い扉を開いた。

2025/07/25 21:10

紫丁香花
ID:≫ 1.0K4/fUmPkQk
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